海上保安庁によりますと、今月18日、伊豆諸島の青ヶ島の南にある海底火山「須美寿島」から東へ300メートルにわたって海水が茶褐色や黄緑色に変色しているのが、航空機による観測で確認されました。
須美寿島の周辺で海水の変色が確認されたのは7年前の2017年3月以来です。
観測に同行した東京工業大学の野上健治教授は「およそ20年間須美寿島を観測してきて、これまでは白っぽい変色水が小規模に流れるくらいだったのが、今回は規模も色合いも初めて見るものだった。火山活動が一段と高まっていると考えるべきだ」と話しています。
海上保安庁は航行警報を出して、近くを航行する船に注意を呼びかけています。
また気象庁によりますと今のところ噴煙は観測されておらず、今後、上空からの観測で変色域が拡大していないかなど調べるということです。
須美寿島 約100年前まで噴火
「須美寿島」は、伊豆諸島の青ヶ島の南およそ110キロにある海底火山です。
気象庁によりますと海面上には130メートルあまりの岩の島が見えていますが、その北側には直径10キロにおよぶカルデラがあります。
およそ100年前までは噴火が起きていて、1870年の噴火では小島ができたという記録も残っています。
1970年代から2017年までは、海水が白や緑色、黄色に変色しているのがたびたび確認されていました。