基礎きそ的てき財政ざいせい収支しゅうし 来年度らいねんど 国くにと地方ちほうで計けい8000億おく円えん程度ていど 黒字くろじの試算しさん

「基礎きそ的てき財政ざいせい収支しゅうし」は、政策せいさくに充あてる経費けいひを税収ぜいしゅうなどでどれだけ賄まかなえるかを示しめす指標しひょうで、政府せいふは、国くにと地方ちほうあわせて来き年度ねんどに黒字くろじ化かすることを目指めざしています。

29日にち開ひらかれた経済けいざい財政ざいせい諮問しもん会議かいぎで、内閣ないかく府ふは足元あしもとの状況じょうきょうを踏ふまえると来年度らいねんどは8000億おく円えん程度ていどの黒字くろじになるという新あらたな試算しさんを示しめしました。

来らい年度ねんどを目標もくひょうとした2018年ねん以降いこうで、黒字くろじの見通みとおしが出だされるのは初はじめてです。

ことし1月つき時点じてんの試算しさんでは赤字あかじでしたが、物価ぶっかの上昇じょうしょうなどに伴ともない、試算しさんの前提ぜんていとなる昨年度さくねんどの税収ぜいしゅうが上うえ振ふれたことや、これまでの歳出さいしゅつ改革かいかくを今後こんごも続つづけた場合ばあいの効果こうかを一定いってい程度ていど織り込おりこんだことで収支しゅうしが改善かいぜんすると見込みこみました。

ただ、来年度らいねんど予算よさんで想定そうてい以上いじょうに歳出さいしゅつが膨ふくらんだり、今後こんご、規模きぼの大おおきい補正ほせい予算よさんを組くんだりすれば赤字あかじとなる可能かのう性せいもあります。

あわせて内閣ないかく府ふは、2033年度ねんどまでの見通みとおしを示しめし、過去かこの実績じっせきに基もとづき実質じっしつ0％台だいの成長せいちょうが続つづく場合ばあいでも黒字くろじは維持いじできるとしましたが、黒字くろじ幅はばは徐々じょじょに縮小しゅくしょうするとして、引き続ひきつづき、成長せいちょう率りつの引き上ひきあげや歳出さいしゅつ削減さくげんに向むけた努力どりょくが求もとめられるとしています。

「黒字くろじ化か」目標もくひょうの先送さきおくり これまでの経緯けいい

「基礎きそ的てき財政ざいせい収支しゅうし」は、「プライマリーバランス」とも呼よばれ、政策せいさくに充あてる経費けいひを税収ぜいしゅうなどでどれだけまかなえるかを示しめす、財政ざいせい健全けんぜん化かの指標しひょうの1つです。

▽2001年ねん、政府せいふの経済けいざい財政ざいせい運営うんえいの基本きほん方針ほうしんいわゆる「骨太ほねぶとの方針ほうしん」で、基礎きそ的てき財政ざいせい収支しゅうしの黒字くろじ化かが初はじめて財政ざいせい健全けんぜん化かの目標もくひょうとして掲かかげられました。

▽翌年よくねんの2002年ねんには、2010年代ねんだい初頭しょとうに国くにと地方ちほうをあわせた基礎きそ的てき財政ざいせい収支しゅうしの黒字くろじ化かを目指めざす方針ほうしんが打ち出うちだされました。

▽2006年ねんには、目標もくひょう年度ねんどを2011年度ねんどに定さだめ、

▽翌年よくねん、2007年ねんの試算しさんでは、大だい規模きぼな歳出さいしゅつ改革かいかくの効果こうかを織り込おりこむことで、2011年度ねんどに黒字くろじ化かするという見通みとおしが示しめされました。

しかし、リーマンショックによる税収ぜいしゅうの減少げんしょうや、大だい規模きぼな経済けいざい対策たいさくが影響えいきょうして、黒字くろじ化かの目標もくひょうは、

▽2009年ねんには、「今後こんご10年ねん以内いないに」と

▽2010年ねんには、「2020年度ねんどまでに」

などと先送さきおくりされました。

さらに、消費しょうひ税率ぜいりつの10％への引き上ひきあげを翌年よくねんに控ひかえていた

▽2018年ねんには、税収ぜいしゅうの増加ぞうか分ぶんの一部いちぶを子育こそだて支援しえんなどにまわすことが打ち出うちだされ、黒字くろじ化かの目標もくひょうは2025年度ねんどへと再度さいど、先送さきおくりされました。

内閣ないかく府ふによりますと、国くにと地方ちほうの基礎きそ的てき財政ざいせい収支しゅうしは、バブル景気けいき直後ちょくごの1991年度ねんどに黒字くろじとなったのが最後さいごで、その後そのごは赤字あかじが続つづいています。

内閣ないかく府ふのことし1月つき時点じてんの試算しさんでは、成長せいちょう率りつが実質じっしつで2％程度ていどの場合ばあい、来年度らいねんどは1兆ちょう1000億おく円えん程度ていどの赤字あかじが見込みこまれていましたが、「歳出さいしゅつ改革かいかくの努力どりょくを継続けいぞくした場合ばあい、黒字くろじ化かが視野しやに入はいる」という見通みとおしも示しめされていました。