脚本きゃくほん家か 山田やまだ太一たいちさん死去しきょ 89歳さい 数多かずおおくの名作めいさくドラマ手てがける

山田やまだ太一たいちさんは東京とうきょう 浅草あさくさ生うまれ、早稲田わせだ大学だいがくを卒業そつぎょう後ごに松竹しょうちくに入はいり、木下きのした恵めぐみ介かい監督かんとくの助じょ監督かんとくとして映画えいが作づくりに携たずさわりました。

そして、1965年ねんには脚本きゃくほん家かとして独立どくりつし、1976年ねんからNHKで放送ほうそうされた「男おとこたちの旅路たびじ」は、鶴田つるた浩二こうじさん演えんじる元もと特攻隊とっこうたいの警備けいび員いんと戦後せんご生うまれの若者わかものが世代せだい間かんのギャップから激はげしくぶつかり合あいさまざまな社会しゃかい問題もんだいを浮き彫うきぼりにした作品さくひんで、大おおきな反響はんきょうを呼よびました。

また、学歴がくれきや容姿ようしに劣等れっとう感かんを抱いだく若者わかものたちを描えがいた「ふぞろいの林檎りんごたち」をはじめ「岸辺きしべのアルバム」、「早春そうしゅんスケッチブック」など数すう多おおくの名作めいさくドラマを手てがけました。

山田やまださんのシナリオはすべてオリジナルの作品さくひんで、同どう時代じだいの倉本くらもと聰さとしさんや向田むかいだ邦子くにこさんとともにそれまで地位ちいが低ひくかったシナリオライターの社会しゃかい的てき地位ちいを高たかめました。

一方いっぽう、映画えいが化かもされた小説しょうせつ「異人いじんたちとの夏なつ」では山本やまもと周五郎しゅうごろう賞しょうを受賞じゅしょうするなど小説しょうせつやエッセーでも高たかい評価ひょうかを受うけています。

近年きんねん、山田やまださんは、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいをテーマにしたドラマを手てがけるなどしていましたが、6年ねん前まえに脳のう出血しゅっけつで倒たおれたのをきっかけに執筆しっぴつ活動かつどうをやめていました。

その後そのごは、川崎かわさき市内しないの施設しせつで過すごしていましたが、先月せんげつ29日にち、老衰ろうすいのため亡なくなりました。

89歳さいでした。

山田やまださんの家族かぞくがコメント「楽たのしく優やさしい父ちち」

脚本きゃくほん家かの山田やまだ太一たいちさんが亡なくなったことについて山田やまださんの家族かぞくがコメントを発表はっぴょうしました。

コメントでは「とても安やすらかで静しずかな旅立たびだちでした。山田やまだは仕事しごとに対にたいしては常つねに厳きびしく真剣しんけんでしたが、私わたしたち家族かぞくにはユーモアにあふれ、楽たのしく優やさしい父ちちとして心こころに残のこっています。ファンの皆様みなさま、メディアの皆様みなさま、長ながい間ま、父ちちを支ささえていただき、誠まことにありがとうございました。これからも父ちちの作品さくひんを楽たのしんでいただけたら幸さいわいです」などとしています。