昔あるところに、卵とたどんの娘が住んでいました。たどん(炭団)とは、卵のように丸い形の炭の事で、背格好が似ている二人は大の仲良しでした。
ある時、村のみんなが白い雪を見て「白くてきれいだ」とほめているのを知り、たどんの娘は自分がまっ黒で美しくないと感じました。たどんは黒い自分のことが嫌になって、白い卵の娘に八つ当たりして喧嘩してしまいました。
卵の娘は、どうしてたどんが怒り出したのかわかりませんでした。こたつの中に入ったままですねているたどんに話しかけようと、卵の娘もこたつの中に入りました。
こたつの中では、真っ赤になって怒っているたどんがいました。卵は、太陽のように赤く温かくなっているたどんを見て、「太陽みたいに綺麗じゃ~」と言いました。
たどんはその言葉に嬉しくなり、また二人は仲良く一緒に遊ぶようになりました。