30日の最新の動きを随時更新してお伝えしています。
米軍オスプレイ 墜落情報 1人死亡
第10管区海上保安本部によりますと、29日午後2時47分ごろ、鹿児島県の屋久島沖で「オスプレイが墜落した」という通報があり、島の東側にある安房港の北北東およそ3キロの海上で機体とみられる灰色の多数の残骸が見つかりました。
オスプレイは東京のアメリカ軍横田基地に所属するCV22オスプレイで、防衛省によりますと29日午後2時40分ごろ鹿児島県の屋久島の沖合で自衛隊のレーダーから航跡が消えたということです。
その後、乗っていたとみられる男性1人が見つかり、海上保安官が救助しましたが死亡が確認されました。
この事故で第10管区海上保安本部は、オスプレイの乗組員を6人と発表していましたが、関係機関からの情報を受けて、乗っていたのは8人と訂正しました。
海上保安本部によりますと、付近の海上で見つかった救命いかだに人が乗っていた形跡は確認されなかったということです。
海上保安本部などは死亡した1人の身元の確認を進めるとともに、巡視船やヘリコプターなどで捜索を続けています。
米軍 「通常の訓練中に事故に巻き込まれた」
アメリカ空軍はNHKの取材に対し「オスプレイは通常の訓練中に事故に巻き込まれた。乗組員の状況は現時点ではわかっていない。軍の救急要員が現場で捜索と救助活動にあたっている。事故の原因は現時点ではわかっていない」とコメントしています。
近くの住民「火を噴きながらまっすぐ落下」
オスプレイが墜落したとみられる現場海域に近い、屋久島町小瀬田の70代の女性は「ヘリコプターの音がいつもと異なりおかしいなと感じてベランダに出て見ると、機体から火が見えて旋回しているような感じでした。プロペラか何かが分解したような感じで火を噴きながらまっすぐ落ちていきました。機体自体に火がついているのにびっくりして恐ろしかったです」と話していました。
また、同じ地区に住む50代の男性は「いつもと違うエンジン音を聞いたので、空港の沖合を見ると、左側のエンジンからオレンジ色の炎を出しているオスプレイが見えて、それと同時に2回転ぐらい旋回して背面のまま落下していきました。そのあと、ドーンという音がして黒煙があがり地響きもしました。一瞬、自分の家の方に向かってくるかと感じました。海上にはオレンジ色の救命いかだと破片らしきものが4つぐらいあり、それを見て海上保安庁に通報しました」と話していました。
政府 オスプレイ飛行停止の要求含め対応検討を急ぐ
岸田総理大臣は29日夜、事故を受けた対応について「まずは人命救助に全力を尽くす。アメリカ軍にも協力してもらい、事故の実態を確認した上で、何が必要で何が求められるのか考える」と述べました。
関係者によりますと日本政府は、アメリカ側にオスプレイの飛行の一時停止を求めることも含め対応の検討を急いでいるということです。政府としては、事故に至るまでの経緯や詳しい状況などアメリカ側の説明も踏まえて最終判断することにしています。
海上保安本部 捜索にあたる巡視船の映像公開
第10管区海上保安本部は、現場海域の捜索にあたっている巡視船「たかちほ」が29日午後5時ごろに撮影した1分ほどの映像を公開しました。映像ではオレンジ色の救命いかだが海上に浮かんでいる様子や、巡視船の乗組員1人が乗り込んで中を調べる様子が写されています。また「U.S.A」という文字や、「20人乗りの救命いかだ」を意味する英語などが記載された袋も写されています。
第10管区海上保安本部によりますと、人が乗っていた形跡は確認されなかったということです。
◆鹿児島 米軍用機の民間空港への着陸数 全国最多
鹿児島県では離島を中心に近年、オスプレイなどアメリカの軍用機が着陸する回数が多くなっています。
去年はアメリカの軍用機の屋久島空港への着陸は確認されていませんが
▽奄美空港では50回
▽種子島空港では49回
▽与論空港では12回と、
鹿児島県内の民間空港への着陸回数はあわせて111回に上っていて、国土交通省が統計を明らかにした過去10年で最も多くなっています。この合計数はです。
アメリカ軍のオスプレイの飛来はことしに入ってからも相次いでいて、ことし9月には飛行中に警告灯が表示されたため奄美空港に予防着陸したほか、10月にも同様の理由で徳之島空港に緊急着陸しています。