ゼレンスキー大統領だいとうりょうは、SNS上じょうに公開こうかいしたビデオメッセージで、「歴史れきし的てきな決断けつだんだ。テロ国家こっかの指導しどう者しゃが公式こうしきに戦争せんそう犯罪はんざいの容疑ようぎ者しゃとなった」と述のべ、歓迎かんげいしました。

この中なかでゼレンスキー大統領だいとうりょうは、何なん千せん人にんもの子こどもをロシア側がわに違法いほうに連れ去つれさる行為こういは国くにのトップの命令めいれいがなければ行おこなえないと述のべ、「子こどもたちを家族かぞくから引き離ひきはなし、ロシアの領土りょうど内ないに隠かくす行為こういは、明あきらかにロシアの国策こくさくであり、国家こっか的てき悪事あくじだ」として、プーチン大統領だいとうりょうの責任せきにんを厳きびしく追及ついきゅうしていく姿勢しせいを強調きょうちょうしています。

また、シュミハリ首相しゅしょうもSNSに、「プーチン大統領だいとうりょうに逮捕たいほ状じょうが出だされたことは正義せいぎに向むけた重要じゅうような一いち歩ほだ。この犯罪はんざいやその他そのたの侵略しんりゃくの犯罪はんざいに責任せきにんがあるのはプーチン大統領だいとうりょうだ。テロ国家こっかの指導しどう者しゃは法廷ほうていに出でてウクライナに対にたいして犯おかしたすべての犯罪はんざいについて述のべなければなない」と投稿とうこうしました。

ウクライナ大統領だいとうりょう府ふのイエルマク長官ちょうかんもSNSで「これは始はじまりにすぎない」とコメントしました。

そのうえで、「ウクライナではロシアによる子こどもの強制きょうせい的てきな連れ去つれさりが、1万まん6000件けん以上いじょう確認かくにんされ、捜査そうさが進すすめられている。実際じっさいの人数にんずうはこの何なん倍ばいにもなるかもしれない」と記しるし、子こどもの帰還きかんに向むけた取り組とりくみを進すすめていると強調きょうちょうしています。

ウクライナのコスティン検事けんじ総長そうちょうもSNSに、「逮捕たいほ状じょうが出だされたということは、プーチン大統領だいとうりょうは、ロシア国外こくがいでは逮捕たいほされ裁判さいばんにかけられるべき人物じんぶつとなったことを意味いみする。世界せかいの国々くにぐにの指導しどう者しゃは、プーチン大統領だいとうりょうと握手あくしゅをしたり、交渉こうしょうしたりすることをためらうようになるだろう。これはウクライナと、国際こくさい法ほうの秩序ちつじょ全体ぜんたいにとって歴史れきし的てきな決断けつだんだ」と書き込かきこみ、逮捕たいほ状じょうが出だされたことを歓迎かんげいしました。

また、ロシア外務省がいむしょうのザハロワ報道ほうどう官かんも、「ロシアはICCに加盟かめいしておらず、何なにの義務ぎむも負おっていない。法的ほうてきに無効むこうだ。何なにの意味いみもない」とSNSに投稿とうこうし、反発はんぱつしました。

カーン主任しゅにん検察官けんさつかんによりますと、ロシアではプーチン大統領だいとうりょうが出だした大統領だいとうりょう令れいによって、ロシア国籍こくせきの付与ふよを促進そくしんするよう法律ほうりつが改正かいせいされ、こうした子こどもたちをロシア人じんの家庭かていが養子ようしにしやすくなっているということです。

カーン主任しゅにん検察官けんさつかんは「こうした行為こういは、子こどもたちをウクライナから永久えいきゅうに連れ去つれさろうとする意思いしを示しめしている」としています。

管轄かんかつする犯罪はんざいは、民族みんぞくなどの集団しゅうだんに破壊はかいする意図いとを持もって危害きがいを加くわえる「集団しゅうだん殺害さつがい犯罪はんざい」いわゆる「ジェノサイド」や、一般いっぱん市民しみんへの組織そしき的てきな殺人さつじんや拷問ごうもんなどの「人道じんどうに対にたいする犯罪はんざい」、戦場せんじょうでの民間みんかん人じんの保護ほごや捕虜ほりょの扱あつかいなどを定さだめた国際こくさい人道じんどう法ほうに違反いはんする「戦争せんそう犯罪はんざい」など、国際こくさい社会しゃかいでもっとも重大じゅうだいな犯罪はんざいです。

戦争せんそうに関にかんする国際こくさい裁判さいばんは当初とうしょ、第だい2次じ世界せかい大戦たいせん後ごの「東京とうきょう裁判さいばん」や「ニュルンベルク裁判さいばん」などのように、特定とくていの戦争せんそうや紛争ふんそうを対象たいしょうにしたものしかありませんでしたが、冷戦れいせん終結しゅうけつ後ご、旧きゅうユーゴスラビアやアフリカのルワンダでの集団しゅうだん虐殺ぎゃくさつなどをきっかけに、常設じょうせつの裁判所さいばんしょの設置せっちを求もとめる声こえが高たかまり、2003年ねん、国際こくさい刑事けいじ裁判所さいばんしょが設立せつりつされました。

現在げんざい、国際こくさい刑事けいじ裁判所さいばんしょには、日本にっぽんなど123の国くにと地域ちいきが参加さんかしているものの、ロシアやアメリカ、中国ちゅうごくなどは管轄かんかつ権けんを認みとめていません。

ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうをめぐって、国際こくさい刑事けいじ裁判所さいばんしょは、去年きょねん3月つき、ウクライナ国内こくないで行おこなわれた疑うたがいのある「戦争せんそう犯罪はんざい」や「人道じんどうに対にたいする犯罪はんざい」などについて捜査そうさを始はじめると発表はっぴょうし、現地げんちに主任しゅにん検察官けんさつかんを派遣はけんするなどして調しらべを進すすめてきました。

ウクライナ政府せいふは、ウクライナに連れ戻つれもどすことができたのは300人にんほどだとしていて全員ぜんいんの帰還きかんに向むけ、情報じょうほう収集しゅうしゅうなどにあたっています。

ウクライナのコスティン検事けんじ総長そうちょうは、17日にち、「ロシアは子こどもたちを連れ去つれさることでウクライナの未来みらいを奪うばおうとしている」とSNSに投稿とうこうし、プーチン政権せいけんは、連れ去つれさった子こどもたちにロシア国籍こくせきを取得しゅとくさせたりしていわゆるロシア化かを進すすめ、国家こっかとしてのウクライナを破壊はかいしようとしていると非難ひなんしています。

その上うえでウクライナ側がわがまとめた1000ページ以上いじょうにのぼる証拠しょうこ資料しりょうを国際こくさい刑事けいじ裁判所さいばんしょに提出ていしゅつしていることを明あきらかにしました。

ウクライナ東部とうぶのロシア系けい住民じゅうみんの保護ほごを名目めいもくに軍事ぐんじ侵攻しんこうに踏み切ふみきったプーチン政権せいけんは、子こどもたちを戦闘せんとう地域ちいきから避難ひなんさせるのは当然とうぜんだと正当せいとう化かし、ウクライナの子こどもをロシア人じんの養子ようしにする取り組とりくみを進すすめているほか、政権せいけんの主張しゅちょうに沿そった愛国あいこく教育きょういくを行おこなっています。

プーチン大統領だいとうりょうはこれらの取り組とりくみを後押あとおしするため、去年きょねん5月つき、大統領だいとうりょう令れいに署名しょめいし、ウクライナの孤児こじがロシア国籍こくせきを取得しゅとくしたり、ウクライナ国籍こくせきの子こどもを養子ようしにしたりする手続てつづきを簡素かんそ化かしています。

こうした政策せいさくを中心ちゅうしんになって進すすめてきたのが、子こどもの権利けんりなどを担当たんとうする大統領だいとうりょう全権ぜんけん代表だいひょうのマリヤ・リボワベロワ氏しです。

先月せんげつ、プーチン大統領だいとうりょうと面会めんかいした際さいにも、何なん千せん人にんもの子こどもをウクライナからロシアに移動いどうさせ、各地かくちで養子ようし縁組えんぐみを進すすめていると報告ほうこくしていました。

また、ロシア人じんの養子ようしになったウクライナの子こどもたちの写真しゃしんをSNSに頻繁ひんぱんに掲載けいさいし、プーチン政権せいけんの方針ほうしんを正当せいとう化かしています。

これに対にたいして欧米おうべい各国かっこくや日本にっぽんは、子こどもたちの連れ去つれさりに関にかんする責任せきにん者しゃだとして、資産しさん凍結とうけつの対象たいしょうにするなどの制裁せいさいを科かしています。

また、逮捕たいほ状じょうについてロシア政府せいふが「何なにの意味いみもない」などと主張しゅちょうしていることについては、「その考かんがえは間違まちがっている。この逮捕たいほ状じょうは、ロシアの行動こうどうをまだ非難ひなんしていない国々くにぐにに対にたいしても制裁せいさいを含ふくむ措置そちをとるよう呼よびかけるものだ」と述のべました。

そのうえで、「国際こくさい社会しゃかいは協力きょうりょくして、ロシア政府せいふがこの逮捕たいほ状じょうに応おうじ、プーチン氏しを国際こくさい的てきな法ほう執行しっこう機関きかんに引き渡ひきわたすようできる限かぎりの圧力あつりょくをかける必要ひつようがある。それはあすや来年らいねんには実現じつげんしないかもしれないが、われわれは国際こくさい社会しゃかいとして、強つよい決意けついで、決けっして信念しんねんを失うしなってはならない」と述のべ、プーチン大統領だいとうりょうの責任せきにんを追及ついきゅうし続つづけるべきだとの考かんがえを示しめしました。

そのうえで、「われわれは戦争せんそう犯罪はんざいの実行じっこう者しゃに責任せきにんをとらせることを支持しじする」として賛同さんどうする考かんがえを示しめしました。