ことしの日経にっけい平均へいきん株価かぶかの終値おわりねは3万まん3000円えん台だいと、年末ねんまつとしては1989年ねん以来いらいの水準すいじゅんとなり、出席しゅっせきした証券しょうけん関係かんけい者しゃらが来年らいねんも株価かぶかの上昇じょうしょうが続つづくことを祈念きねんしました。

ことしの東京とうきょう株式かぶしき市場しじょうは、企業きぎょう業績ぎょうせきが堅調けんちょうだったことなどから、日経にっけい平均へいきん株価かぶかの終値おわりねが3万まん3464円えん17銭せんと、年末ねんまつとしては1989年ねん以来いらい、34年ねんぶりの水準すいじゅんとなりました。

ことし最後さいごの取り引とりひきのあとに開ひらかれた大納会だいのうかいで、日本にっぽん取引とりひき所しょグループの山道さんどう裕己ひろみCEOが「ことしの株価かぶかの上昇じょうしょうには、コロナ禍かからの正常せいじょう化かや、地政学ちせいがくリスクを受うけた日本にっぽんへの資金しきんシフト、それに好調こうちょうな企業きぎょう業績ぎょうせきと設備せつび投資とうしへの意欲いよくの高たかまりが寄与きよしている。来年らいねんは、新しんNISAが始はじまり、貯蓄ちょちくから投資とうしへの流ながれが大おおきく加速かそくする1年ねんになる」と来年らいねんへの期待きたいを述のべました。

続つづいて、ことし、野球やきゅうのWBCで監督かんとくとして日本にっぽん代表だいひょうを世界一せかいいちに導みちびいた栗山くりやま英樹ひできさんが「3月つきのWBCで私わたしは日本にっぽんの底力そこぢからを信しんじていました。来年らいねんこそは、世界せかいが日本にっぽんの経済けいざいに憧あこがれる、そういう存在そんざいになってくれると信しんじています」とあいさつしました。

あいさつの後のち、栗山くりやまさんは五穀豊ごこくほうじょうにあやかり、取引とりひき所しょの鐘かねをあわせて5回かい鳴ならして来年らいねんの株価かぶか上昇じょうしょうを願ねがいました。

そして最後さいごに参加さんか者しゃ全員ぜんいんが恒例こうれいの「手て締しめ」をして、ことし1年ねんの取り引とりひきを締しめくくりました。

うさぎ年ねんのことし 株価かぶかはおおむね上昇じょうしょう基調きちょう

株式かぶしき市場しじょうの格言かくげんに「うさぎ跳はねる」とありますが、うさぎ年ねんのことし、株価かぶかはおおむね上昇じょうしょう基調きちょうをたどりました。

日経にっけい平均へいきん株価かぶかはことし初はじめ、2万まん5000円えん台だいでスタートしたあと上昇じょうしょう傾向けいこうが続つづき、3月つき6日にちに終値おわりねで2万まん8000円えん台だいを回復かいふくしました。

日銀にちぎんが4月つき、植田うえだ総裁そうさいのもとで初はじめて開ひらいた金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうで金融きんゆう緩和かんわ策さくの維持いじを決きめたことや、5月つきの決算けっさん発表はっぴょうで企業きぎょうの業績ぎょうせきが好調こうちょうだったことなどから、その後そのごも株価かぶかは上昇じょうしょうします。

5月つき17日にちにはおととし9月つき以来いらい、1年ねん8か月かげつぶりに3万まん円えんを突破とっぱ。

さらに、アメリカのFRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいが利上りあげを見送みおくるという観測かんそくが広ひろがったことや、日銀にちぎんが金融きんゆう緩和かんわ策さくを継続けいぞくするという見方みかたが出でたことから、6月つき13日にちにはバブル期きの1990年ねん以来いらい、およそ33年ねんぶりとなる3万まん3000円えん台だいを回復かいふくしました。

ただ、8月つきには大手おおて格付かくづけ会社かいしゃがアメリカ国債こくさいの格付かくづけを1段階だんかい引き下ひきさげたことや、中国ちゅうごくの不動産ふどうさん大手おおてがアメリカの裁判所さいばんしょに連邦れんぽう破産はさん法ほうの適用てきようを申請しんせいしたことで海外かいがい経済けいざいの先行さきゆきへの懸念けねんが広ひろがり、株価かぶかは3万まん1000円えん台だいに下落げらく。

10月つきにはアメリカの長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょうやイスラエルとハマスの軍事ぐんじ衝突しょうとつなどを受うけて、投資とうし家かの心理しんりが悪化あっかし、3万まん1000円えんを割り込わりこみました。

しかし、11月つきに入はいると日本にっぽん企業きぎょうの中間ちゅうかん決算けっさんで堅調けんちょうな企業きぎょう業績ぎょうせきが改あらためて確認かくにんされ、株価かぶかは反転はんてんします。

アメリカでインフレの鈍化どんかを示しめす経済けいざい指標しひょうが相次あいつぎ、FRBが来年らいねん、利下りさげに転てんじるという見方みかたが広ひろがったことや、アメリカ経済けいざいが景気けいき後退こうたいに陥おちいることなくインフレを抑え込おさえこむ「ソフトランディング」を実現じつげんするという期待きたいが高たかまったことで、日経にっけい平均へいきん株価かぶかは年末ねんまつにかけて再ふたたび3万まん3000円えん台だいに上昇じょうしょうしました。

12月つき29日にちの終値おわりねは3万まん3464円えん17銭せんと、去年きょねんの年末ねんまつと比くらべると7369円えんあまり、率りつにして28.2％値上ねあがりし、日銀にちぎんが異い次元じげん緩和かんわ策さくを導入どうにゅうした2013年ねん以来いらいの高たかい上昇じょうしょう率りつとなりました。

ことしの円えん相場そうば 投資とうし家かの思惑おもわくで大おおきく動うごく

外国がいこく為替かわせ市場しじょう、ことしの円えん相場そうばは、日本にっぽんとアメリカの金融きんゆう政策せいさくをめぐる投資とうし家かの思惑おもわくで大おおきく動うごきました。

東京とうきょう市場しじょうの初日しょにちは1ドル＝131円えん台だいでスタートしました。

日銀にちぎんが去年きょねん12月つきの金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうで長期ちょうき金利きんりの変動へんどう幅はばの拡大かくだいを容認ようにんしたことから、日にち米べいの金利きんり差さの縮小しゅくしょうが意識いしきされ、1月つき中旬ちゅうじゅんには1ドル＝127円えん台だい前半ぜんはんをつけました。

これが、ことし最もっとも円えん高だかが進すすんだ水準すいじゅんでした。

しかし、その後そのごはアメリカでインフレが長期ちょうき化かし、金融きんゆう引き締ひきしめが強つよまるとの見方みかたから、円えん安やす方向ほうこうに転てんじます。

円えん相場そうばはことし5月つき下旬げじゅんに1ドル＝140円えん台だい、6月つき下旬げじゅんには145円えん台だいまで値下ねさがりしました。

日銀にちぎんは7月つき下旬げじゅん、長期ちょうき金利きんりの一段いちだんの上昇じょうしょうを容認ようにん。無理むりに金利きんりを抑え込おさえこまないことで為替かわせ市場しじょうの過度かどな変動へんどうを抑おさえるねらいもありましたが、円えん安やす傾向けいこうに歯止はどめはかかりませんでした。

背景はいけいにはアメリカの長期ちょうき金利きんりが日銀にちぎんの想定そうていを上回うわまわるスピードで上昇じょうしょうを続つづけたことがあります。

そして、FRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいのパウエル議長ぎちょうが市場しじょうで広ひろがっていた利上りあげ終結しゅうけつの観測かんそくをけん制けんせいしたことなどから円えん相場そうばは11月つき中旬ちゅうじゅん、1ドル＝151円えん台だい後半こうはんまで円えん安やすが進すすむ場面ばめんもありました。

その後そのご、アメリカの長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょう傾向けいこうが一服いっぷくし、日銀にちぎんが今いまの大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ策さくを修正しゅうせいするのではないかという見方みかたが広ひろがったため、じわじわと円えん高だかが進すすみ、足元あしもとでは1ドル＝141円えん台だいで取り引とりひきされています。

来年らいねんは、日銀にちぎんが金融きんゆう緩和かんわ策さくを転換てんかんするのかやアメリカが利下りさげに動うごくのかが焦点しょうてんとなっていて、円えん相場そうばは、引き続ひきつづき、日にち米べいの金融きんゆう政策せいさくの動向どうこうに左右さゆうされそうです。

【QA】2024年ねんの株価かぶかは? 専門せんもん家かに聞きく

2023年ねんの株価かぶかの動うごきと2024年ねんの株価かぶかの注目ちゅうもく点てんについて、みずほ証券しょうけんの小林こばやし俊介しゅんすけチーフエコノミストに聞ききました。

Q.2023年ねんは33年ねんぶりに3万まん3000円えん台だいを回復かいふく 背景はいけいは

A.企業きぎょう業績ぎょうせきは最高さいこう益えきを更新こうしんし続つづけていて、バブル期きのような裏付うらづけのない株価かぶかの上昇じょうしょうではないと思おもいます。

コロナ禍かからの経済けいざい活動かつどうの回復かいふくや、円えん安やすによる外需がいじゅの押し上おしあげに加くわえて、賃上ちんあげによって、物価ぶっかと賃金ちんぎんの好こう循環じゅんかんという構造こうぞう的てきな変化へんかが起おこる可能かのう性せいが日本にっぽん経済けいざいに見みえ始はじめたことが、投資とうし家かから評価ひょうかされ株価かぶかの上昇じょうしょうにつながったと考かんがえます。

日本にっぽんの経済けいざい、株価かぶかがようやく『失うしなわれた30年ねん』を乗り越のりこえようとする道みちの途上とじょうなのではないでしょうか。

Q.2024年ねんの株価かぶかを考かんがえる上うえで注目ちゅうもく点てんは

A.2024年ねんはコロナ後ごの経済けいざい活動かつどうの回復かいふくという一過いっか性せいの要因よういんを経へたあとの、日本にっぽん経済けいざいの地力じりきが試ためされると思おもいます。

1為替かわせの先行さきゆきと2製造せいぞう業ぎょうの回復かいふく、3内需ないじゅの動向どうこうの3つが注目ちゅうもく点てんになると思おもいます。

為替かわせについては欧米おうべいでは中央ちゅうおう銀行ぎんこうが利下りさげを開始かいしする一方いっぽう、日銀にちぎんはマイナス金利きんりの解除かいじょがあるかもしれないと言いわれていて、金利きんり差さの縮小しゅくしょうから一定いってい程度ていどの円えん高だかが市場しじょうで予想よそうされています。

それぞれの時期じきや回数かいすう、その速度そくどを注視ちゅうしする必要ひつようがあると思おもいます。

製造せいぞう業ぎょうはことし、自動車じどうしゃが好調こうちょうだった一方いっぽうで、欧米おうべいの利上りあげの影響えいきょうや中国ちゅうごくの回復かいふくの遅おくれにより半導体はんどうたいや機械きかい、素材そざいなどがふるいませんでした。

2024年ねんは欧米おうべいでの利下りさげや中国ちゅうごくの景気けいき回復かいふくがどの程度ていど進すすみ、需要じゅようが回復かいふくするかが、製造せいぞう業ぎょう全体ぜんたいの先行さきゆきを占うらなう上うえで重要じゅうようになります。

内需ないじゅは家計かけいの所得しょとくによって決きまります。来年らいねんの春闘しゅんとうでどの程度ていどの賃金ちんぎん上昇じょうしょう率りつを達成たっせいできるかが、日本にっぽん経済けいざいの足腰あしこしを決きめる最大さいだいの要因よういんで、株価かぶかがどれくらい上昇じょうしょうするかにもつながります。

賃上ちんあげの勢いきおいが続つづき、物価ぶっかが落ち着おちつけば、賃金ちんぎんの上昇じょうしょう率りつが物価ぶっかの上昇じょうしょう率りつを上回うわまわって、家計かけいの実質じっしつの可か処分しょぶん所得しょとくがプラスに転てんじ、消費しょうひが上向うわむく可能かのう性せいが見みえてくるのではないでしょうか。

Q.2024年ねんの株価かぶかを考かんがえる上うえでのリスクとは

A.2024年ねんは政治せいじも非常ひじょうに重要じゅうような年としになります。

1月つきに行おこなわれる台湾たいわん総統そうとう選挙せんきょや、11月つきのアメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょなどの行方ゆくえによっては、経済けいざい政策せいさくの方向ほうこう性せいや世界せかい経済けいざいのトレンドも変かわり、株価かぶかが左右さゆうされる可能かのう性せいがあります。