同じ納入業者をめぐっては静岡県内でも、高校や特別支援学校の給食が提供できていないことが明らかになりました。
広島県教育委員会によりますと、いずれも県立で、庄原市の庄原格致高校、西城紫水高校、庄原実業高校、三次市の三次高校、東広島市の西条農業高校、神石高原町の油木高校、それに広島市の市立沼田高校の寮で、食事を提供していた広島市中区に本社がある「ホーユー」と連絡が取れなくなり、今月1日の昼ご飯から寮の食事が出せなくなりました。
このうち三次高校では緊急対応として、平日は3食とも教職員が弁当などを購入し、60人の寮生に提供しています。
寮ではこれまで「ホーユー」から雇われている調理員が生徒の食事を作っていましたが、本社と連絡がつかなくなり、提供することができないということです。
2年生の寮生は「今までは調理員の人たちが作った温かいご飯が提供されていた。調理員が来ていないことに驚いた」と話していました。
県立三次高校の高木優子事務部長は「学校が一番に考えなければならないことは、生徒に栄養面を考えた安全な食事を提供することだと思う。ホーユー側には説明をしっかりしてもらいたい」と話していました。
静岡県でも給食が提供されず
同じ納入業者をめぐっては静岡県でも、この業者と契約していた定時制の高校や特別支援学校のあわせて5校で、給食が提供できなくなっています。
5校は富士宮東高校と沼津工業高校のいずれも定時制と、伊豆の国特別支援学校、富士特別支援学校、吉田特別支援学校です。
県教育委員会によりますと、5校は「ホーユー」に給食の提供を委託していましたが、先月下旬以降、会社側と連絡が取れなくなり、5日までに5つの学校に通う、あわせて1087人への給食が提供できなくなっていて、代わりに弁当の持参を求めるなどの対応をしているということです。
「ホーユー」とは
会社のホームページによりますと、「ホーユー」は広島市中区に本社があり、2020年4月現在、従業員数はパート従業員を含め586人です。
その上で、中国地方や四国を中心に学校や学生寮、官公庁、企業などの食堂や給食の業務を担当しているとしています。
ホーユーグループの営業所は、中国地方と四国に加え、九州や近畿、東海、関東、それに東北のあわせて22か所にあると掲載されています。
広島県教育委員会「突然のことで困惑」
県立高校寮の給食調理業務の委託契約を所管する広島県教育委員会 学校経営戦略推進課の沖本勝豊課長は、「突然のことで大変困惑している。生徒や保護者の皆様には大変心配をおかけしているが、できるかぎり早期に寄宿舎における調理業務が再開できるよう、新たな業者の選定などを含めて早急に対応していきたい」と話していました。
広島市 松井市長「原因をしっかり解明」
広島市の松井市長は5日の記者会見で、「今後の問題発生を予防すべく、今回の原因をしっかり解明する必要がある。的確な業者を選び直すことになると思うので、今回のような事態が起こらない措置を講じた上で、新しい契約関係を作るのが今の時点で思いつく対処方法だと思う」と述べました。
静岡 川勝知事「子どもたちが困らないように」
静岡県の川勝知事は「青天のへきれきでびっくりした。子どもたちが困らないように教育委員会にはできることに努めてもらいたい」と述べました。