日本新聞: 新米販売も “必要量確保できず”の声ふるさと納税も停止

各地かくちのスーパーなどでコメが品薄しなうすになる中なか、神戸こうべ市しにある産直さんちょく施設しせつでは

ことしの新米しんまいの販売はんばいが始はじまっています。

コメをめぐる各地かくちの動うごきをまとめました。

神戸こうべ産直さんちょく施設しせつに新米しんまい並ならぶ “慌あわてず必要ひつような分ぶんを買かって”

神戸こうべ市し中央ちゅうおう区くにある産直さんちょく施設しせつ「西にし播磨はりまふるさと特産とくさん館かん」では、9月つきに入はいって兵庫ひょうご県内けんないで収穫しゅうかくされたことしの新米しんまいが店頭てんとうに並ならび始はじめました。

この施設しせつによりますと、コメの入荷にゅうかはお盆おぼん前まえから少すくなくなり、南海なんかいトラフ地震じしん臨時りんじ情報じょうほうのあとは品切しなぎれが続つづいていたということです。

新米しんまいを購入こうにゅうした60代だいの夫婦ふうふは「コメがなくなったので、備蓄びちく用ようのコメやパンを食たべていた。新米しんまいが買かえて安心あんしんした」と話はなしていました。

新米しんまいを届とどけた農家のうかの藤本ふじもと俊しゅん祥さちさんは、ことしは天候てんこうに恵めぐまれ、コメの生育せいいくは順調じゅんちょうだったとしていて、「甘あまくてもちもちのおいしい新米しんまいがとれている。慌あわてず必要ひつような分ぶんを買かってほしい」と話はなしていました。

産直さんちょく施設しせつの佐野さの陽子ようこ副ふく店長てんちょうは「これから徐々じょじょに新米しんまいが店頭てんとうに並ならび始はじめるので、安心あんしんして買い物かいものに来きてほしい」と話はなしていました。

静岡しずおか島田しまだ台風たいふう10号ごうの大雨おおあめで収穫しゅうかく作業さぎょう遅おくれ “これから全力ぜんりょくで”

静岡しずおか県けん島田しまだ市しの初はつ倉くら地区ちくにある田たんぼでは、例年れいねん8月末げつまつごろから収穫しゅうかくを始はじめますが、台風たいふう10号ごうの影響えいきょうで大雨おおあめが続つづいたため、土どがぬかるみ、コンバインを使つかった収穫しゅうかく作業さぎょうができない状態じょうたいが続つづいています。

3日にち午前ごぜんの時点じてんで田たんぼは徐々じょじょに乾かわいてきていて、農家のうかは天候てんこうがよければ、4日にちから収穫しゅうかくを始はじめたいとしています。

農家のうかの北川きたがわ英行ひでゆきさんは「40年ねん近ちかくコメ作づくりを続つづけているが、この時期じきにこれだけ雨あめが続つづいたことはない。生育せいいく状況じょうきょうに心配しんぱいはないので、これからは全力ぜんりょくで収穫しゅうかくを進すすめていきたい」と話はなしていました。

また、この地区ちくでは3日にちから新米しんまいの品質ひんしつ検査けんさが始はじまり、地元じもとの農家のうかたちがJAの施設しせつに収穫しゅうかくしたコメを持ち込もちこんでいました。

JAによりますと、まだ収穫しゅうかくできていない農家のうかが多おおく、3日にちは10トン余あまりのコメを検査けんさする計画けいかくだったのに対にたいし、実際じっさいに持ち込もちこまれたのは2トンほどだったということです。

JA大井おおい川がわ初はつ倉くら営農えいのう経済けいざいセンターの天野あまの信康のぶやすさんは「台風たいふうの影響えいきょうで稲刈いねかりが遅おくれているが、今後こんごは順調じゅんちょうに収穫しゅうかくが進すすんでいくと思おもうので、安心あんしんしてほしい」と話はなしていました。

栃木とちぎ足利あしかがの保育ほいく所しょなんとか確保かくほも品薄しなうすで価格かかくは高たかく

栃木とちぎ県けん足利あしかが市しの山川やまかわ保育ほいく所しょでは、0歳さいから6歳さいまでのおよそ70人にんの園児えんじを預あずかっています。

このうち、0歳さいからことし3歳さいになる子こどもたちにはごはんを含ふくめた給食きゅうしょくを提供ていきょうしていて、そのために必要ひつようなコメを30キロ用意よういし、少すくなくなってくるとそのつどJAから仕入しいれてきました。

しかし、8月つき、JAに注文ちゅうもんするために連絡れんらくをとったところ「コメの在庫ざいこがない」と返答へんとうがあり、手てに入いれることができなかったということです。

保育ほいく所しょは別べつの業者ぎょうしゃを探さがす対応たいおうに追おわれて、今回こんかい必要ひつような量りょうはなんとか確保かくほできたものの、品薄しなうすの影響えいきょうでコメの価格かかくは1キロ当あたりおよそ70円えん高たかかったということです。

品薄しなうすに加くわえて、野菜やさいや肉にく、それに調味ちょうみ料りょうなどが値上ねあがりする中なか、コメの価格かかくも上あがると、大おおきな負担ふたんになることから、主食しゅしょくにパンなどを増ふやすことも検討けんとうしたということです。

山川やまかわ保育ほいく所しょの中島なかじま由美ゆみ所長しょちょうは「子こどもたちには栄養えいようのあるものを食たべてもらうのがいちばん大事だいじなので、高たかくてもコメを買かいたいとは思おもっています。やりくりは大変たいへんですが、子こどもたちのために工夫くふうしてなんとか乗り切のりきりたいです」と話はなしていました。

フードバンク “新米しんまいが入はいってきても値上ねあがり”

神戸こうべ市し東灘ひがしなだ区くにあるNPO法人ほうじん「フードバンク関西かんさい」では、生活せいかつに困こまっている人ひとを支援しえんするおよそ140の団体だんたいに無料むりょうで食料しょくりょうを提供ていきょうしています。

このNPO法人ほうじんによりますと、8月つきまでに寄付きふされたコメの量りょうは、去年きょねんの同おなじ時期じきに比くらべて2割わり余あまり減へり、特とくに8月つきから大おおきく減へっているということです。

在庫ざいこは例年れいねんの半分はんぶん程度ていどしかないため、一部いちぶの団体だんたいにはコメが提供ていきょうできない状態じょうたいになっているということです。

食料しょくりょうを受け取うけとりに来きた子こども食堂しょくどうの関係かんけい者しゃは「米こめびつが空そらになりかかっているので期待きたいして来きたが、きょうはもらえなかった。これからが心配しんぱいだ」と話はなしていました。

「フードバンク関西かんさい」の中島なかじま真紀まき理事りじ長ちょうは「コメは主食しゅしょくなので、安定あんていして供給きょうきゅうしたいが、現状げんじょうは難むずかしい。新米しんまいが入はいってきても値上ねあがりしているので、困こまっている家庭かていにはますます手てが出でなくなる」と話はなしていました。

茨城いばらきコメ返礼へんれい品ひんのふるさと納税のうぜい 3市町しちょうで受け付うけつけ停止ていし

NHKが茨城いばらき県内けんないで昨年度さくねんどのふるさと納税のうぜいの寄付きふ額がくが多おおい10の自治体じちたいを取材しゅざいしたところ、取手とりで市し、牛久うしく市し、八千代やちよ町まちの3つの市しと町まちで、在庫ざいこがなくなったとして、コメを返礼へんれい品ひんとしたふるさと納税のうぜいの受け付うけつけを停止ていししていたことが分わかりました。

このうち八はち千代ちよ町まちは、昨年度さくねんど22億おく8000万まん円えん余あまりと県内けんないで3番目ばんめに寄付きふ額がくが多おおく、コメを対象たいしょうとした寄付きふ額がくは全体ぜんたいのおよそ70％を占しめていました。

町まちの昨年度さくねんどのふるさと納税のうぜいの寄付きふ額がくは、コメが好調こうちょうだったことで、前まえの年度ねんどから2.4倍ばい余あまり増ふえました。

しかし今年度こんねんどは、在庫ざいこがなくなった影響えいきょうで、4月つきから去年きょねん産さんのコメを返礼へんれい品ひんとした納税のうぜいの受け付うけつけを停止ていししています。

町まちによりますと、8月つきまでのふるさと納税のうぜいの寄付きふ額がくは、コメを返礼へんれい品ひんとする寄付きふを受け付うけつけられなかったため、およそ2億おく円えんとなり、去年きょねんの同おなじ時期じきのおよそ5億おく5000万まん円えんと比くらべて、40％程度ていどにとどまっているということです。

9月つき2日にちに新米しんまいを対象たいしょうとした受け付うけつけを再開さいかいさせましたが、今年度こんねんどのふるさと納税のうぜいの寄付きふ額がくは大おおきく減少げんしょうする見込みこみだとしています。

八千代やちよ町まちの野村のむら勇いさむ町長ちょうちょうは「高温こうおんや天候てんこう不順ふじゅんによって、コメの価格かかくや質しつがどこまで左右さゆうされるか分わからず、ふるさと納税のうぜいについても先行さきゆきに不安ふあんを感かんじている。ようやく新米しんまいを出だせる体制たいせいが整ととのいつつあるので、これからの寄付きふの伸のびに期待きたいしている」と話はなしています。

取手とりで市しでは、品薄しなうすの影響えいきょうで返礼へんれい品ひんのコメに人気にんきが集あつまり、コメを対象たいしょうとした寄付きふは8月つきまでですでに昨年度さくねんど1年間ねんかん分ぶんの件数けんすうや金額きんがくを超こえていて、在庫ざいこ不足ふそくから、8月つき中旬ちゅうじゅん以降いこう、受け付うけつけを停止ていししました。