改正かいせい政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう 成立せいりつ 自民じみん 公明こうめいなど賛成さんせい多数たすう 野党やとう側がわは反対はんたい

改正かいせい政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうは◇議員ぎいん本人ほんにんに対にたいする罰則ばっそくを強化きょうかするいわゆる「連座れんざ制せい」導入どうにゅうのため収支しゅうし報告ほうこく書しょの「確認かくにん書しょ」の作成さくせいを議員ぎいんに義務ぎむづけ、◇パーティー券けんの購入こうにゅう者しゃの公開こうかい基準きじゅん額がくを今いまの「20万まん円えんを超こえる」から「5万まん円えんを超こえる」に引き下ひきさげるとしています。

また、◇党とうから支給しきゅうされる「政策せいさく活動かつどう費ひ」について、項目こうもくごとの使つかいみちや支出ししゅつした年月としつきを開示かいじし、10年ねん後ごに領収りょうしゅう書しょなどを公開こうかいするとしています。

19日にちの参議院さんぎいん本ほん会議かいぎではまず討論とうろんが行おこなわれ、自民党じみんとうの佐藤さとう正久まさひさ氏しは「今回こんかいの法ほう改正かいせいは『制限せいげんする』のではなく、『正ただす』という意味いみで大おおきな前進ぜんしんだ。スピード感かんをもって法案ほうあんにさらなる魂たましいを入いれ実効じっこう性せいを上あげていく。政治せいじ活動かつどうの自由じゆうを確保かくほしながら、政治せいじ資金しきんのさらなる透明とうめい化かと適正てきせい化かに貢献こうけんするものだ」と述のべました。

一方いっぽう、立憲りっけん民主みんしゅ党とうの水岡みずおか参議院さんぎいん議員ぎいん会長かいちょうは「信頼しんらい回復かいふくどころか、国民こくみんにはますます不信ふしんや不安ふあん感かんが広ひろがっている。抜け穴ぬけあなだらけの法案ほうあんやザルのような法案ほうあんとの指摘してきを覆くつがえせなかった自民党じみんとうは、規正きせい法ほうが目指めざした方向ほうこう性せいに逆行ぎゃっこうしていると言いわざるをえない」と批判ひはんしました。

日本にっぽん維新いしんの会かいの音喜多おときた政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうは「約束やくそくをほごにして、議員ぎいん特権とっけんを温存おんぞんすることは、国民こくみんに対にたいする重大じゅうだいな裏切うらぎり行為こういだ。自民党じみんとうの不ふ誠実せいじつな態度たいどは法案ほうあんに反対はんたいする十分じゅうぶんな理由りゆうを与あたえる」と述のべました。

続つづいて採決さいけつが行おこなわれ、改正かいせい政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうは自民じみん・公明こうめい両りょう党とうなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつ・成立せいりつしました。衆議しゅうぎ院いんで賛成さんせいした維新いしんの会かいをはじめ、立憲りっけん民主党みんしゅとう、共産党きょうさんとう、国民こくみん民主党みんしゅとう、れいわ新選しんせん組ぐみ、教育きょういく無償むしょう化かを実現じつげんする会かい、社民党しゃみんとう、参政さんせい党とうなどは反対はんたいしました。

改正かいせい法ほうをめぐっては、派閥はばつの政治せいじ資金しきんパーティーをめぐる問題もんだいを受うけて自民党じみんとうが法案ほうあんを提出ていしゅつし、衆議しゅうぎ院いんで公明党こうめいとうや維新いしんの会かいの主張しゅちょうを踏ふまえ修正しゅうせいが行おこなわれました。

しかし維新いしんの会かいは、国会こっかい議員ぎいんに支給しきゅうされる「調査ちょうさ研究けんきゅう広報こうほう滞在たいざい費ひ」をめぐる自民党じみんとうの対応たいおうに反発はんぱつし参議さんぎ院いんでは反対はんたいに転てんじました。

改正かいせい法ほうでは、「政策せいさく活動かつどう費ひ」の支出ししゅつをチェックする第三者だいさんしゃ機関きかんの制度せいど設計せっけいなどは「検討けんとう事項じこう」となっていることから、今後こんご、実効じっこう性せいのある仕組しくみを設もうけられるかが課題かだいとなります。

自民じみん 茂木もぎ幹事かんじ長ちょう「国民こくみんに丁寧ていねいに説明せつめいしていきたい」

自民党じみんとうの茂木もぎ幹事かんじ長ちょうは「改正かいせい法ほうは各党かくとうの提案ていあんの中なかでも取り入とりいれられるものはできる限かぎり取り入とりいれ、再発さいはつ防止ぼうしの徹底てっていや政治せいじ資金しきんの高たかい透明とうめい性せいを確保かくほするものとなっている。政治せいじの信頼しんらい回復かいふくに向むけ、法ほう改正かいせいの考え方かんがえかたや内容ないようについて国民こくみんに丁寧ていねいに説明せつめいしていきたい」というコメントを出だしました。

自民じみん 松山まつやま参議院さんぎいん幹事かんじ長ちょう「信頼しんらい回復かいふくに向むけて政治せいじ刷新さっしんを進すすめたい」

自民党じみんとうの松山まつやま参議院さんぎいん幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ団だんに対にたいし「自民党じみんとうの一連いちれんの問題もんだいを真摯しんし（しんし）に反省はんせいし、このようなことを二度にどと生しょうじさせないため成立せいりつに全力ぜんりょくを尽つくしてきた。信頼しんらい回復かいふくに向むけて一いち歩ほ一いち歩ほ、着実ちゃくじつに政治せいじの刷新さっしんを進すすめたい。法律ほうりつの詳細しょうさいについて各党かくとうで議論ぎろんを重かさねていく部分ぶぶんが多々たたあるが、閉会へいかい中ちゅうも含ふくめ議論ぎろんを進すすめればいいのではないか」と述のべました。

公明こうめい 山口やまぐち代表だいひょう「大おおきな枠組わくぐみができたのは今こん国会こっかいで最大さいだいの成果せいか」

公明党こうめいとうの山口やまぐち代表だいひょうは、党とうの参議院さんぎいん議員ぎいん総会そうかいで「改正かいせい案あん成立せいりつ後ご、施行しこうまでに詰つめていかなければならない課題かだいはあるが、大おおきな枠組わくぐみができたのは今いまの国会こっかいで最大さいだいの成果せいかだと言いっても過言かごんではない。野党やとうの主張しゅちょうも取り込とりこんだうえで幅広はばひろい合意ごういを作つくってきた努力どりょくを評価ひょうかし、自民じみん・公明こうめい両りょう党とうのしっかりとした結束けっそくで実行じっこうしていきたい。国民こくみんの信頼しんらい回復かいふくに結むすびつける真摯しんし（しんし）な努力どりょくがこれからは重要じゅうようだ」と述のべました。

改正かいせい政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうとは

改正かいせい政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうの内容ないようです。

いわゆる「連座れんざ制せい」として、議員ぎいんに収支しゅうし報告ほうこく書しょの「確認かくにん書しょ」の作成さくせいを義務ぎむづけ、会計かいけい責任せきにん者しゃが不ふ記載きさいや虚偽きょぎ記載きさいで処罰しょばつされた場合ばあい、議員ぎいんが「確認かくにん書しょ」を作成さくせいしていなかったり、内容ないようを確たしかめずに作成さくせいしたりしていれば、50万まん円えん以下いかの罰金ばっきんを科かし、公民こうみん権けんを停止ていしするとしています。

また、収支しゅうし報告ほうこく書しょに不ふ記載きさいなどがあった場合ばあい、相当そうとうする額がくを国くにに寄付きふできるようにするとしています。

一方いっぽう、政治せいじ資金しきんの透明とうめい性せいを向上こうじょうさせる方策ほうさくとして、外部がいぶ監査かんさを強化きょうかし、議員ぎいんの政治せいじ団体だんたいの支出ししゅつだけでなく、収入しゅうにゅうも監査かんさの対象たいしょうに含ふくめることや、議員ぎいんに収支しゅうし報告ほうこく書しょのオンライン提出ていしゅつを義務ぎむづけることを盛り込もりこんでいます。

そして、パーティー券けんの購入こうにゅう者しゃを公開こうかいする基準きじゅん額がくについては、法律ほうりつの施行しこうから1年ねん後ごに現在げんざいの「20万まん円えんを超こえる」から「5万まん円えんを超こえる」に引き下ひきさげるとしています。

当初とうしょ、自民党じみんとうの案あんでは「10万まん円えんを超こえる」でしたが、公明党こうめいとうの主張しゅちょうを受け入うけいれて基準きじゅん額がくをさらに引き下ひきさげました。

さらに、パーティー券けんの現金げんきんでの販売はんばいを禁止きんしし、代金だいきんは口座こうざ振り込ふりこみにするとしています。

党とうから議員ぎいんに支給しきゅうされる「政策せいさく活動かつどう費ひ」については、支給しきゅうを受うけた議員ぎいんが項目こうもくごとの使つかいみちの金額きんがくや支出ししゅつした年月としつきを党とうに報告ほうこくし、党とうが収支しゅうし報告ほうこく書しょに記載きさいするとしています。

また、1年ねんごとの支出ししゅつの上限じょうげん金額きんがくを定さだめたうえで、領収りょうしゅう書しょなどを10年ねん後ごに公開こうかいすることも盛り込もりこみました。

そして透明とうめい性せいを確保かくほするため、独立どくりつ性せいのある第三者だいさんしゃ機関きかんを設置せっちするとしています。

支出ししゅつの上限じょうげん金額きんがくを設もうけることや10年ねん後ごの領収りょうしゅう書しょの公開こうかいなどは日本にっぽん維新いしんの会かいの主張しゅちょうを受け入うけいれました。

一方いっぽうで、領収りょうしゅう書しょの公開こうかいの具体ぐたい的てきな方法ほうほうや第三者だいさんしゃ機関きかんのあり方ありかたといった詳細しょうさいな制度せいど設計せっけいは、検討けんとう事項じこうとなっていて、今後こんご、各党かくとうでの協議きょうぎに委ゆだねられます。

国会こっかい議員ぎいんの政治せいじ団体だんたいの会計かいけい処理しょりをめぐっては、議員ぎいん側がわから年間ねんかんで1000万まん円えん以上いじょうの資金しきんを後援こうえん会かいなど別べつの政治せいじ団体だんたいに移うつした場合ばあい、支出ししゅつの公開こうかい基準きじゅんを国会こっかい議員ぎいんの団体だんたいと同様どうように厳格げんかくにするとしています。

このほか、議員ぎいんに規正きせい法ほう違反いはんなどがあった場合ばあいに政党せいとう交付こうふ金きんの一部いちぶの交付こうふを停止ていしする制度せいどを創設そうせつするとしています。

また、外国がいこく人じんなどによるパーティー券けん購入こうにゅうに関にかんする規制きせいや、個人こじん献金けんきんを促進そくしんするための税制ぜいせい優遇ゆうぐう措置そち、それに、議員ぎいん自身じしんが代表だいひょうを務つとめる政党せいとう支部しぶに寄付きふした場合ばあいは税制ぜいせい優遇ゆうぐう措置そちの対象たいしょうから外はずれることについて検討けんとうし、必要ひつような措置そちを講こうじることも盛り込もりこみました。

法律ほうりつは一部いちぶの規定きていを除のぞいて再さい来年らいねん（2026年ねん）1月つき1日にちから施行しこうし、施行しこうから3年ねんをめどに見直みなおすとしています。