ジュネーブで
開かれていたNPT=
核拡散防止条約の
再検討会議に
向けた
準備委員会が
閉幕し、
前回はまとめられなかった
議長総括を
発表しました。
ただ、
議論の
過程では
各国の
立場の
違いが
依然、
大きいことが
明らかになり、
核軍縮への
道のりが
厳しい現状が
浮き彫りになっています。
世界の核軍縮の方向性を議論するNPTの再検討会議は、2年後の2026年に開かれる予定ですが、それに向けた準備委員会の2回目の会合が、スイスのジュネーブで2週間にわたって開かれました。
最終日の2日、カザフスタンのラフメトゥリン議長は、みずからの権限で2週間の議論の内容をまとめた議長総括を発表し、閉幕しました。
この議長総括には、各国が核保有国に対して核戦力の透明性を高めるべきだと求めたことや、北朝鮮の核・ミサイル開発に懸念を示したことなどが盛り込まれました。
去年の第1回の準備委員会では、各国の対立から議長総括を発表することができず、今回は各国が歩み寄った形です。
日本の市川軍縮大使は記者団に対し、「NPTを支えていくことは重要だと国際社会が認識したからこそ議長総括の発表につながった」と評価しました。
ただ、国際情勢の緊張が続く中、今回の議長総括には「各国が合意した内容ではない」と強調する注釈が付けられ、議論の過程では欧米と、ロシアや中国などとの間の対立が改めて明らかになる場面もあり、核軍縮への道のりが厳しい現状が浮き彫りになっています。