ウクライナ空軍は1日、ロシア軍が111機にのぼる無人機でウクライナ各地に攻撃を行ったと発表しました。
このうち首都キーウでは、1日午前、迎撃した無人機の破片が集合住宅などに落下し、複数の場所で火災が発生しました。
キーウ市長によりますと、2人が死亡し、7人がけがをしたということです。
攻撃を受けてゼレンスキー大統領はSNSに「ロシアは元日でさえ、ウクライナを痛めつけることしか考えていない」と投稿し、非難しました。
キーウ市内への攻撃ではこれまでに2か所で被害が確認されています。
このうち中心部の大統領府や政府機関の建物が集まる地区にある集合住宅には、撃ち落とされた無人機の破片が落下し、火災が発生しました。
政府の重要施設が集まっているため、現場周辺の立ち入りが厳しく制限されるなか、建物の上では、救出活動が進められていました。
災害当局の担当者は「敵の攻撃で住宅の一部が破壊された。4階から6階まで、およそ80平方メートルが焼失した」と話していました。
現場近くでは、警察が無人機とみられる破片を袋に入れて集めていました。
ウクライナのイエルマク大統領府長官は、SNSで、この地区では、少なくとも無人機4機による攻撃があったと明らかにしました。
一方、キーウ市内の別の地区では、撃ち落とされた無人機の破片が落下して火災が発生し、車庫や車が焼けたほか、爆風で集合住宅の窓ガラスが飛び散るなどの被害が出ました。
住民たちは、割れた窓から、冷たい外の空気が部屋の中に入り込まないよう、窓枠に透明のシートを張っていました。
住民の女性は「大きな爆発音がして、窓ガラスが飛び散った。毎日、恐怖におびえながら暮らしていて、みんな精神的にまいっている。すべてロシアのせいだ」と怒りをあらわにしていました。
別の女性は「ロシアは罪のない市民を殺害している。ことしは戦争が終わり、わたしたちの子どもや国民が死なず、平和であってほしい」と話していました。