ニュージーランドが1次リーグで敗れるのは、大会史上、初めてです。
「オールブラックス」の愛称で親しまれるニュージーランドは1987年の第1回大会で初優勝して以来、2019年に行われた前回大会まで9大会連続で1次リーグでは1度も負けたことがありませんでした。
しかし、前回大会で3連覇を逃して3位に終わったあとは、ラグビー王国としては、低迷とも言える時期に入りました。
▽2020年にはアルゼンチンに初めて敗れたほか、▽去年の夏にはホームで行われたアイルランドとの3連戦に1勝2敗と負け越し、その次の南アフリカ戦でも敗れ、テストマッチで3連敗するなどして世界ランキングは過去最低の5位まで落ちました。
ニュージーランド国内からイアン・フォスターヘッドコーチの解任論も出されるなどしましたが、その後は持ち直し、ことし夏に行われた南アフリカ、オーストラリア、それにアルゼンチンが参加する南半球の4か国対抗では、全勝で優勝し、復調の兆しを見せていました。
しかし、8月、イギリスで行われた南アフリカとのテストマッチでは7対35と大差で敗れていました。
そして今大会の開幕戦となったフランスとの試合では、キャプテンのサム・ケイン選手がけがのため試合のメンバーから急きょ外れるなど、ベストメンバーとは言い切れない中で臨みました。
試合ではキックを中心に攻め、前半と後半の開始早々にトライを奪って主導権を握れそうな展開もありましたが、攻め込んでも、フランスの堅いディフェンスを崩しきれず、ミスやボールを奪われる場面も目立ち、最後は突き放された形になりました。
ゲームキャプテンを務めたナンバーエイトのアーディー・サベア選手は「大変な試合でした。キャプテンがいないことはチームにとってとてもつらかった」と振り返った上で、「まだ試合はあるので次は勝てるような試合をしたい」と話しました。
「今後のための良い教訓になった」と話すイアン・フォスターヘッドコーチ。
今大会を最後にヘッドコーチを退任することになっていますが、決勝トーナメント進出、そして、単独最多となる4回目の優勝という王座奪還に向けてどうチームを立て直すのか、手腕が注目されます。