【解説かいせつ】ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうの今後こんご 鍵かぎとなる3つの要素ようそは

ウクライナは、あくまで領土りょうどの完全かんぜんな回復かいふくを求もとめています。

戦場せんじょうで優位ゆういに立たっている以上いじょう、交渉こうしょうで譲歩じょうほをする理由りゆうはない、というのが本音ほんねとみられます。

また、ロシア軍ぐんによるブチャでの住民じゅうみん虐殺ぎゃくさつなど数々かずかずの残虐ざんぎゃく行為こういによって、ウクライナの人々ひとびとの心理しんりにはプーチン政権せいけんに対にたいする憎悪ぞうおと不信ふしん感かんがすり込すりこまれています。

ウクライナの領土りょうどにロシア軍ぐんが居座いすわった状態じょうたいで和平わへいを結むすんでしまえば、この先さき、安心あんしんして生いきていくことはできません。

ウクライナが和平わへいを受け入うけいれるには、ロシア軍ぐんが完全かんぜんに撤退てったいし、2度どとウクライナに侵攻しんこうさせないことを国際こくさい的てきに保証ほしょうする仕組しくみを作つくる必要ひつようがあります。

しかし、それはプーチン大統領だいとうりょうが受け入うけいれられるものではありません。

決着けっちゃくは戦場せんじょうでつけるしかない、双方そうほうともそう覚悟かくごしているとみられます。

では、来年らいねんも続つづく戦争せんそうの行方ゆくえはどうなっていくのか。

イギリスBBCは、5人にんの軍事ぐんじ専門せんもん家かに展望てんぼうを聞きいています。

5人にん中ちゅう2人にんが、来年らいねん中ちゅうにウクライナが勝利しょうりすると予想よそう。

3人にんは、戦争せんそうの終おわりはまだ見みえないとの趣旨しゅしのコメントをしています。

5人にんの見立みたてをまとめると、戦争せんそうの行方ゆくえを左右さゆうするカギとなるのは次つぎの3つの要素ようそと考かんがえられます。

1つめは、ウクライナの兵士へいしや国民こくみんが戦たたかい続つづける意志いしをどこまで保たもち続つづけられるかという点てんです。

厳きびしい寒さむさの中なかでの戦たたかいや、電力でんりょくインフラなどをねらったロシアの攻撃こうげきは　来年らいねんも続つづく見通みとおしです。

しかし、これについては、5人にんの専門せんもん家かのほとんどがウクライナ国民こくみんの戦意せんいと抵抗ていこう力りょくは引き続ひきつづき非常ひじょうに強つよいととらえています。

2つ目めはロシアの国内こくない事情じじょう。

これは兵力へいりょくの動員どういんがうまくいくかという点てんと、かさみ続つづける戦争せんそうのコストに耐たえられるかという点てんに分わけられます。

ロシア軍ぐんは動員どういんした兵力へいりょくに訓練くんれんをほどこし、来年らいねん早々そうそうにも大だい規模きぼ攻勢こうせいをしかけてくる可能かのう性せいが指摘してきされています。

この攻勢こうせいが再ふたたび失敗しっぱいするか、成功せいこうするかで、戦争せんそうの行方ゆくえは大おおきく変かわります。

また、戦争せんそうの物的ぶってき、人的じんてきなコストが大おおきくなっていくと、国民こくみん、特とくにプーチン政権せいけんを支ささえるエリート層そうがそれに耐たえきれなくなる可能かのう性せいがあるとの指摘してきも出でています。

こうした2つの要素ようそに大おおきく影響えいきょうするのが、最後さいごの欧米おうべいの支援しえんです。

戦争せんそうが長引ながびいたとしても、欧米おうべいは、インフレに苦くるしむみずからの国民こくみんを説得せっとくし、支援しえんを続つづけられるか。

ロシアを決定けってい的てきな敗北はいぼくに追い込おいこむような武器ぶきの供与きょうよを決断けつだんできるか。

欧米おうべい諸国しょこくや日本にっぽんを含ふくむG7の結束けっそくがますます試ためされることになります。

戦争せんそうが続つづくということはウクライナの人々ひとびとと、戦場せんじょうに駆り出かりだされたロシアの人々ひとびとが血ちを流ながし嘆なげき悲かなしむ状況じょうきょうが、続つづくということです。

戦争せんそうを終おわらせる道みちをなんとか見つけ出みつけだすことが求もとめられています。

（動画どうがは3分ふん50秒びょう。データ放送ほうそうではご覧ごらんになれません）