すでに記録的な大雨となっている青森県や秋田県には11日夜から再び発達した雨雲が流れ込みました。
午前11時までの1時間には秋田県との県境にある山形県遊佐町に設置された県の雨量計で40ミリの激しい雨が観測されました。
8月8日の降り始めから午前11時までの雨量は、
青森県の
▽弘前市の岳で438ミリ、
▽深浦町で432.5ミリ、
▽鯵ヶ沢町で339.5ミリ、
▽青森市で294.5ミリ、
▽むつ市で289.5ミリ、
秋田県の
▽八峰町で311.5ミリなどと
各地で平年の8月1か月分の1.5倍から2倍を超えています。
これまでの雨で青森県と秋田県、岩手県では土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。
前線は次第に南下しているため、北海道では雨のピークはいったん過ぎましたが、東北では今後も断続的に雨が強まる見込みです。 特に東北北部では雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。
また、前線の活動は14日ごろには一時的に弱まるものの、今月15日ごろから新たな前線が西から北日本付近にのび、活動が活発になる見通しです。
すでに各地で大雨になっていて、わずかな雨でも災害が発生する可能性があります。少しでも安全な場所で過ごすようにしてください。
各地で長く降り続く雨によるいわゆる「長雨蓄積型」の災害に警戒が必要です。
8月8日の降り始めから12日午前8時までに ▽深浦町で422.5ミリ、 ▽鯵ヶ沢町で331ミリなどとなり、 いずれも平年の8月1か月分の雨量の2倍を超えています。 一方、こうした地域以外でも青森市の中心部や太平洋側、それに秋田県などでは雨が降り続いていて、記録的な大雨となっています。 72時間の最大の雨量が観測史上最も多くなっているのは午前8時現在、 ▽深浦町や鯵ヶ沢町に加え、 ▽青森県の ▼青森市、 ▼青森空港、 ▼八甲田山系の酸ヶ湯、 ▼むつ市、 ▼むつ市脇野沢、 ▼むつ市川内、 ▼平川市碇ヶ関、 ▼平川市の温川と、 ▼弘前市の岳、 ▼五所川原市、 ▼五所川原市相内、 ▼今別町、 ▼大鰐町、 ▼外ヶ浜町、 ▽秋田県の ▼八峰町と ▼大館市陣馬の 合わせて18の観測点にのぼり、各地で平年の8月1か月分から2か月分を超える雨量となっています。
このような災害は、急激に雨が強まってなくても長時間の雨によって引き起こされる「長雨蓄積型」の災害とも呼ばれます。 それほど強くない雨が長く降り続いた影響で大きな災害につながったのが去年7月の静岡県熱海市で発生した土石流です。 この災害では1時間に30ミリ以上の激しい雨は観測されておらず、数日にわたって雨が降り続き、結果的に総雨量が389ミリと平年7月・1か月分の1.5倍以上に達しました。 2018年の西日本豪雨で土砂災害が相次いで発生した広島県呉市でも10ミリ前後の雨が降り続き、時折50ミリ以上の非常に激しい雨が降りましたが、ほとんどはふだん経験するような雨でした。 住民も「危機感を持つことが難しかった」と話しています。 雨が弱まったとしても、長く降り続く雨による「長雨蓄積型」の災害に警戒するようにしてください。
また、気象庁のホームページの「キキクル(危険度分布)」では土砂災害や川の洪水、浸水の危険度などを確認できます。 最新の情報や身の回りの状況を確認して早めの避難を心がけてください。
前線南下 東北では断続的に雨強まる
青森 「長雨蓄積型」の災害に警戒が必要
青森 わずか3日半で1か月分雨量の1.5~2倍
危機感を持つことが難しい “長雨蓄積型”に警戒
災害起きやすい状況危険度の確認を