スペインの300年の歴史を持つ教会で、天使像の修復が大失敗に終わり、文化遺産保護団体が「修復とは言えない」と激怒し、悲惨な天使像の写真をXに投稿。解決策が見つかるまで教会が閉鎖された。スペイン紙エル・パイスが先日、報じた。
マドリードの北東、ソリアにあるエルミタ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デル・ミロンにあるバロック様式の教会は1725年に建設された。内部にはいくつもの天使像が飾られている。そんな歴史的建造物が議会や専門家の承認なしに大規模修繕が行われた。「ライセンスを持っていない」業者によって、天使像の修復は大失敗に終わった。
もともと繊細に作られた天使像は、全身が粗雑に白く塗り直され、真っ赤な唇と太い眉毛、シンプルな顔立ちとなった。近くに飾られている、修復されていない像と比較すると、修復の悲惨さが際立つ。
文化遺産保護団体「ソリア・パトリモニオ」は修復に激怒し、Xに「何をしたんだ?」「修復とは言えない」と画像を投稿した。
また、スペインの保存修復協会会長フランシスコ・マヌエル・エスペホ氏は「あの目と描かれた唇は本当にひどい。修復の失敗だけではなく、私たちの遺産に対する攻撃なのです」と語る。
修復工事の推進者であるオスマ・ソリア司教区は失敗を認め、問題が解決するまで教会を閉鎖すると発表した。
スペインといえば、北東部の都市ボルハでは2012年、「この人を見よ」と題されたキリストのフレスコ画の修復が行われたが、「サルのキリスト」と呼ばれるほど大失敗したことがあった。