バレーボール男子の予選リーグは2日、パリ市のパリ南アリーナで行われ、日本は予選リーグの通算成績を1勝1敗として最終戦の第3戦に臨み、ここまで負けがないアメリカと対戦しました。
予選リーグは12チームが4チームずつ、3つのグループに分かれて総当たりで対戦し、各グループの上位2チームと、3位になったチームのうち成績上位の2チームを合わせた、8チームが決勝トーナメントに進みます。
日本は第1セット、高さで上回る相手のブロックや強烈なスパイクに苦しみ、16対25で落としました。
第2セットはオリンピック初出場の高橋健太郎選手が攻守で活躍を見せますが、アメリカの勢いを止められず、18対25で落とします。
第3セットは、キャプテンの石川祐希選手に代わって途中出場した大塚達宣選手と、高橋藍選手が力強いスパイクを決めるなど、攻撃の中心となって流れを引き寄せ、25対18でこのセットを奪いました。
最終の第4セットは、序盤から競り合う展開となりますが、徐々にアメリカに突き放され、19対25で落とし、日本はセットカウント1対3で敗れました。
この結果、日本は予選リーグの通算成績を1勝2敗としましたが、グループ3位となり、成績上位の2チームに入って、2大会連続の準々決勝進出を決めました。
エース 石川祐希 もがき苦しむ
かろうじて準々決勝に進んだ日本。
キャプテンでエースの石川祐希選手がもがき苦しんでいます。
石川選手の異変は予選リーグの初戦、ドイツ戦から見られました。
得点こそチームトップの22得点をマークしたもののスパイクは要所でブロックされ、持ち味の1つであるサーブでもミスが目立ちました。
試合中に足をつったと言い、その理由について「選手村は食事などのための移動も多く、足に負担がかかっていたと考えられる。コンディションがうまく整えられていない」と話しました。
第2戦からは目に見えて打数が少なくなりました。
フルセットまでもつれ込んだ第1戦と4セット目で終わった第2戦でセット数に差はあるものの、スパイクのチャンスに石川選手にトスが上がった回数は第1戦が44本に対し、第2戦が29本。
石川選手に明らかな不調が見られるなか、本来であれば託されてもいい場面でほかの選手にトスが集まるようになったのです。
石川「託してもらえるよう状態をあげていかないと」
2日のアメリカ戦も序盤から立て続けにスパイクがブロックに阻まれ決定率が上がらず、サーブレシーブなどにもミスが出て2セットを先取されたあとの第3セットはついにスタートのメンバーから外れました。
くしくも石川選手に替わって出場した大塚達宣選手の活躍でチームはなんとかこのセットを取り、準々決勝進出を決めましたが、試合後の石川選手に笑顔はありませんでした。
石川選手は「コンディションはまったく問題がないが、まだ感覚の部分で合っていない。ドイツ戦でのパフォーマンスがよくなかったなかで信頼を失ったというわけではないと思うが、セッターも『大丈夫かな』みたいな感じで考えていると思う。いつもだったらトスをあげてもらえている場面であげてもらえないので、託してもらえるように状態をあげていかないといけない」と唇をかみました。
予選リーグを突破した日本ですが、ここからは負けられない一発勝負。
石川選手は「準々決勝に進んだのは最低限でまったくうれしさはない。自分がパフォーマンスをしっかり出せればトスもまた上がってくると思うので改善してきたい」と話しました。
フィリップ監督「彼も人間 不調の原因つかまないと」
フィリップ・ブラン監督も「石川選手、彼も人間だ。いいときもあれば悪いときも必ずある。彼としっかり話して不調の原因はつかまないといけない」と心配な様子で話していました。
52年ぶりの金メダル獲得を目標に掲げる日本にとって、エースの復調が絶対に欠かせません。