石破いしば総理そうり大臣だいじん “野党やとうと議論ぎろん尽つくし 政権せいけん運営うんえい”年頭ねんとう記者きしゃ会見かいけん

（会見かいけん動画どうが 37分ふん36秒びょう データ放送ほうそうではご覧ごらんになれません）

石破いしば総理そうり大臣だいじんは、年頭ねんとうにあたって6日にち、三重みえ県けん伊勢いせ市しの伊勢いせ神宮じんぐうに参拝さんぱいしたあと記者きしゃ会見かいけんしました。

《政権せいけん運営うんえい》

この中なかで、石破いしば総理そうり大臣だいじんは、自民じみん・公明こうめい両りょう党とうの少数しょうすう与党よとうでの政権せいけん運営うんえいについて「国政こくせいを預あずかる立場たちばから現在げんざいと次つぎの世代せだいの国民こくみんに対にたいして責任せきにんを持もつ『責任せきにん与党よとう』でなければならない」と述のべました。

その上うえで「野党やとうにもこれまで以上いじょうに責任せきにんを共有きょうゆうしていただくことが求もとめられ、それぞれが責任せきにんある立場たちばで議論ぎろんを尽つくし、国民こくみんの納得なっとくと共感きょうかんが得えられるよう努つとめることが必要ひつようだ」と強調きょうちょうしました。

《政治せいじ改革かいかく》

また、政治せいじ改革かいかくをめぐっては、立憲りっけん民主みんしゅ党とうなどが禁止きんしを求もとめている企業きぎょう・団体だんたい献金けんきんについて、真摯しんしに（しんし）議論ぎろんを行おこない、ことし3月つき末まつまでに結論けつろんが得えられるよう努つとめる考かんがえを示しめしました。

そして「問題もんだいの本質ほんしつは、民主みんしゅ主義しゅぎのコストは誰だれが負担ふたんするのかということだ。政党せいとうや政治せいじ団体だんたいとしての規律きりつのあり方ありかたをどう考かんがえ、その規律きりつをどう担保たんぽしていくか、与野党よやとうの枠わくを超こえて議論ぎろんを深ふかめていきたい」と述のべました。

《選挙せんきょ制度せいどのあり方ありかた》

さらに、去年きょねん、選挙せんきょ運動うんどう中ちゅうに妨害ぼうがい行為こういがあったことなどを念頭ねんとうに「想定そうていされなかったことが起おき始はじめているが、民主みんしゅ主義しゅぎとは、多おおくの意見いけんが健全けんぜんな言論げんろんの場ばで戦たたかわされてこそ成り立なりたつものだ」と指摘してきしました。

その上うえで「重要じゅうようなことは、有権者ゆうけんしゃに判断はんだん材料ざいりょうが正ただしく提供ていきょうされることであり、それに基もとづいて、より幅広はばひろい世代せだいのより多おおくの民意みんいが政治せいじに適切てきせつに反映はんえいされることだ」と述のべ、選挙せんきょ制度せいどのあり方ありかたについて各党かくとうで議論ぎろんしたいという意向いこうを示しめしました。

《地方ちほう創そう生せい》

地方ちほう創そう生せいについては「『令りょう和わの日本にっぽん列島れっとう改造かいぞう』と位置いちづけて、強力きょうりょくに推し進おしすすめ、一極いっきょく集中しゅうちゅうを見直みなおし、多様たよう性せいを未来みらいへの力ちからとしていく。『これを成功せいこうさせなければ日本にっぽんに将来しょうらいはない』という危機きき感かんを強つよく持もって進すすめていく」と強調きょうちょうしました。

そして▽地方ちほうから改あらためて提案ていあんを募つのり、政府せいふ機関きかんの地方ちほう移転いてんを進すすめるほか▽新あらたな人ひとの流ながれを生み出うみだすことにつなげるため、まずは、若手わかての国家こっか公務員こうむいんが2つの地域ちいきを拠点きょてんに生活せいかつすることを支援しえんする制度せいどを新設しんせつする考かんがえを明あきらかにしました。

《経済けいざい政策せいさく》

経済けいざい政策せいさくをめぐっては「『コストカット型がたの経済けいざい』から『高こう付加ふか価値かち創出そうしゅつ型がたの経済けいざい』に移行いこうすることで『賃上ちんあげと投資とうしがけん引けんいんする成長せいちょう型がた経済けいざい』を実現じつげんする」と述のべました。

さらに、デフレ経済けいざいのもと企業きぎょうの配当はいとうや海外かいがい投資とうしは増ふえる一方いっぽう、国内こくない投資とうしや賃金ちんぎんは伸び悩のびなやんできたとして、企業きぎょうの成長せいちょう分野ぶんやへの投資とうしを促うながす環境かんきょう整備せいびを進すすめていく考かんがえを示しめしました。

《社会しゃかい保障ほしょう政策せいさく》

社会しゃかい保障ほしょう政策せいさくをめぐっては、持続じぞく可能かのう性せいの維持いじ・強化きょうかが重要じゅうようだと指摘してきし、▽「全ぜん世代せだい型がた社会しゃかい保障ほしょう」の構築こうちくや▽高齢こうれい者しゃや子育こそだて世帯せたいなど誰だれもが支ささえ合あう「地域ちいき共生きょうせい社会しゃかい」の実現じつげんなどに取り組とりくむ方針ほうしんを示しめしました。

その上うえで「特とくに長期ちょうきにわたり運営うんえいする年金ねんきん制度せいどは与党よとうも野党やとうもなく合意ごういを探さぐることが求もとめられるため、まず、年金ねんきん制度せいど改革かいかく案あんから、各党かくとうによる建設けんせつ的てきな議論ぎろんが行おこなわれることを期待きたいする」と述のべました。

《防災ぼうさい分野ぶんや》

防災ぼうさい分野ぶんやでは、能登のと半島はんとう地震じしんから1年ねんとなることに触ふれ「災害さいがいの発生はっせいを防ふせぐことはできないが平時へいじの備そなえによって被害ひがいの最少さいしょう化かを図はかるとともに被災ひさい者しゃに尊厳そんげんある避難ひなん生活せいかつを営いとなんでもらえる環境かんきょうを迅速じんそくに提供ていきょうすることは国家こっかの責務せきむだ」と述のべました。

その上うえで、▽「防災ぼうさい庁ちょう」の設置せっち準備じゅんびを加速かそくするとともに▽首都しゅと直下ちょっか地震じしんや南海なんかいトラフ地震じしんなどへの備そなえに加くわえ、▽日本にっぽんの災害さいがい対策たいさく技術ぎじゅつの海外かいがいへの発信はっしんといった取り組とりくみを強化きょうかしていくと説明せつめいしました。

《外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう》

外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょうをめぐっては「わが国わがくにの平和へいわと安全あんぜん、人々ひとびとの暮くらしを守り抜まもりぬく基本きほんは十分じゅうぶんな抑止よくし力りょくを確保かくほしつつ関係かんけい国こくとの対話たいわを重かさねていくことだ」と述のべ、▽日にち米べい同盟どうめいのさらなる強化きょうかや、▽対話たいわによる関係かんけい国こくとの信頼しんらい関係かんけいの構築こうちく、それに▽自衛じえい官かんの処遇しょぐう改善かいぜんなどに取り組とりくむ考かんがえを示しめしました。

《抱負ほうふ》

そして、ことしの干支えと（えと）の「へび」にちなみ「へびは脱皮だっぴを繰り返くりかえし大おおきくなっていくことから再生さいせいや進化しんかの年としとも言いわれている。平和へいわと安全あんぜん・安心あんしんを大前提だいぜんていとした『楽たのしい日本にっぽん』、活力かつりょくある日本にっぽんを国民こくみんとともにつくり上つくりあげていく年としにしたい」と抱負ほうふを語かたりました。

野党やとうとの連立れんりつ 衆参しゅうさん同日どうじつ選挙せんきょは

少数しょうすう与党よとうでの政権せいけん運営うんえいをめぐり、野党やとうとの連立れんりつは選択肢せんたくしかと問とわれ「野党やとうの賛成さんせいを得えなければ法案ほうあんも予算よさん案あんも通とおすことができない。誠心せいしん誠意せいい説明せつめいし多おおくの国民こくみんに『もっともだ』と思おもっていただかなければ野党やとうに賛成さんせいしてもらえるとは思おもっていない。今いまの時点じてんで野党やとうとの連立れんりつ政権せいけんを考かんがえているわけではないし、大だい連立れんりつを考かんがえているわけでもない」と述のべました。

一方いっぽう、夏なつの参議院さんぎいん選挙せんきょにあわせた「衆参しゅうさん同日どうじつ選挙せんきょ」を行おこなうかどうかを質問しつもんされたのに対にたいしては「内閣ないかく不信任ふしんにん決議けつぎ案あんが可決かけつされるか、信任しんにん決議けつぎ案あんが否決ひけつされたときは解散かいさんしないかぎり総そう辞職じしょくしなければならないというのが憲法けんぽうの規定きていだ。衆議しゅうぎ院いんの意思いしと内閣ないかくの考かんがえが違ちがったときに主権しゅけん者しゃの判断はんだんをいただくことは憲政けんせいの常道じょうどうであり、判断はんだんをするのは主権しゅけん者しゃたる国民こくみんだ」と述のべました。

トランプ次期じき大統領だいとうりょうとの会談かいだん「最もっともふさわしい時期じきに」

石破いしば総理そうり大臣だいじんは、アメリカのトランプ次期じき大統領だいとうりょうとの会談かいだんについて「現在げんざいまだ確定かくていはしていない。最もっともふさわしい時期じきにふさわしい形かたちで実現じつげんするよう調整ちょうせいしている」と述のべました。

その上うえで「中東ちゅうとうやウクライナ、北東ほくとうアジアの状況じょうきょうをどう認識にんしきするか、私わたしはこの3つは密接みっせつに関係かんけいしそれぞれが独立どくりつして起おきているわけではないと思おもっている。このようなことについて共通きょうつう認識にんしきを持もつことが重要じゅうようだ」と述のべました。