日本新聞: 総裁選あさって告示石破氏は河野氏支援を表明 15日の動き

自民党じみんとうの総裁そうさい選挙せんきょで、17日にちの告示こくじを前まえに、石破いしば元もと幹事かんじ長ちょうは、みずからは立候補りっこうほを見送みおくり河野こうの規制きせい改革かいかく担当たんとう大臣だいじんの支援しえんに回まわる考かんがえを明あきらかにしました。一方いっぽう、野田のだ幹事かんじ長ちょう代行だいこうは、立候補りっこうほに必要ひつような推薦すいせん人じん20人にんの確保かくほに向むけてギリギリの調整ちょうせいを進すすめました。

石破いしば氏し立候補りっこうほ見送みおくり河野こうの氏し支援しえんを表明ひょうめい

総裁そうさい選挙せんきょへの立候補りっこうほを検討けんとうしていた石破いしば元もと幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ会見かいけんし、みずからの立候補りっこうほを見送みおくり、河野こうの規制きせい改革かいかく担当たんとう大臣だいじんを支援しえんする考かんがえを明あきらかにしました。

石破いしば氏しは記者きしゃ会見かいけんで「このたびの総裁そうさい選挙せんきょにあたり、河野こうの氏しを支持しじすることとする」と述のべ、みずからの立候補りっこうほを見送みおくり、河野こうの氏しを支援しえんする考かんがえを明あきらかにしました。

そのうえで「自民党じみんとうや政治せいじを変かえてほしいという国民こくみんの声こえにこたえるには、改革かいかくを志こころざす勢力せいりょくが二分にぶんせず、一致いっちすべきだという思おもいで決断けつだんに至いたった。挙党きょとう態勢たいせいにしなければならず、これからも新あたらしい自民党じみんとうをともに作つくっていくべく力ちからを尽つくしていきたい」と述のべました。

一方いっぽう、石破いしば派はとしての総裁そうさい選挙せんきょへの対応たいおうについては「政策せいさく集団しゅうだんとして、それぞれの行動こうどうを拘束こうそくすることはしない」と述のべました。

これに先立さきだつ派閥はばつの総会そうかいで、石破いしば氏しは、こうした意向いこうを説明せつめいし、出席しゅっせきした議員ぎいんからは、賛同さんどうする意見いけんが相次あいついだということです。

河野こうの氏し「どなたの支持しじもありがたい」

石破いしば元もと幹事かんじ長ちょうが立候補りっこうほを見送みおくり、みずからの支援しえんに回まわる考かんがえを明あきらかにしたことについて河野こうの規制きせい改革かいかく担当たんとう大臣だいじんは「いろんな思おもいがあっての決断けつだんだと思おもっている。選挙せんきょなので、どなたの支持しじもありがたく、1人にんでも多おおくの人ひとの支援しえんを頂いただけるよう、努力どりょくを続つづけていきたい」と述のべました。

また、記者きしゃ団だんが総理そうり大臣だいじんに就任しゅうにんした場合ばあいの石破いしば氏しの処遇しょぐうについて質問しつもんしたのに対にたいし「いまから人事じんじの話はなしをするほど、自信じしん過剰かじょうではない」と述のべました。

一方いっぽう、河野こうの氏しは午前ごぜん中ちゅう、国会こっかい内ないで全国ぜんこくにカレー店てんを展開てんかいする会社かいしゃの社長しゃちょうなど、外食がいしょく産業さんぎょうの経営けいえい者しゃと面会めんかいしました。

河野こうの氏しは「ワクチン接種せっしゅが広ひろがり、これまでとは少すこし違ちがう世界せかいが見みえてくるのではないか。経済けいざいをどう前まえに進すすめていくか、意見いけんを受け止うけとめて政策せいさくに役立やくだてていきたい」と述のべました。

経営けいえい者しゃたちからは、営業えいぎょう時間じかんの短縮たんしゅくや酒類しゅるい提供ていきょうの制限せいげんの緩和かんわや、協力きょうりょく金きんの迅速じんそくな支給しきゅうなどを要望ようぼうする意見いけんが出だされ、河野こうの氏しは、行政ぎょうせい手続てつづきのデジタル化かで支給しきゅうの迅速じんそく化かなどを実現じつげんしたいという考かんがえを示しめしました。

午後ごごには自民党じみんとう北海道ほっかいどう連れん所属しょぞくの道みち議会ぎかい議員ぎいんらとオンラインで面会めんかいし、この中なかで、河野こうの氏しは「このたびの総裁そうさい選挙せんきょに立候補りっこうほする。日本にっぽんを前まえに進すすめられるリーダーとして、先頭せんとうに立たって、この国くにのかじ取かじとりをしていきたいというのが私わたしの偽いつわらざる気持きもちだ。国民こくみんの皆みなさんの不安ふあんと思おもいを受け止うけとめ、共感きょうかんしてもらえる政治せいじを通をつうじて、人ひとと人ひととが寄り添よりそう、ぬくもりのある社会しゃかいをつくっていきたい」と述のべ、支持しじを呼よびかけました。

また、出席しゅっせきした道みち議会ぎかい議員ぎいんが、北方ほっぽう領土りょうど問題もんだいの解決かいけつに向むけた取り組とりくみを求もとめたのに対にたいし、河野こうの氏しは「もし総裁そうさい選挙せんきょを勝かち、総理そうり・総裁そうさいになれば、プーチン大統領だいとうりょうに『今度こんどは、トップで交渉こうしょうをしっかりやっていきましょう』と申し上もうしあげていきたい」と応おうじました。

岸田きしだ氏し“地方ちほうや農業のうぎょう守まもる政策せいさく進すすめる”

岸田きしだ前ぜん政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうは、午後ごご、宮城みやぎ県けんのJAの関係かんけい者しゃ20人にん余あまりとオンラインで意見いけん交換こうかんしました。この中なかで、コメの生産せいさん者しゃからは、新型しんがたコロナによる需要じゅようの減少げんしょうなどでコメの在庫ざいこが積つみ上あがっているとして、事業じぎょう継続けいぞくに向むけた支援しえんを求もとめる意見いけんが相次あいつぎました。これに対にたいし、岸田きしだ氏しは「私わたしは、新しん自由じゆう主義しゅぎ的てきな政策せいさくからの転換てんかんを掲かかげており、地方ちほうや農業のうぎょうを守まもることに軸じく足あしを置おいた政策せいさくを進すすめていきたい。皆みなさんの所得しょとくを引き上ひきあげることで国民こくみんの一体いったい感かんを取り戻とりもどしたい」と述のべました。

そのうえで、総理そうり大臣だいじんに就任しゅうにんした際さいには新あらたな経済けいざい対策たいさくをまとめ、農業のうぎょうや漁業ぎょぎょうなど1次じ産業さんぎょうの販路はんろ開拓かいたくに向むけた補助ほじょ金きんを再ふたたび給付きゅうふすることなどを盛り込もりこみたいという考かんがえを示しめしました。

また岸田きしだ氏しの陣営じんえいでは15日にち、新型しんがたコロナ対策たいさくや経済けいざい政策せいさく、それに党とう改革かいかくの方針ほうしんなど、岸田きしだ氏しの政策せいさくを盛り込もりこんだリーフレットができあがったのを受うけて、派閥はばつの若手わかて議員ぎいんらが党とう所属しょぞく議員ぎいんの事務所じむしょを訪たずね、手渡てわたして回まわっていました。

高市たかいち氏し“防衛ぼうえい大綱たいこうの見直みなおし含ふくめ防衛ぼうえい力りょく強化きょうか”

自民党じみんとうの高市たかいち前ぜん総務そうむ大臣だいじんは、15日にちも午前ごぜん中ちゅうから衆参しゅうさん両院りょういんの議員ぎいん会館かいかんで挨拶あいさつ回まわりを行おこなって支持しじを呼よびかけました。

午後ごごには国会こっかい内ないで記者きしゃ団だんに対にたいし、北朝鮮きたちょうせんから弾道だんどうミサイルの可能かのう性せいがあるものが発射はっしゃされたことについて「日本にっぽんだけではなく国際こくさい社会しゃかい全体ぜんたいの脅威きょういだ。国民こくみんと国土こくどを守り抜まもりぬくために、防衛ぼうえい大綱たいこうなどの見直みなおしも含ふくめてミサイルに対にたいしての対空たいくう防衛ぼうえい力りょくをつけていく」と述のべました。

また、野田のだ幹事かんじ長ちょう代行だいこうが、立候補りっこうほに必要ひつような推薦すいせん人じんの確保かくほに取り組とりくんでいることについては「総裁そうさい選挙せんきょは、人数にんずうが多おおいほど、幅広はばひろい議論ぎろんができるチャンスになる。国民こくみんや党員とういんに見みてもらい、互たがいにいいところを生いかしあう総裁そうさい選挙せんきょにしたい」と述のべました。

野田のだ氏し推薦すいせん人じん確保かくほへ調整ちょうせい進すすめる

自民党じみんとうの野田のだ幹事かんじ長ちょう代行だいこうは、党とう本部ほんぶのみずからの部屋へやで支援しえんする議員ぎいんらと電話でんわでやりとりをしながら、17日にちの告示こくじを前まえに、立候補りっこうほに必要ひつような推薦すいせん人じん20人にんの確保かくほに向むけてギリギリの調整ちょうせいを進すすめました。

野田のだ氏しに近ちかい議員ぎいんの中なかには、推薦すいせん人じんの確保かくほにめどは立たちつつあるという声こえがある一方いっぽう、「確保かくほできるかどうかギリギリの情勢じょうせいだ」といった指摘してきもあります。

野田のだ氏しは、二に階かい派はや竹下たけした派はに加くわえ、立候補りっこうほを見送みおくった石破いしば氏しに近ちかい議員ぎいんにも協力きょうりょくを要請ようせいするなど、取り組とりくみを続つづけることにしています。

石原いしはら派は自主じしゅ投票とうひょうの方針ほうしん確認かくにん

石原いしはら派はは15日にち夕方ゆうがた、会長かいちょうの石原いしはら・元もと幹事かんじ長ちょうや派閥はばつの幹部かんぶの森山もりやま国会こっかい対策たいさく委員いいん長ちょう、坂本さかもと一いち億おく総そう活躍かつやく担当たんとう大臣だいじんの3人にんが対応たいおうを協議きょうぎしました。

そして、総裁そうさい選挙せんきょへの対応たいおうは、それぞれの議員ぎいんが責任せきにんを持もって判断はんだんすべきだとして自主じしゅ投票とうひょうとする方針ほうしんを確認かくにんし、16日にちの会合かいごうで所属しょぞく議員ぎいんに諮はかることになりました。

谷垣たにがきグループ岸田きしだ氏し支持しじを決定けってい

自民党じみんとうの谷垣たにがきグループは、15日にち午前ごぜん、国会こっかい内ないで会合かいごうを開ひらきました。

この中なかで代表だいひょう世話人せわにんの中谷なかたに元もと防衛ぼうえい大臣だいじんは、グループとして岸田きしだ前ぜん政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうを支持しじしたいとしたうえで「真っ先まっさきに名乗なのりをあげ、国民こくみんの信頼しんらいを取り戻とりもどすために党とう改革かいかくをやると、堂々どうどうと立ち向たちむかった気概きがいと信念しんねん、勇気ゆうきに共鳴きょうめいする。谷垣たにがきグループは岸田きしだ派はと同根どうこんであり、互たがいに連携れんけいを深ふかめて国政こくせいにまい進まいしんしたい」と述のべました。

また、同おなじく代表だいひょう世話人せわにんを務つとめる遠藤えんどう元もとオリンピック・パラリンピック担当たんとう大臣だいじんは、特別とくべつ顧問こもんを務つとめる谷垣たにがき元もと総裁そうさいも岸田きしだ氏しを支持しじする考かんがえを示しめしていることを明あきらかにしました。

そして会合かいごうでは、グループとして岸田きしだ氏しを支持しじすることを決きめました。ただ、15日にちの会合かいごうに出席しゅっせきしていない議員ぎいんの中なかには、ほかの候補こうほを支持しじしたいとする議員ぎいんもいることから、そうした意向いこうも容認ようにんする方針ほうしんを確認かくにんしました。

原発げんぱつ推進すいしん議連ぎれん新しん増設ぞうせつ進すすめるべきと提言ていげん

原子力げんしりょく発電はつでんの推進すいしんを目指めざす自民党じみんとうの議員ぎいん連盟れんめいの会合かいごうには、最大さいだい派閥はばつ細田さいだ派は会長かいちょうの細田ほそだ元もと幹事かんじ長ちょうら15人にんが出席しゅっせきし、総裁そうさい選挙せんきょの候補こうほ者しゃに対にたいする提言ていげんをまとめました。

提言ていげんでは、政府せいふの新あらたな「エネルギー基本きほん計画けいかく」に原子力げんしりょく発電はつでんへの依存いぞん度どを可能かのうな限かぎり低減ていげんさせるとした内容ないようを盛り込もりこまないよう求もとめるとともに、原子力げんしりょく発電はつでん所しょの新しん増設ぞうせつなどを進すすめるべきだとしています。議員ぎいん連盟れんめいは、この提言ていげんを候補こうほ者しゃに届とどけ、実現じつげんに取り組とりくむよう働はたらきかけることにしています。

議員ぎいん連盟れんめいの会長かいちょうを務つとめる稲田いなだ元もと防衛ぼうえい大臣だいじんは「エネルギー政策せいさくは国力こくりょくや国益こくえきそのもので、候補こうほ者しゃは具体ぐたい的てきな考え方かんがえかたを示しめすべきだ。河野こうの氏しの考え方かんがえかたは、将来しょうらい的てきに原発げんぱつをゼロにするとしていて懸念けねんがある」と述のべました。