新型コロナウイルスに
感染した
患者の
治療の
際には、
他の
病気の
薬で
新型コロナへの
効果が
確認されたもの
などが
使われていますが、
まだ特効薬はありません。
国立国際医療研究センターの
グループは、ウイルスの
増殖に
必要な
酵素の
働きを
妨げる新たな
治療薬の
候補と
なる物質を
複数見つけたことを
明らかにし、
今後、
臨床での
応用を
目指して
研究を
進めるとしています。
これは
国立国際医療研究センター研究所の
満屋裕明所長が、26
日に
開かれた
メディア向けのオンラインセミナーの
中で
明らかにしました。
満屋所長のグループは、新型コロナウイルスが細胞内で増殖する際に必要な「プロテアーゼ」と呼ばれる酵素に着目し、酵素の働きを妨げ、ウイルスの増殖を防ぐ治療薬の研究を去年2月から進めています。
これまでに400種類余りの化学物質を人工的に合成していて、こうした物質を使ってウイルスに感染した細胞での実験などを行ったところ、2種類の物質が酵素と結び付いて、ウイルスの増殖を抑える効果が特に高いことが分かったということです。
このうちの1つは現在、患者の治療に使われているレムデシビルと合わせると、ウイルスの増殖が1億分の1にまで抑えられたとしています。
満屋所長は「さらに効果の高いものを合成するなど、より有望な物質の探索に努めたい」と話していて、今後、動物実験を行うなど、臨床での応用を目指して研究を進めるとしています。