1.プリゴジン氏に何が起きたのか
2.ワグネルの今後とウクライナ情勢への影響です。
「キャッチ!世界のトップニュース」の望月麻美キャスターが詳しく解説します。
※8月25日の「キャッチ!世界のトップニュース」で放送した内容です
※動画は3分52秒、データ放送ではご覧になれません
プリゴジン氏に何が起きたのか
アメリカ国防総省のライダー報道官は、プリゴジン氏が搭乗していた自家用ジェット機が対空ミサイルで撃墜されたという情報は不正確だとしました。
これについてアメリカのウォール・ストリート・ジャーナルとワシントン・ポストは、24日、アメリカ当局の初期の分析として「ジェット機は爆破された」と相次いで報じました。
ジェット機が対空ミサイルで撃墜されたとすると、アメリカの人工衛星が発射の熱を感知するはずですが、その形跡は見られなかったとしています。
そして機内に仕掛けられた爆発物が作動するなど、何らかの形で機体が爆破されたと考えられると伝えています。
イギリスBBCによりますと飛行ルートの記録から、墜落したジェット機は7月18日以降モスクワにあり、プリゴジン氏らを乗せて飛行するまで飛行した形跡はないということです。
この間にジェット機に何が起きたのかは不明です。
ワグネルの今後とウクライナ情勢への影響
そして、代表を失った民間軍事会社ワグネルは今後どうなるのか。
イギリスBBCは次のように伝えています。
RUSI=イギリス王立防衛安全保障研究所の専門家の話として、名前が変わるなど「何かしらの刷新がある」とした上で、ワグネルにはすでに確立された体制があるためこれまで同様機能するだろうとしています。
一方、ワシントンのシンクタンク「アトランティック・カウンシル」の専門家は、プーチン大統領がプリゴジン氏に変わる代表を探すのは容易ではないとも指摘しています。
プリゴジン氏はワグネルを立ち上げプーチン政権が公式に手を下せない残虐行為など汚れ役を担ってきたとともに、資産家でした。
BBCはワグネルに詳しいジャーナリストの話として、プリゴジン氏から別の人物への移行を秘密裏に進めるために、プリゴジン氏の死に反乱から2か月を要したのではないかと報じています。
そしてプリゴジン氏の死がウクライナ情勢に与える影響です。
プリゴジン氏の反乱のあと、ワグネルの戦闘員は隣国ベラルーシに移動したか、ロシア国防省の傘下に入ったとみられています。
そのためプリゴジン氏の死が直接、戦況に与える影響は大きくないとみられています。
しかし、プリゴジン氏は国民から一定の支持を集めていました。
ワグネルが拠点としていたサンクトペテルブルクのオフィスビル前には、24日、市民らが次々と花を手向けてプリゴジン氏を追悼していました。
プリゴジン氏の死がプーチン政権による暗殺だったのか明らかになることはないかもしれません。
ただ、戦闘が長期化する中、プリゴジン氏を追悼する動きはウクライナ情勢に影響を与える可能性もあり、注視する必要がありそうです。