【随時ずいじ更新こうしん】“戦闘せんとう再開さいかい後ご170人にん以上いじょう死亡しぼう” ガザ地区ちくの保健ほけん当局とうきょく

イスラエル軍ぐんは、合意ごういに基もとづく戦闘せんとう休止きゅうしの期限きげんが過すぎた現地げんち時間じかんの1日にち朝あさ、SNSで「ハマスが合意ごういを破やぶり、さらにイスラエルに向むかってロケット弾だんを発射はっしゃした」などとしてハマスへの軍事ぐんじ作戦さくせんを再開さいかいしたと発表はっぴょうしました。

イスラエル軍ぐんはその後そのご、SNSで南部なんぶのラファやハンユニスを含ふくむガザ地区ちく各地かくちで200以上いじょうの標的ひょうてきに対にたいして攻撃こうげきを行おこなったと明あきらかにし、テロ活動かつどうの拠点きょてんへの空爆くうばくの様子ようすだとする映像えいぞうも公開こうかいしました。

ガザ地区ちくの保健ほけん当局とうきょくは戦闘せんとう再開さいかい後ご、178人にんが死亡しぼうし、けが人けがにんは589人にんにのぼっているとしています。

NHKガザ事務所じむしょカメラマン「ラファ周辺しゅうへんで10回かい以上いじょうの空爆くうばく」

NHKガザ事務所じむしょのカメラマンがガザ地区ちく南部なんぶラファ市内しないにある難民なんみんキャンプで撮影さつえいした映像えいぞうではイスラエル軍ぐんによるとみられる攻撃こうげきで煙けむりが上あがり、多おおくの人ひとが集あつまってがれきのなかに閉じ込とじこめられた住民じゅうみんを助け出たすけだそうとする様子ようすが確認かくにんできます。

カメラマンは「ラファ周辺しゅうへんでは戦闘せんとう再開さいかい後ご1日にちの午前ごぜん中ちゅうだけで10回かい以上いじょうの空爆くうばくがあった。戦闘せんとうの休止きゅうし前まえよりも激はげしいペースだった」と話はなしています。

ハマス“民間みんかん人じんを標的ひょうてきにする敵てきに立ち向たちむかう”

ハマスはSNSを更新こうしんし「民間みんかん人じんを標的ひょうてきにする敵てきに立ち向たちむかう」などと徹底てってい抗戦こうせんの姿勢しせいを示しめしました。

また、ハマスの軍事ぐんじ部門ぶもんカッサム旅団りょだんは民間みんかん人じんへの攻撃こうげきに対にたいする報復ほうふくとしてガザ地区ちくとの境界きょうかいに近ちかいイスラエル南部なんぶのスデロットなどにロケット弾だんによる攻撃こうげきを行おこなったとSNSに投稿とうこうし、今後こんご、戦闘せんとうが激はげしくなるおそれがあります。

また、戦闘せんとうの再開さいかいによって支援しえん物資ぶっしの搬入はんにゅうなどに影響えいきょうが出でるおそれもあるほか、イスラエル軍ぐんは、多おおくの住民じゅうみんが避難ひなんしているガザ地区ちく南部なんぶにも侵攻しんこうする構かまえを見みせていて、犠牲ぎせい者しゃがさらに増ふえることが懸念けねんされます。

イスラエルとハマスは先月せんげつ24日にちから戦闘せんとうを休止きゅうしし、1日にちまでにハマス側がわがガザ地区ちくで拘束こうそくしていたイスラエル人じんと外国がいこく籍せきの人質ひとじち合あわせて105人にんを解放かいほうした一方いっぽう、イスラエルも刑務所けいむしょに収容しゅうようしていたパレスチナ人じん240人にんを釈放しゃくほうしましたが、戦闘せんとうの休止きゅうしは7日間にちかんで終おわりました。

ガザ地区ちく南部なんぶのナセル病院びょういん 救急きゅうきゅう車しゃ次々つぎつぎと負傷ふしょう者しゃ搬送はんそう

イスラエル軍ぐんが軍事ぐんじ作戦さくせんを再開さいかいした1日にち、ロイター通信ろいた-つうしんが配信はいしんした映像えいぞうでは攻撃こうげきが行おこなわれたガザ地区ちく南部なんぶのハンユニスにあるナセル病院びょういんに救急きゅうきゅう車しゃが次々つぎつぎに入はいっていく様子ようすが確認かくにんできます。

病院びょういん内ないの映像えいぞうでは、足あしに包帯ほうたいを巻まいた女の子おんなのこが抱かかえられながら運び込はこびこまれたり、灰色はいいろの粉ふんじんで顔かおが覆おおわれた赤あかちゃんが手当てあてを受うけたりする姿すがたが写うつされています。治療ちりょうを受うけている女の子おんなのこは、「母ははと弟おとうとと一緒いっしょにいました。兄あにがどこにいるのかも分わかりません」と涙なみだを流ながしながら話はなしていました。

イスラエル 人質ひとじちの家族かぞくや支援しえん者しゃ 軍事ぐんじ作戦さくせん再開さいかいを批判ひはん

イスラエル軍ぐんがガザ地区ちくでの軍事ぐんじ作戦さくせんを再開さいかいしたことに、イスラエルでは人質ひとじちの家族かぞくや支援しえん者しゃから批判ひはんも上あがっています。

イスラエル政府せいふは外国がいこく籍せきを含ふくむ137人にんがいまだにハマス側がわの人質ひとじちになっているとしていて、イスラエル最大さいだいの商業しょうぎょう都市としテルアビブ中心ちゅうしん部ぶの広場ひろばには市民しみんが連日れんじつ集あつまり、人質ひとじちが無事ぶじに解放かいほうされることを願ねがって歌うたを歌うたったり、ろうそくをともしたりしています。

イスラエル軍ぐんがガザ地区ちくでの戦闘せんとうを再開さいかいした1日にちは、家族かぞくや支援しえん者しゃおよそ20人にんがまだ解放かいほうされていない人質ひとじちの写真しゃしんや「全員ぜんいんが戻もどるまで戦たたかいをやめろ」などと書かかれた横断幕おうだんまくを掲かかげて、戦闘せんとうの中止ちゅうしを訴うったえました。

このうち、親族しんぞくが人質ひとじちにとられているという男性だんせいは「いずれハマスを壊滅かいめつしなければならないのは理解りかいしているが、人質ひとじち全員ぜんいんを取り戻とりもどすまで数すう週間しゅうかん、あるいは数すうか月かげつ待まてるはずだ」と話はなしていました。

同様どうように、親族しんぞくが解放かいほうされていないという女性じょせいは「これまでの合意ごういをもう少もうすこし続つづければより多おおくの人質ひとじちを取り戻とりもどせると期待きたいしていたので、残念ざんねんです。拘束こうそくされている人ひとたちの健康けんこう状態じょうたいがとても心配しんぱいです」と涙なみだを流ながしながら話はなしていました。

また、かつてイスラエル空軍くうぐんのパイロットだったという男性だんせいは「イスラエルは独裁どくさい政権せいけんではなく政府せいふは国民こくみんのためにあるはずだ。軍事ぐんじ作戦さくせんを直ただちにやめ、人質ひとじち全員ぜんいんの解放かいほうを求もとめるべきだ」と話はなし、政府せいふへの不満ふまんをあらわにしていました。

米べい ブリンケン国務こくむ長官ちょうかん「戦闘せんとう休止きゅうし終了しゅうりょう ハマスが約束やくそくをほご」

イスラエル軍ぐんが軍事ぐんじ作戦さくせんを再開さいかいしたことについてアメリカのブリンケン国務こくむ長官ちょうかんは「ハマスが約束やくそくをほごにしたからだ」と述のべ、イスラエルを支持しじする姿勢しせいを改あらためて示しめしました。

アメリカのブリンケン国務こくむ長官ちょうかんは11月つき30日にちから1日にちにかけて、イスラエル、パレスチナのヨルダン川よるだんがわ西岸せいがん、それにUAE＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうを訪おとずれ、政府せいふ要人ようじんと会談かいだんしました。

一連いちれんの日程にっていを終おえたブリンケン長官ちょうかんは1日にち、UAEで記者きしゃ団だんに対にたいしエルサレムで武装ぶそうした2人にんが市民しみんを銃撃じゅうげきし3人にんが死亡しぼうした事件じけんや、ロケット弾だんの発射はっしゃをあげたうえで「戦闘せんとうの休止きゅうしがなぜ終了しゅうりょうしたかが大切たいせつだ。それはハマスが約束やくそくをほごにしたからだ」と述のべ、イスラム組織そしきハマスが戦闘せんとうの休止きゅうし期間きかん中ちゅうに攻撃こうげきを行おこなったなどとして、戦闘せんとうを再開さいかいしたイスラエルを支持しじする姿勢しせいを改あらためて示しめしました。

また、ブリンケン長官ちょうかんは民間みんかん人じんの保護ほごと人道じんどう支援しえんの継続けいぞくが不可欠ふかけつだと強調きょうちょうした上うえで「イスラエルはきょう速すみやかに、安全あんぜんな場所ばしょの情報じょうほうを提供ていきょうするなどの対策たいさくを取とり始はじめている。イスラエルは民間みんかん人じんを保護ほごするためにあらゆる措置そちを講こうじようと、さまざまな計画けいかくを立たてている」と述のべました。

一方いっぽう、アメリカの有力ゆうりょく紙し、ニューヨーク・タイムズがイスラエルが10月つき7日にちのハマスの攻撃こうげきの情報じょうほうを1年ねん以上いじょう前まえから把握はあくしていたと報ほうじたことについて記者きしゃ団だんから問とわれると「誰だれがいつ何なにを知しっていたか、全容ぜんようを明あきらかにする機会きかいはあるだろう」と述のべました。

パレスチナ赤あか新月しんげつ社しゃ「イスラエル軍ぐんが支援しえん物資ぶっしの搬入はんにゅうを禁止きんし」

パレスチナ赤あか新月しんげつ社しゃは1日にち、SNSで、イスラエル軍ぐんが、ガザ地区ちくとエジプトの境界きょうかいにあるラファ検問けんもん所しょを通つうじた支援しえん物資ぶっしの搬入はんにゅうをできないようにしていると明あきらかにしました。

それによりますと、イスラエル軍ぐんは、ラファ検問けんもん所しょで活動かつどうするすべての団体だんたいに対にたいして、支援しえん物資ぶっしを積つんだトラックのエジプト側がわからガザ地区ちくへの通行つうこうを1日にちから「さらなる通知つうちがあるまで禁止きんしすると通告つうこくした」ということです。

パレスチナ赤あか新月しんげつ社しゃは、支援しえん物資ぶっしの搬入はんにゅうの禁止きんしは、民間みんかん人じんの苦くるしみを悪化あっかさせ、人道じんどう支援しえんを行おこなう団体だんたいがより困難こんなんな課題かだいに直面ちょくめんすることになるとして、できる限かぎり早はやく物資ぶっしの搬入はんにゅうを認みとめるよう求もとめています。

COP28首脳しゅのう級きゅう会合かいごうでも懸念けねんの声こえ

イスラエル・パレスチナ情勢じょうせいについて、気候きこう変動へんどう対策たいさくを話し合はなしあう国連こくれんの会議かいぎ、COP28の首脳しゅのう級きゅう会合かいごうでも、アラブ諸国しょこくの首脳しゅのうなどから懸念けねんの声こえがあがりました。

このうち、中東ちゅうとうのヨルダンのアブドラ国王こくおうは「私わたしたちの周まわりで起おきている人道的じんどうてきな悲劇ひげきと気候きこう変動へんどうを切り離きりはなして語かたることはできないことを、これまで以上いじょうに認識にんしきしなければならない。私わたしたちがこうしている間まにも、パレスチナの人々ひとびとの暮くらしと命いのちは差し迫さしせまった脅威きょういに直面ちょくめんしている。戦争せんそうによる大だい規模きぼな破壊はかいは水みずと食料しょくりょう不足ふそくという環境かんきょう上じょうの脅威きょういをさらに深刻しんこくにしている」と訴うったえました。

そのうえで「気候きこう変動へんどうへの対応たいおうについて話し合はなしあうため、私わたしたちはここに集あつまっているが、最もっとも弱よわい立場たちばの人ひとたちについても話し合はなしあおう」と述のべ、深刻しんこく化かするガザ地区ちくの人道じんどう危機ききへの対応たいおうについてもCOP28で協議きょうぎすべきだという考かんがえを示しめしました。

また、トルコのエルドアン大統領だいとうりょうは「気候きこう危機ききを議論ぎろんする一方いっぽうで、私わたしたちのすぐ隣となりのパレスチナで起おきている人道じんどう危機ききを無視むしすることはできない。1万まん6000人にん以上いじょうの罪つみのない民間みんかん人じんの命いのちを奪うばったイスラエルの攻撃こうげきは、その大だい多数たすうが子こどもと女性じょせいであり、決けっして正当せいとう化かされるものではない」として、ガザ地区ちくへの攻撃こうげきを行おこなっているイスラエルを非難ひなんしました。

さらにヨーロッパのスロベニアのムサル大統領だいとうりょうは「ガザやウクライナでは壊滅かいめつ的てきな人道的じんどうてき大だい惨事さんじと生態せいたい学がく的てき災害さいがいとなっている」と述のべ、紛争ふんそうは直接ちょくせつ的てきな人的じんてき被害ひがいに加くわえ、環境かんきょう破壊はかいにもつながっているとして懸念けねんを示しめしました。

イスラエル政府せいふの報道ほうどう官かん “137人にんがいまだに人質ひとじち”

イスラエルがパレスチナのガザ地区ちくへの軍事ぐんじ作戦さくせんを再開さいかいする中なか、イスラエル政府せいふの報道ほうどう官かんは1日にちの会見かいけんでハマスが解放かいほうする人質ひとじちのリストを提出ていしゅつせず1日にち朝あさ、ロケット弾だんを発射はっしゃしたと非難ひなんし、戦闘せんとう休止きゅうしが終おわったのはハマスの責任せきにんだと主張しゅちょうしました。

会見かいけんで報道ほうどう官かんは「ハマスは義務ぎむづけられていた女性じょせいの人質ひとじち全員ぜんいんと子こどもの解放かいほうをせず、ロケット弾だんの攻撃こうげきを再開さいかいし、戦闘せんとうの休止きゅうしを終おえることを決きめた」と述のべました。

また、外国がいこく籍せきを含ふくむ137人にんがいまだにハマス側がわの人質ひとじちになっていると明あきらかにしました。

内訳うちわけは、子こどもを含ふくむ男性だんせいが117人にん、女性じょせいが20人にんだとしています。

この中なかには75歳さい以上いじょうの人ひとも10人にんいるとしています。

一方いっぽう、戦闘せんとう休止きゅうし期間きかんの前まえも含ふくめこれまでに外国がいこく籍せきを含ふくむ110人にんが解放かいほうされたとしています。