一方、ロシア軍は南部に部隊を移動させているとみられ、南部をめぐる攻防がさらに激しくなるとみられます。
ウクライナ軍は、ロシアが掌握したとする地域の奪還を目指し、南部ヘルソン州などを中心に反撃を続けていて、ロシアが一方的に併合した南部クリミアにあるロシア軍の基地で9日に起きた爆発では、ロシア軍の航空戦力が打撃を受けたとみられています。
ウクライナ軍のザルジニー総司令官は13日、SNSでアメリカ軍の制服組トップ、ミリー統合参謀本部議長と電話で会談したことを明らかにし「侵攻したロシア軍の部隊の5分の1を破壊した」と、戦果を説明したということです。
一方で、「ロシア軍は1300キロにわたる最前線で攻撃を行っている。ウクライナ側は砲撃の支援を緊急に必要としていることを強調した」としていて、アメリカなどにさらなる軍事支援の必要性を訴えたとしています。
アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは12日、ウクライナ軍当局者の話として「反撃に十分な数の兵器がそろっていない」として、ウクライナ軍の兵器が不足しているという訴えを伝えています。
また、ウクライナ側の分析として、ロシア軍が反撃に対応するため南部に部隊を移動させていて、「先週だけでおよそ3000人のロシア兵がヘルソン州に到着し、州内を流れるドニプロ川の対岸には少なくとも1万5000人のロシア兵がいる」とする見方を伝えています。
戦況を分析するイギリス国防省は14日、「この1週間、ロシアの優先事項は、ウクライナ南部を強化するための部隊再編だったとみられる」と指摘していて、南部をめぐり、戦力を強化するロシア軍と欧米の兵器で反撃を目指すウクライナ軍との間でさらに攻防が激しくなるとみられます。