北朝鮮による弾道ミサイルの発射はことし7月1日以来で、防衛省が警戒と監視を続けています。
防衛省 少なくとも2発 いずれもEEZ外に落下か
防衛省によりますと、12日午前7時10分から14分ごろにかけて、北朝鮮西岸付近から複数の弾道ミサイルが北東の方向に発射されました。
ミサイルのうち少なくとも2発は最高高度が100キロ程度、飛行距離は350キロ以上で、いずれも日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定されています。
この発射による船舶や航空機への被害は確認されていないということです。
北朝鮮が弾道ミサイルや、弾道ミサイルの可能性があるものを発射したのは、7月1日以来でことし10回目です。
防衛省は、これまでのたび重なる発射も含め、一連の行動は日本や国際社会の平和と安全を脅かすものだとして、北朝鮮に対して厳重に抗議するとともに、警戒と監視を続けています。
韓国軍「北朝鮮 短距離弾道ミサイルを数発 発射」
韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が午前7時10分ごろ、首都ピョンヤン付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイルを数発、発射したと発表しました。
北朝鮮による弾道ミサイルの発射はことし7月1日以来で、北朝鮮は当時、「超大型弾頭」を装着できる新型の戦術弾道ミサイル「火星11型」の発射実験を行ったとしていました。
その後、北朝鮮は、韓国を狙う弾道ミサイルの移動式発射台を大量生産して前線部隊に実戦配備すると明らかにしていて、アメリカ軍と韓国軍に対する抑止力を強化する姿勢を示していました。
一方、米韓両軍は8月、定例の合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」を行ったほか、先週は大規模な上陸訓練を報道陣に公開していました。韓国軍は、アメリカ軍とともに飛行距離やミサイルの種類などを詳しく調べています。
岸田首相 迅速・的確な情報提供など指示
北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたことを受けて、岸田総理大臣は、
▽情報の収集と分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、
▽航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、
▽不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。
船舶への被害情報なし
北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたことを受け、海上保安庁が日本周辺の海域で被害などの確認を進めていますが、これまでのところ船舶への被害の情報は入っていないということです。