沖縄県名護市の
市長選挙で、
自民・
公明両党などが
推薦した
新人が、アメリカ
軍普天間基地の
名護市辺野古への
移設に
反対する
現職を
破って
当選したことについて、
政府与党は、
秋に
予定されている
沖縄県知事選挙に
向け
弾みになるとしています。
一方、
政府は、
引き続き
普天間基地の
移設計画の
実現に
取り組むとともに、アメリカ
軍機の
安全確保に
万全を
期すようアメリカ
軍に
求めることにしています。
4日に
投票が
行われた
沖縄県名護市の
市長選挙では、
自民・
公明両党と
日本維新の
会が
推薦した
新人の
渡具知武豊氏が、アメリカ
軍普天間基地の
名護市辺野古への
移設計画に
反対する
現職の
稲嶺進氏を
破り、
初めて
当選しました。
政府与党は、敗北は許されないとして、今回の市長選挙を秋に予定されている沖縄県知事選挙の前哨戦と位置づけ、幹部が相次いで応援に入るなど国政選挙並みの態勢で選挙戦に臨みました。
それだけに、政府与党内からは「知事選挙に向けて弾みになる」といった声が出ています。
また、名護市民の間で、移設問題で国との対立が続くことへの懸念も強まり始めているのではないかなどという見方も出ています。
一方、政府は、普天間基地の固定化を避け危険性を除去するには、名護市への移設が唯一の解決策だという立場を堅持していて、引き続き沖縄の基地負担の軽減に努めながら移設計画の実現に取り組むことにしています。
また、沖縄県でアメリカ軍機のトラブルなどが相次いだことを踏まえ、アメリカ軍に対し、安全確保に万全を期すよう求めるとともに、ヘリコプターが学校の上空などを飛ばないよう監視活動も続けることにしています。
政府高官「経済振興を望んでいる」
政府高官はNHKの取材に対し、「今回の選挙の勝因は、自民党と公明党がしっかりまとまって候補者を支援できたのが大きかった。われわれが支援した候補者が勝ったということは、名護市民が経済の振興を望んでいるということだ」と述べました。
防衛省幹部「移設計画に理解」
防衛省幹部はNHKの取材に対し、「今回の結果は、移設先である名護市の市民が辺野古への移設計画に理解を示したということであり、今後の移設工事の推進にとっても大きな意味がある。名護市の協力を得ながら、沖縄の基地負担の軽減に取り組めるよう、国としても丁寧に地元と向き合っていきたい」と述べました。
米国務省 論評避ける
名護市長選挙の結果について、アメリカ国務省の報道担当者は4日、NHKの取材に対し、「アメリカはいかなる立場も取らず、コメントもしない」として論評を避けました。
ただ、国務省の高官は先週、記者団に対し、「誰が当選しても連携して取り組んでいく。日本との間には強固な同盟関係がある」と述べ、アメリカ軍普天間基地の移設計画については日本側と連携して取り組む立場を示していました。
アメリカ政府としては、日米両政府が合意した普天間基地の移設が進むことを期待していて、秋に予定されている沖縄県知事選挙の行方も含め状況を注視していくものと見られます。