NHKが各地の自治体や病院などに取材したところ、2日午前6時現在、石川県、新潟県、福井県、富山県、岐阜県の5つの県で、複数の人がけがをし、倒壊した家屋に逃げ遅れた住民が取り残されているという情報もあるということです。
各地の被害について、随時更新してお伝えしています。
《石川県》
“石川県内で6人死亡” 石川県警発表(2日5時時点)
今回の地震で石川県警察本部は2日午前5時の時点で石川県内では10代から90代までの男女あわせて6人の死亡が確認されたと発表しました。
石川県警察本部によりますと今回の地震による死者は2日午前5時の時点で
▽七尾市で50代の男性と女性、それに20代の女性の3人
▽輪島市で10代の男性1人
▽羽咋市で70代の男性1人
▽志賀町で90代の男性1人の、あわせて6人にのぼっています。
また、石川県によりますと、亡くなった6人のうち
▼輪島市の10代の男性は倒壊したビルの下敷きになったということです。
▼七尾市で亡くなった50代の男性は倒れてきた灯篭の下敷きになり
▼七尾市で亡くなった50代の女性と羽咋市の70代の男性は倒壊した家屋の下敷きになったということです。
このほか小松市の80代の女性と、野々市市の10歳未満の女の子のあわせて2人が軽いけがをしたということです。
行方不明者や重傷者については確認中だとしています。
七尾市 公立能登総合病院 33人搬送(1日20時)
震度6強の揺れを観測した七尾市にある公立能登総合病院の災害対策本部によりますと、1日午後8時現在で、33人が搬送されたということです。
このうち▽七尾市の50代の女性の死亡が確認されたほか▽重傷が2人▽軽傷は30人だということで、入院患者や医療関係者、病院のスタッフにけが人はいないということです。
病院によりますと、1日午後8時以降も骨折や切り傷、打撲を負った人たちが次々と救急車で運ばれているということです。
また、病院では地震のあと断水が続き、手術や透析ができなくなっているため、県に給水車の支援を依頼し、2日中に到着する見込みだということです。地震の際に故障して使えなくなった医療機器もあるということで、病院の担当者の女性は「地震がひっきりなしに続き、棚からものが落ちたり、水漏れで水浸しになったりしている。まずは手術ができるよう早急に水が必要です」と話していました。
七尾市の病院 3人搬送 約30人が診察に
震度6強の揺れを観測した七尾市にある恵寿総合病院によりますと、病院の外壁が壊れ、窓ガラスが割れるなどの被害が出ていて、一部の入院患者を別の部屋に移動させる対応をとっているということです。また、病院では、断水の影響で手術や透析ができなくなっているということです。恵寿総合病院には、地震のあと骨折の患者など3人が搬送されたほか、およそ30人が診察を受けに訪れているということです。
穴水町 9棟倒壊 1人が意識不明の情報も
震度6強の揺れを観測した穴水町によりますと、地震で少なくとも9棟の住宅が倒壊するなどし、男性1人が意識不明の重体になっているという情報があるということです。また、少なくとも4人ががれきや土砂に閉じ込められていて、消防が救助にあたっているということです。
輪島市“家屋倒壊の通報50件以上”“意識ない人も”
輪島市を管轄する輪島消防署によりますと「家屋が倒壊した」という通報が50件以上寄せられていて、このうち複数で逃げ遅れた住民が取り残されているという情報があり「意識がない人がいる」という通報もあるということです。
輪島市の市立輪島病院によりますと、骨折したり落ちてきたもので頭をけがしたりした人が複数、搬送されているということです。
石川県内“倒壊家屋に閉じ込められている”通報相次ぐ
▽珠洲警察署によりますと、珠洲市では、倒壊した家屋に人が閉じ込められているという通報が相次いで寄せられているということで、警察や消防が状況の把握を急いでいます。また、珠洲市総合病院には地震でけがをした人たちが相次いで運ばれているということです。
珠洲市の上空から撮影した映像では、珠洲市役所の近くで倒壊した建物が道路をふさいでいました。また寺と見られる建物が大きくつぶれているのも確認できました。そして近くの飯田港では少なくとも10以上の船がひっくり返って船底が見えていたほか、防波堤が広い範囲で崩れていました。
▽能登町の特別養護老人ホーム「こすもす」の職員によりますと、地震の影響で入所者2人が頭に切り傷を負い、看護師の職員の手当てを受けたということです。
▽野々市市では10歳未満の女の子が頭に軽いけがをしたということです。
輪島市中心部で火災 100棟以上が焼けたか 2日8時も消火中
震度6強の揺れを観測した輪島市の中心部にある河井町で、1日午後6時ごろに発生した火災は、14時間以上が経過したいまも消火活動が続いています。消防によりますと、火災が発生したのは観光名所として知られる「朝市通り」周辺で、これまでに店舗や住宅など100棟以上が焼けたとみられるということです。消防は消火活動を続けるとともに、人的被害の状況について確認を進めています。
2日午前7時ごろNHKのヘリコプターから撮影した石川県輪島市の中心部の映像を見ますと、観光名所として知られる「朝市通り」周辺で、複数の場所から炎が出て広い範囲で白い煙が上がり、火災が起きている様子が確認できます。周辺の建物は黒く焦げていて、建物が焼け落ちている場所もあります。
また、7階建てとみられるビルが横向きに倒れている様子も確認できます。ビルの側面には「五島屋」という文字が見えます。消防によりますと輪島市河井町にある輪島塗の老舗の会社のビルが倒壊したという情報があり、確認を進めています。
輪島市 道路寸断で支援物資など不足状態
震度6強の揺れを観測した輪島市に向かう周辺の道路は、地震の影響でほとんどが寸断され通行できなくなっているということです。このため現地に向かっている関係機関の担当者の多くが足止めされ、状況を十分に確認できていないほか、支援物資なども不足している状態だということです。
能登町 住宅から出火 4棟ほどに延焼 被害状況の確認進める
震度6弱の揺れを観測した能登町を管轄する奥能登広域圏事務組合消防本部によりますと、地震のあと、能登町白丸の住宅から火が出て、あわせて4棟ほどが焼ける火災が発生しました。火は、2日午前3時すぎにほぼ消し止められましたが、火災の詳しい状況などは、まだわかっていないということです。消防は人的被害がないかどうか確認を進めています。
志賀町の病院被害で約70人 搬送の必要も輸送方法など検討
今回の地震を受け、石川県では、大規模な災害が起きた際に現場に駆けつけて医療活動を行う災害派遣医療チーム=DMATの活動を支援する本部を立ち上げ、情報収集などにあたっています。県によりますと震度7の揺れを観測した志賀町にある町立富来病院から「病院の建物に被害が出ている」という情報が入ったということで最大でおよそ70人の患者を別の地域に搬送する必要が出てきているということです。
ただ、富来病院から金沢方面に向かう道路は被害が確認されていて、輸送方法やルートについても検討しているということです。県によりますと、複数のDMATがすでに能登地方に到着しているということで、連絡が取れていない病院の状況確認などに当たっているということです。
珠洲市内で住宅火災 けが人の有無など情報収集
震度6強の揺れを観測した珠洲市では、地震のあと住宅で火災が発生していましたが、消防によりますと、2日午前3時ごろ火はほぼ消し止められたということです。火災の詳しい状況などはまだわかっていないということで、警察と消防はけが人の有無などについて情報収集を進めています。
七尾市 ビルの壁の一部が崩落
震度6強の揺れを観測した七尾市ではビルの壁の一部が崩落し、周辺にある駐車場には崩れ落ちた壁が山積みになっています。壁が崩れ落ちたとき、駐車場には車が1台止まっていて、所有者の女性によりますと当時、女性は車から離れていたため、けがはなかったものの、後部座席のガラスが割れたほか、天井がへこんだということです。所有者の女性は「誰も車に乗っていなくてけが人がでなくてよかった。正月早々、大変なことになった」と話していました。
石川県内 家屋倒壊や道路陥没など多数確認
石川県によりますと
▽震度7の揺れを観測した志賀町では家屋の倒壊や断水、道路の陥没などが多数確認されています。
▽震度6強の揺れを観測した
▼七尾市では石崎地区で家屋やブロック塀が倒壊するなどしたということです。
志賀町 倒壊家屋の住人「助け求め神様に祈っていた」
志賀町では基礎部分から大きく崩れた住宅や、屋根が完全に落ち、車や家の家具が潰されている住宅などが複数、確認されました。志賀町徳田地区に住む大久保嘉信さん(80)は崩れた家の中に一時、取り残されたということですが、親戚が消防に通報し、救出されたということです。
大久保さんは愛犬とともに近くで車中泊をしていて「取り残されたときは、死ぬかと思い、助けを求めて神様に祈っていましたが、なんとか引っ張り出してもらいました。持病の薬を家に置いたままにしていて不安です」と話していました。
七尾市能登島 橋が通行止め 支援物資届かず
七尾湾に浮かぶ七尾市能登島にある「能登島地区コミュニティセンター」では2日午前5時の時点で、およそ160人から200人が避難しているということです。七尾市によりますと、能登半島と能登島を結ぶ「能登島大橋」と「ツインブリッジのと」の2本ある橋は、いずれも道路部分が隆起していることなどから通行止めとなっているということです。このため、能登島には支援物資を届けることができず、島内では水や食料、毛布などが不足している状態だということです。
《富山県》
富山県 少なくとも18人けが このうち3人重傷(2日8時)
富山県によりますと、2日午前8時の時点で4つの市の10代から80代のあわせて18人がけがをして、このうち少なくとも3人が重傷だということです。
市町村別では
▽富山市で8人▽黒部市で5人▽高岡市で3人▽射水市で2人だということです。
それぞれの自治体によりますと
▽富山市ではパチンコ店の天井が落下して8人がけがをして、このうち、2人は重傷だということです。
▽黒部市では70代から80代の女性3人が転倒して軽いけがをしたほか、10代の男性と50代の男性の2人が体調不良を訴えて、病院に搬送されたということです。
▽高岡市では▼20代の女性が避難所に行く際に転倒して軽いけがをしました。▼また70代の男女2人が転倒してけがをしました。
▽射水市では▼80代の女性が自宅の庭で灯ろうの下敷きになって重傷となったほか、▼70代の女性が自宅で倒れてきたタンスに頭をぶつけて軽いけがをしたということです。
氷見市 富山市で建物倒壊の複数情報
▽氷見市によりますと、地震のあと、市役所には建物が崩れたという情報が複数寄せられているということです。氷見警察署によりますと、1日午後4時半現在の情報で、市内の複数の場所で道路に地割れが入っているとの情報がよせられているということです。
▽富山市婦中町では、商業施設の天井に取り付けられた長さ3メートルほどの鉄材が床に落下しました。商業施設によりますと、けが人はなく、店員が客を誘導して店の外に避難させたということです。
氷見市 木造住宅に被害 3人は無事救助
震度5強の揺れを観測した氷見市の北大町では、木造2階建ての住宅が1階部分から崩れていました。消防によりますと倒壊した住宅には当時、60代の男女3人がいたということですが、いずれも無事救出され、けがはないということです。この地区は、古い木造の建物が多く、このほかにも玄関の扉や窓ガラスが壊れている建物が多く見られました。
富山市中心部 水道管破裂や住宅の外壁がはがれ落ちる被害
2日午前5時すぎ、富山市中心部では建物の敷地内で水道管が破裂したことで水が噴き出していたり、2階建ての住宅の外壁がはがれ落ちたりしていました。また、飲食店では、2階の外に設置されていた室外機が壁ごと、はがれてぶら下がり、落下しそうになっているところもありました。
《新潟県》
新潟県内 20人けが(2日8時)
NHKが新潟県内の各自治体に取材したところ、長岡市や上越市などで、あわせて20人がけがなどをしているということです。
▽上越市では6人がけがなどをしました。災害対策本部によりますと、1日午後4時半ごろ、上越市中門前で90歳の女性が地震によるショックで倒れたと消防に通報があり、意識不明の状態で病院に搬送されたということです。また、83歳の女性が避難中にけがをし、86歳の女性は階段から転倒してけがをしたほか、68歳の女性が過呼吸で搬送されていて、地震によるショックとみられています。84歳の女性が転倒して後頭部に軽いけがをしたほか、別の84歳の女性が転倒し、胸にけがをしたということです。
▽長岡市では70代の男性が脚立から落ちて頭にけがをするなど合わせて4人が軽いけがで搬送されました。
▽糸魚川市では60代から80代のあわせて4人が軽傷だということで、詳しい状況を調べています。
▽新潟市では、80代の女性が避難所で転倒し、頭部を打撲して軽いけがをしたほか、50代の男性が体調不良で搬送されたということです。
▽五泉市では、たんすが倒れて男性1人がけがをしたということです。
▽柏崎市の住宅では、トースターが落ちて10代の女性の頭にあたり、軽いけがをしたほか、80代の男性が自宅の手すりに胸や目をぶつけて軽いけがをしたということです。
▽三条市では70代の男性が避難中に転倒して軽いけがをしたということです。
糸魚川市の漁港で1隻の漁船が沈没 津波の影響か
第9管区海上保安本部によりますと、糸魚川市の市振漁港で1隻の漁船が沈没していたのを警戒中の航空機が確認したということです。津波の影響とみられ、人の被害に関する情報や通報などは確認されていないということですが、第9管区海上保安本部は巡視船などを使って現場の状況の確認を進めています。
新潟県内 液状化や住宅損壊などの被害
▽新潟市によりますと、中央区の白山駅付近や西区の善久地区など広い範囲で液状化とみられる現象が発生し、道路が陥没するなどの被害が出ているということです。
▽柏崎市では市道の一部で道路に亀裂や段差が入ったということです。
▽刈羽村でも道路の陥没が確認されているということです。
▽妙高市や糸魚川市では住宅の一部が損壊したほか
▽燕市や佐渡市、五泉市、三条市、それに加茂市でブロック塀が崩れるなどの被害が出ているということです。
▽上越市では建物の被害が少なくとも28件確認されているほか、国道8号ののり面が崩れたということです。
▽2日午前5時半ごろ新潟市内では、道路の表面がめくれ上がり水があふれ出している様子や住宅の外壁が倒れかかっている様子、それに、液状化とみられる現象で泥の中に車の一部が埋まっている様子もNHKの取材で確認できました。
《福井県》
福井県内 少なくとも6人けが(2日8時)
福井県内の消防や自治体によりますと、地震の影響で2日午前8時の時点で、少なくともあわせて6人がけがをしているということです。いずれもけがの程度は軽いということです。
▽嶺北消防組合によりますと、あわら市では90代の女性が家具の上のものが地震の揺れで落ちて肩を打つなど、あわせて3人が軽いけがをしたということです。
▽福井市によりますと▼市内の80代の男性が転倒して軽いけがをしました。また▼20代の女性がJRの車内で気分が悪くなり、病院に搬送されましたが症状は軽いということです。
▽さらに、鯖江・丹生消防組合によりますと、越前町の90代の男性が、地震の揺れで転倒し腰を打つ軽いけがをしたということです。
《岐阜県》
大垣市 50代の女性が転倒しけが
大垣市内で屋内にいた50代の女性が揺れの影響で転倒して頭に軽いけがをし、市内の医療機関に搬送されたということです。