東京とうきょう 日野ひの イチョウの枝えだ落下らっかし男性だんせい死亡しぼう 枝えだが次々つぎつぎに折おれたか

上うえの枝えだが下したの枝えだを巻き込まきこみながら次々つぎつぎに折おれたとみられ、警視庁けいしちょうなどが詳くわしい状況じょうきょうを調しらべています。

12日にち午後ごご6時半じはんすぎ、日野ひの市し多摩平たまだいらの団地だんちの近ちかくにあるイチョウ並木なみきの木きの枝えだが落下らっかし、下したを歩あるいていた市内しないに住すむ36歳さいの男性だんせいが下敷したじきになって死亡しぼうしました。

これまでの調しらべで1本ほんのイチョウの木きから長ながさ数すうメートルの枝えだが複数ふくすう折おれて落下らっかしたことがわかっていますが、その箇所かしょを確認かくにんしたところ、少すくなくとも6本ほんの枝えだが折おれていたことが警視庁けいしちょうへの取材しゅざいでわかりました。

折おれた跡あとは縦たてに連つらなっていて、上うえの枝えだが下したの枝えだを巻き込まきこみながら次々つぎつぎに折おれたとみられています。

このイチョウ並木なみきは団地だんちができた1960年ねんごろからあったとみられ、日野ひの市しが管理かんりし、去年きょねん11月つきにせんてい作業さぎょうが行おこなわれたほか、ことし7月つきには職員しょくいんが目視もくしで点検てんけんしていたということです。

警視庁けいしちょうなどは枝えだが折おれた原因げんいんなど詳くわしい状況じょうきょうを調しらべています。

日野ひの市し「7月つきの点検てんけんでは異常いじょう見みられず」

事故じこが起おきた「多摩平たまだいら第だい2緑地りょくち」を管理かんりする日野ひの市しの担当たんとう課かによりますと、1960年ねんごろから周辺しゅうへんに団地だんちが形成けいせいされ、少すくなくともその時期じきからイチョウ並木なみきもあったとみられています。

2000年ねんごろから再さい開発かいはつが進すすめられましたが「並木なみきを残のこしてほしい」という市民しみんの要望ようぼうが強つよかったことから、景観けいかんを保全ほぜんする形かたちで、市しが管理かんりを続つづけてきたということです。

委託いたくを受うけた造園ぞうえん業者ぎょうしゃが、定期ていき的てきに緑地りょくちの草刈くさかりや枝えだの剪定せんていを行おこなっていて、市しは、最近さいきんでは去年きょねん11月つきに並木なみきの剪定せんていが行おこなわれたとしています。

また、並木なみきには大木たいぼくが多おおく、下部かぶの枝えだに日光にっこうが当あたらずに枯かれやすい傾向けいこうがあったことから、ことし7月つきに市しの職員しょくいんが目視もくしで点検てんけんを行おこない、倒木とうぼくのおそれや枯かれた枝えだが無ないかを確認かくにんしましたが、市しは「その際さいに異常いじょうはみられなかった」と説明せつめいしています。

一方いっぽう、「枝えだが伸のび過すぎている」という市民しみんからの苦情くじょうや相談そうだんが寄よせられていたことから、イチョウの葉はが落おちる秋あき以降いこうをメドに、枝えだを選定せんていする時期じきについて調整ちょうせいしていたということです。

今回こんかいの事故じこを受うけ、日野ひの市しは市内しないの緑地りょくちに職員しょくいんを出だして、緊急きんきゅう点検てんけんを行おこなっているということです。

日野ひの市しの大坪おおつぼ冬ふゆ彦市ひこいち長ちょうは「市しが管理かんりする敷地しきち内ないの事故じこであり、ご本人ほんにんとご家族かぞくに対にたいし、深ふかくおわび申し上もうしあげます。再発さいはつ防止ぼうしに向むけて、全力ぜんりょくで取り組とりくんでまいります」とコメントしています。

住民じゅうみん「行政ぎょうせいしっかり管理かんりしてほしい」

イチョウの木きがある緑地りょくちの近ちかくの公園こうえんで清掃せいそうをしていた男性だんせいは「風かぜも吹ふいていなかったのに、びっくりしました。近ちかくに駅えきや病院びょういんがあり、お年寄としよりや子こどもも歩あるいています。心配しんぱいで歩あるけなくなってしまうので、行政ぎょうせいがしっかりと管理かんりしてほしい」と話はなしていました。

近ちかくに住すむ60代だいの女性じょせいは「亡なくなった男性だんせいが気の毒きのどくです。もう何なん秒びょうか違ちがったらこんなことにはならなかったはずで、本当ほんとうに痛いたましい。自分じぶんが子こどもの時ときからある木きなので、樹齢じゅれいは50年ねんを超こえていると思おもいますが、皮かわが剥はがれそうになっている様子ようすもあり、気きになっていました」と話はなしていました。

樹木じゅもく医い「イチョウの実みの重おもみが原因げんいんか」

13日にち午前ごぜん、現地げんち調査ちょうさに訪おとずれていた日本にっぽん樹木じゅもく医い会かいの小林こばやし明あきら理事りじは、イチョウの木きは、毎年まいとし9月つき中旬ちゅうじゅんのこの時期じきに実みが大おおきくなり、枝えだが最もっとも重おもくなるとした上うえで「枝えだが折おれたのは、実みがなるメスの木きで、実みの重おもさで枝えだが落おちた可能かのう性せいがある。イチョウは木きの上部じょうぶほど多おおくの実みが成なりやすく、まず1番ばん上じょうの枝えだが重おもみで折おれて下したの枝えだにぶつかり、下したの枝えだが次々つぎつぎ折おれていったのではないか」と話はなしました。

その上うえで「戦後せんごの時期じきに植うえられた木きが大おおきくなり倒たおれたり枝えだが折おれたりするリスクは高たかまっている。樹木じゅもくに人ひとが巻き込まきこまれる事故じこはほかにも起おきていて、高たかくなりすぎたり、枝えだが横よこに広ひろがりすぎたりしている場合ばあいは、行政ぎょうせいなどの管理かんり者しゃが早はやめに対応たいおうすることが必要ひつようだ。住民じゅうみんも危険きけんを感かんじるような場合ばあいには、管理かんり者しゃに伝つたえてほしい」と話はなしていました。

国土こくど交通こうつう大臣だいじん「公園こうえん管理かんり者しゃに注意ちゅうい喚起かんき行いっていきたい」

東京とうきょう・日野ひの市しでイチョウの木きの枝えだが落下らっかし、下敷したじきになった男性だんせいが死亡しぼうした事故じこを受うけ、斉藤さいとう国土こくど交通こうつう大臣だいじんは、13日にちの閣議かくぎのあとの会見かいけんで「お亡なくなりになった方ほうに心こころからお悔おくやみ申し上もうしあげます。樹木じゅもくが日野ひの市しが管理かんりする都市とし公園こうえん内ないにあることから事実じじつ関係かんけいなどを把握はあくし、各かく公園こうえんの管理かんり者しゃに対にたいし、必要ひつような注意ちゅうい喚起かんきを行おこなっていきたい」と述のべました。

そのうえで「広島ひろしまでも大おおきな街路がいろ樹じゅが倒たおれたことがあり、それを受うけて国土こくど交通こうつう省しょうの都市とし局きょくを軸じくに注意ちゅうい喚起かんきをしていたところだったが、今回こんかい、死亡しぼう事故じこという大変たいへん重おもたい事態じたいになり、どのような形かたちで樹木じゅもく管理かんりを行おこなっていけばよいか考かんがえさせていただきたい」と話はなしました。