フォーブスが11月6日に発表した「中国の富豪100人」のランキングの2024年版には、新たに8人が加わったが、その中の一人が、「ブラインドボックス」と呼ばれる中身が見えないカプセルに入ったフィギュアを販売する事業で成功を収めた玩具メーカー「POP MART(ポップマート)」の創業者の王寧(ワン・ニン)だ。
現在37歳のワンは、保有資産55億ドル(約8500億円)で本年度の中国の富豪ランキングの68位に初登場した。
POP MARTの2024年上半期の売上高は前年同期と比べて約60%増となる46億元(約990億円)に達した。海外での事業に注力する同社は、中国本土以外での売上高を前年の3倍以上に急拡大させて、全体の約3分の1を占めるまでに成長させた。
POP MARTの売上高は、東南アジアで最も急成長しており、Lazada(ラザダ)やShopee(ショッピー)などのシンガポール発のEコマースサイトに後押しされている。同社の株価はここ1年で約3倍に上昇し、創業者でCEOの王を富豪ランキングに送り込んだ。
広告学の学位を持つワンは、世界中のアーティストに玩具のデザインを依頼しており、ボタン型の目が特徴的な「MOLLY」シリーズはベストセラーとなっている。
2010年に創業した同社は、現在までに500店舗を展開中で、そのうちの約400店舗を中国本土に置いており、年内に米国の店舗数を現状の10店舗から20店舗に倍増させる計画という。POP MARTは6月に初のモバイルゲームの「Dream Home」をリリースし、MOLLYやSKULLPANDA、DIMOO、PUCKYといった自社の人気キャラクターを登場させている。