東日本大震災と
東京電力福島第一原子力発電所の
事故の
発生から
11日で
7年です。
被災地では
住宅の
再建が
ある程度進む
一方、
依然として
全国で
7万人以上が
避難生活を
余儀なくされているほか、
人口の
減少や
高齢者の
孤立なども
課題となっています。
7年前の
平成23年3月11日、
午後2時46分ごろ、
東北沖でマグニチュード
9.
0の
巨大地震が
発生し、
東北や
関東の
沿岸に
高さ
10メートルを
超える
津波が
押し寄せました。
警察庁のまとめによりますと9日の時点までに死亡が確認された人は12の都道県の合わせて1万5895人、行方不明者は6つの県の合わせて2539人となっています。
また、復興庁によりますと去年9月末までに長引く避難生活による体調の悪化などで亡くなったいわゆる「震災関連死」と認定された人は、10の都県で、少なくとも合わせて3647人で、震災による犠牲者は、「震災関連死」を含めて少なくとも合わせて2万2081人となっています。
災害公営住宅 “高齢者の孤立”も
震災の直後、最も多い時でおよそ47万人いた避難者は、復興庁の先月13日時点のまとめで全国で7万3349人と、復興事業の遅れなどによりいまだ多くの人が避難生活を余儀なくされています。
一方、津波などで自宅などを失い、自力で再建できない人のための災害公営住宅は、ことし1月末までに計画の94%にあたるおよそ2万8000戸が完成しました。
4万6000人余りの被災者が仮設住宅などから移り住んでいますが、住人の高齢化率は41.3%と1人暮らしの高齢者が孤立するなどの問題が出ています。
“人口10%以上減” 自治体のほぼ半数に
国勢調査を基にした自治体のデータを使い、NHKが震災前の平成23年3月1日から先月1日までの人口の増減をまとめたところ、岩手、宮城、福島の35の自治体のうち、震災前と比べて10%以上人口が減った自治体は17とほぼ半数に上りました。
また、福島県では、放射線量が比較的高く今も立ち入りが制限されている「帰還困難区域」を除くほとんどの地域で去年までに避難指示が解除されましたが、関係する9つの市町村によりますと避難指示が解除された地域に住民票を登録している人のうち、実際に住んでいると見られる人の割合は先月の時点でおよそ15%となっています。
福島第一原発ではいま
3基の原子炉でメルトダウンが起きるという世界最悪レベルの事故が発生した福島第一原発では、廃炉最大の難関とされる溶けた核燃料と構造物が混じった「燃料デブリ」の取り出しに向けた検討が進められています。
このうち3号機では、去年7月に行った水中を進むロボットの調査で、原子炉を覆う格納容器の底に岩のような黒い塊などが堆積しているのが見つかり、東京電力は初めて燃料デブリの可能性が高いと評価しました。
また、ことし1月には、2号機でも格納容器の底に「燃料デブリ」と見られる小石状の堆積物があることが確認されたほか、原子炉内にあった核燃料を束ねるケースの取っ手が落ちているのが確認されました。
東京電力は、こうした調査結果を踏まえて、格納容器の中の水位は低いままで空気中で取り出す「気中工法」という方法を軸にデブリを取り出すとしていますが、この方法では放射性物質が飛散するおそれがあるため、安全対策の徹底が課題です。
国と東京電力は燃料デブリについて、取り出し方法の具体的な検討を進め、2019年度には、最初に取り出す号機を確定し、2021年に取り出しを始めるとしています。
一方、核燃料を冷やすために原子炉に注がれた水が高濃度の汚染水となって建屋の地下にたまり、そこに、山側からの地下水が流れ込むなどして汚染水は増え続けています。
対策として地下水をくみ上げたり、周辺の地盤を凍らせて氷の壁で囲み地下水の流入を抑える「凍土壁」を建設したりして汚染水が増えるペースは遅くなっています。
しかし、原発の敷地内のタンクに保管されている汚染水を処理したあとの水はおよそ100万トン、タンクの数は850基ほどに上っていて最終的な処分方法は決まっていません。