雇用こよう調整ちょうせい助成じょせい金きん支給しきゅう 210万まん件けん余よで2兆ちょう5000億おく円えん 財源ざいげん確保かくほが課題かだいに

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうを踏ふまえ、1人にん1日にち当あたりの助成じょせい金きんの上限じょうげん額がくを8370円えんから1万まん5000円えんに、休業きゅうぎょう手当てあてなどの助成じょせい率りつを中小ちゅうしょう企業きぎょうは最大さいだい100％に引き上ひきあげるなど、特例とくれい措置そちを実施じっししています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、ことし2月つきから12月つき25日にちまでに申請しんせいがあったのは223万まん1178件けんで、支給しきゅうが決きまったのは216万まん9616件けん、金額きんがくにして2兆ちょう5093億おく円えんに上のぼるということです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは特例とくれい措置そちの期限きげんを2021年ねん2月つき末まつまで延長えんちょうしましたが、3月つき以降いこうについては、上限じょうげん額がくや助成じょせい率りつを段階だんかい的てきに縮小しゅくしょうする方向ほうこうで検討けんとうするとしています。

一方いっぽう、雇用こよう調整ちょうせい助成じょせい金きんの主おもな財源ざいげんは企業きぎょうが負担ふたんする雇用こよう保険ほけんの保険ほけん料りょうで、「雇用こよう安定あんてい資金しきん」として労働ろうどう保険ほけんの特別とくべつ会計かいけいで運用うんようしています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと助成じょせい金きんの支給しきゅうが急激きゅうげきに増ふえたことから「雇用こよう安定あんてい資金しきん」だけでは賄まかないきれず、今年度こんねんどは失業しつぎょう給付きゅうふなどの財源ざいげんとなる積立つみたて金きんからおよそ1兆ちょう円えんを借り入かりいれたほか、一般いっぱん会計かいけいからおよそ1兆ちょう4000億おく円えんを繰り入くりいれるなどして合あわせて3兆ちょう3000億おく円えん余あまりの予算よさんを確保かくほしました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと「雇用こよう安定あんてい資金しきん」は今年度こんねんど末まつには864億おく円えんとこれまでで最もっとも少すくなくなる見込みこみで、失業しつぎょう給付きゅうふなどの積立つみたて金きんもこのままの状態じょうたいが続つづけば、来年らいねん度ど末まつには1722億おく円えんと、過去かこ最低さいていだった2002年ねんの4064億おく円えんを下回したまわるとみられています。

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうが長期ちょうき化かする中なかで、どのようにして必要ひつような財源ざいげんを確保かくほし雇用こようを守まもるための制度せいどを維持いじしていくのかが課題かだいとなっています。