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月1
日からニューヨークの
国連本部で
開かれているNPTの
再検討会議では、
各国が
合意を
目指す「
最終文書」の
作成に
向けた
交渉が
本格化しています。
このうち核の不拡散について協議する第2委員会で最終文書の草案がまとめられ、ロシア軍が掌握しているザポリージャ原子力発電所について、周辺での軍事活動などに重大な懸念を示すとともに、ウクライナ当局の管理下に戻すよう求める内容が盛り込まれました。
15日開かれた委員会では、ウクライナの代表が草案の内容を歓迎したうえで「ロシアの不当な侵略や原発を攻撃し違法に掌握したことで生じた重大な脅威を反映させるべきだ」と述べ、軍事侵攻の詳細も盛り込むよう求めました。
これに対してロシアの代表は「一部の国による一方的な主張が書き込まれており、到底容認することはできない」と述べ、草案に反対する姿勢を示しました。
NPTの再検討会議では、ウクライナに軍事侵攻したロシアが核の威嚇を行っていることへの批判が上がっているほか、原子力発電所への攻撃が繰り返されていることへの懸念も相次いでいて、いずれもロシアが強く反発していることから、今後の交渉の行方に影響を及ぼすことも予想されます。
IAEAの原発視察 早期に実現するか不透明な情勢
IAEA=
国際原子力機関が
求めているザポリージャ
原発への
視察や
調査をめぐり、
国連のデュジャリック
報道官は15
日の
記者会見で「ロシアとウクライナが
合意すれば、
国連は、ウクライナの
首都キーウからザポリージャ
原発まで、IAEAの
担当者の
安全を
支援できる」と
述べ、ウクライナでのIAEAの
活動に
協力すると
強調しました。
これに対し、ロシア外務省不拡散・軍備管理局のビシネベツキー次長は15日「キーウ経由で原発に向かうには前線を越えることになり、大きなリスクだ」と述べ、キーウ側からではなく、ロシアが設定する経路での視察を求めるなど、立場に隔たりがあり早期の視察が実現するか不透明な情勢です。
国連事務総長とロシア国防相 原発稼働条件などで電話会談
ウクライナ
南東部に
あるザポリージャ
原子力発電所で
攻撃が
相次ぐ中、
国連のグテーレス
事務総長とロシアのショイグ
国防相が15
日、
電話で
会談しました。
会談の詳しい内容は明らかにされていませんが、国連は「ザポリージャ原子力発電所を安全に稼働させるための条件について意見を交わした」と発表しました。
また、両者は、ウクライナ東部のドネツク州で7月、捕虜の収容施設が攻撃を受けたことや、国連とロシアが合意した、ロシアからの穀物や肥料の輸出についても意見を交わしたということです。
ゼレンスキー大統領「原発は地雷のようになっている」
ウクライナのゼレンスキー
大統領は、15
日に
公開した
動画でロシア
軍が
掌握するザポリージャ
原子力発電所について「ロシアは、
原発と
その周辺において
脅迫を
続け、
近くの
都市などを
砲撃している。
弾薬や
装備品を
施設内に
隠していて、
原発は、
地雷のようになっている」と
述べ、ロシアは、
原発を
盾に
攻撃を
続けているとして
非難しました。
そして、EU=ヨーロッパ連合の加盟国や日本やアメリカなどの42か国が、ロシア軍の即時撤退を求める共同声明を出したことに触れ「議論や呼びかけではなく、新たな強い制裁を科す必要がある。世界が一つの原発を守るための力と意志の強さに欠ければ、世界はテロリストに負けたということだ」と述べ、より強い態度で臨むよう各国に訴えました。
また、戦況については、この1日で顕著な変化はないとしたうえで「ドンバス地域やハルキウ州では、われわれの軍による英雄的な抵抗が続き、南部では、敵に圧力をかけ続けている」として、徹底抗戦する姿勢を強調しました。
イギリス軍 ウクライナ兵の訓練の様子を公開
ロシアの
軍事侵攻を
受けるウクライナへの
支援の
一環として、イギリス
軍は
戦闘経験の
少ないウクライナ
兵を
国内の4つの
訓練場に
受け入れ、
数週間にわたって
基礎的な
戦闘や
救護の
方法などを
教えています。
15日、その様子がイギリス南東部ケント州の訓練場でNHKなど一部のメディアに公開されました。
このうち武器の扱い方を学ぶ訓練では、ウクライナの兵士たちがイギリス軍の指揮官の指示を受けながらAK47自動小銃に弾倉を装填(そうてん)し、標的に向かって素早く構える動作を繰り返しました。
また、ロシア側に占拠された住宅地を奪い返す訓練では、銃を持った兵士たちが住宅に手投げ弾を投げ込んだりしたあと中に突入し、安全を確保する手順を確認していました。
先月までIT
企業に
勤めていたという25
歳の
兵士は「
祖国で
起きている
恐ろしいことを
黙って
見ていられず
軍に
志願しました。
国を
守るプロフェッショナルになれるよう、
精いっぱい訓練する
覚悟です」と
話していました。
また、訓練を行っているイギリス陸軍第11旅団の指揮官は「兵士たちのモチベーションの高さと学ぶ意欲には感心する。ウクライナを守る中核となってほしい」と話していました。
イギリス軍は、120日ごとに最大1万人のウクライナ兵を訓練する計画で、6月以降、これまでにおよそ2400人が訓練を終えウクライナに戻ったということです。
プーチン大統領 戦闘の継続を強調 長期化も辞さない構えを示す
ロシアのプーチン
大統領は15
日、モスクワ
郊外で
始まった
国際軍事フォーラムで
演説し「ロシア
軍は、
いつの
時代も
国の
主権と
安全を
守り、
他の
民族に
自由をもたらしてきた」と
主張しました。
そのうえで、ウクライナ侵攻をめぐり「1歩ずつ、東部ドンバスの土地を解放していくという任務を着実に遂行する」と述べました。
プーチン大統領としては、軍事侵攻を始めてまもなく半年となる中、戦闘の継続を強調し、さらなる長期化も辞さない構えを示した形です。
一方、プーチン大統領は「多極化する世界の防衛に貢献したい」と述べたうえで、南米やアジア、アフリカ諸国に装甲車や無人機といった兵器を輸出したり、軍事技術分野で協力したりしていくことに意欲を示しました。
プーチン大統領は、今回のイベントでは37か国から6000人以上の将校や兵士が参加するなどと強調していて、ウクライナ侵攻を受けて欧米から厳しい制裁が科される中、国際社会から孤立していないと改めてアピールするねらいもあるものとみられます。
原発で攻撃が相次ぐザポリージャ 避難する人も
ウクライナ
南東部に
あるザポリージャ
原子力発電所で
攻撃が
相次ぐ
中、
周辺に
住むウクライナの
人たちが
隣国のポーランドに
次々に
避難しています。
ポーランド南東部、プシェミシルの鉄道の駅では15日午後、ザポリージャからの列車が到着すると、スーツケースをもった人たちが次々にホームに下りてきました。
妊娠中の妻や3人の子どもとともにドイツに向かうという男性は「ポーランドでは爆発など起きることはないと思いながらここまで来ました。ロシアは、毎晩、原子力発電所の周辺に砲撃を続け、被害を受けるのは、自宅なのか別の人の家なのかと思いながら過ごしてきました」と話していました。
また、幼い2人の子どもを連れ、状況が安定するまでポーランドにとどまるという女性は「現地は非常に危険な状況で、子どもがいる人は、みんな避難しようとしています。核の危険にさらされているのはウクライナだけではないので、人々は国際社会の対応も待っています」と話していました。
EU 日米など42か国 原発からのロシア軍の即時撤退求める声明
ロシア
軍が
掌握するザポリージャ
原子力発電所について、EU=
ヨーロッパ連合の
加盟国と
日本、
アメリカなどの42
か国は、12
日付けで、
原発の
安全性が
脅かされているとしてロシア
軍の
即時撤退を
求める
共同声明を
出しました。
声明の中で、原発へのロシア軍の部隊や武器の派遣は受け入れがたく、原発の安全性を無視していると非難しています。
そして、ロシア軍の存在によってウクライナ当局や原発の関係者は、原子力と放射線に関する安全を確保するという責務を全うできなくなっているとしています。
そのうえで、ロシアが軍や許可されていないすべての人員を原発とその周辺、さらにウクライナ全土から即時撤退させることを求めています。
この声明を受けてロシア外務省は15日、ザハロワ報道官のコメントを発表し「欧米諸国は、またしても真っ赤なウソをついている」として、原発への攻撃はウクライナ側が行っていると反論しました。
そのうえで「ウクライナ側の破壊的行為についてIAEAが正しい評価を下せるよう必要な手段を講じる」としてIAEA=国際原子力機関の専門家チームの現地派遣に協力する考えを示しました。
ウクライナ 戒厳令と総動員令を11月下旬まで延長へ
ウクライナの
議会に
当たる最高会議は15
日、ロシアによる
軍事侵攻を
受けて
国内に
出されている
戒厳令と
総動員令について、ことし11
月下旬まで
延長する
法案を
可決しました。
これはゼレンスキー大統領が12日、最高会議に法案を提出したことを受けて審議が行われていたもので、地元メディアによりますと、過半数を大幅に上回る328人の議員が賛成したということです。
法案の可決によって、防衛態勢の強化のために行われている、18歳から60歳の男性の出国制限が今後も続くことになり、ウクライナとしては、ロシアとの戦闘が長期にわたることをにらんで徹底抗戦する構えを示したものです。
キーウ近郊 身元特定できないまま墓地で遺体を埋葬
ロシア
軍による
侵攻で、
多くの
市民が
殺害されたウクライナの
首都キーウ
近郊の
墓地で15
日、
身元が
特定できないまま14
人の
遺体が
埋葬されました。
首都キーウ近郊でロシア軍による侵攻のあとに見つかった遺体の中には、焼かれて損傷が激しいなどの理由で、身元の特定ができていないケースもあります。
首都キーウ近郊のブチャにある墓地の一角では15日、身元が不明のままとなっている14人の遺体を埋葬するため当局から依頼を受けた業者が黒い袋に包まれた遺体をひつぎにおさめていました。
ひつぎは、
地中に
埋められたあと
最後に
十字架がたてられましたが、
十字架に
掲げられたプレートには
識別のための3
桁の
番号が
書かれているだけで、
名前はありません。
この墓地では、今後さらに45人の身元不明の遺体を埋葬する予定だということです。
埋葬に立ち会ったブチャのスコレクシカリブツカ副市長は「亡くなった多くの人がキリスト教徒だと思うので聖職者を招きました。こんな残酷な形で殺害された人に対し、せめてもの敬意を示すためです。DNA鑑定を通してこの人たちが誰なのか、特定できるよう努力しています」と話していました。
サウジアラビアの王族の会社 ロシアのエネルギー大手3社に投資
サウジアラビアの
大富豪ワリード・ビン・タラール
王子が
会長を
務める投資会社は14
日、
過去3
年間に
投資した
企業のリストを
公表しました。
それによりますと、投資会社はことし2月から3月にかけて、ロシアのエネルギー大手3社に日本円にして合わせておよそ700億円の投資を行っています。
内訳では、政府系ガス会社ガスプロムにおよそ487億円、国内第2位の石油会社ルクオイルにおよそ146億円、国内最大の石油会社ロスネフチにおよそ70億円となっています。
ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対しては、欧米諸国が主要な収入源の石油の輸出に打撃を与えようと、経済制裁を科していますが、サウジアラビアは「OPECプラス」と呼ばれる原油の生産調整のグループでロシアと協力関係にあります。
王族が政府の主要ポストを握るサウジアラビアでは、大手の民間企業は政府の影響下にあると言われていて、ロシアと石油生産を通して関係を維持するサウジアラビアの姿勢がかいま見えた形です。
イスラエルとハマスの交渉難航 米CIA長官が仲介国カタールへ
イスラエルとイスラム組織ハマスとの、戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉が難航する中、アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官が仲介国のカタールに向かい、交渉の進展に向け圧力をかけるねらいがあるとみられます。一方、ガザ地区南部では、5日もイスラエル軍による攻撃が続き、乳児を含む少なくとも19人が死亡しました。
資源: NHK
May 6, 2024 12:05
デーブ・スペクター“つぶやき”続けるワケは?
デーブ・スペクターさん。ある時は、海外の映像を日本に提供する放送プロデューサー。ある時は、鋭い視点にギャグを織り交ぜて社会問題に切り込むコメンテーター。40年にわたり、バラエティーやワイドショーなど幅広く活躍してきました。また、日々ジョークをつぶやくSNSのフォロワー数は、2024年4月時点で191万人。東日本大震災の際にも、その投稿が話題になりました。常に大切にしているのは、「自分だからこそ発信できることは何か」。デーブさんの“コトバの信念”に迫ります。(聞き手:山田賢治アナウンサー、取材:川崎理加・大川悠介アナウンサー)
資源: NHK
May 6, 2024 08:05
歴史学者・磯田道史 「歴史は韻をふむ」!?
歴史学者の磯田道史さん。さまざまな危機に直面する時代にあって、現代の日本や世界に必要な歴史の英知を示し続けています。「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」と言う磯田さん。歴史番組「英雄たちの選択」の司会を共に担当した渡邊佐和子アナウンサーが、歴史学者に至る原点やそのことばをひもときました。
資源: NHK
May 4, 2024 08:05
山梨 同僚女性の遺体遺棄した疑い “動かなくなり遺棄”と供述
山梨県身延町の河川敷に同僚の女性の遺体を遺棄したとして逮捕された35歳の団体職員が「殴っているうちに動かなくなり遺棄した」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかりました。女性は、この職員につきまとわれているなどと勤務先に相談していたということで、警察が詳しいいきさつを調べています。
資源: NHK
May 3, 2024 15:05
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