国の労働力調査によりますと、女性の就業者数は増加傾向にあり、去年は3024万人と平成24年からの10年間で360万人余り、率にしておよそ14%増加しています。
共働き世帯も増加傾向が続き、去年は1262万世帯と統計を取り始めたおよそ40年前と比べると2倍以上に増えています。
一方で、女性の正規雇用の割合を年齢別にみると、25歳から29歳の60%をピークに、30歳から34歳では48%、35歳から39歳では39%と年齢を重ねるに伴って低下しています。
出産や育児を機に退職したり働き方を変えたりするケースが多いとみられていて、働き方にかかわらず仕事と子育ての両立をどう支援していくのか、国が検討を続けています。
都内でフリーランスのライターとして働く31歳の女性は、大学の正規職員として働いていた5年前に長女を出産し、産休や育休を取得しておよそ1年後に復職しました。 しかし、正規職員の働き方では将来、子どもの就学に伴う問題や親の介護の問題などに直面した際、柔軟な対応が難しいと感じ、非正規雇用などを経て2年前からフリーランスとして働くようになりました。 女性は「フリーランスの働き方なら柔軟に仕事を組み立てられるので、子どもが保育園で何かあってもすぐ駆けつけられる安心感もありますし、将来、学童保育などに入れなくて早く帰宅することになっても、仕事を諦めることなく、子どもとの時間をとれるかなと思っています。正社員のころはこうした柔軟な対応が可能なのか不安感が強かったです」と話していました。 一方で、この先、もう1人子どもが欲しいという希望があり、夫婦で話し合っていますが、出産や育児によって収入が減少しても支援の仕組みがない現状などを考え、踏み切れずにいるといいます。 女性は「仕事ができない期間は収入がゼロになってしまうので、家計の状況などを考えると結論が先送りになってしまいます。フリーランスでも雇用保険に類似するような制度ができて、払ったお金をもとに支援が受けられるようになれば安心して出産や育児に臨めると思います」と話していました。
▼「産後3日以内」が9.4%、 ▼「産後1週間」が13.2%で ▼「産後1か月」が22.2%、 ▼「産後2か月」が14.2%となり、 産後2か月以内の復帰がおよそ6割にのぼったということです。 企業などに雇用されている人は労働基準法の母性保護規定で出産後、6週間は強制的な休業が定められ、原則8週間、つまり2か月は就業させてはならないとされていますが、フリーランスは法律の適用外となっています。 政府がフリーランスに対しても育児によって収入が減った場合に経済的な支援を行う新たな仕組みを創設すると明らかにしたことについて、フリーランス協会の平田麻莉代表理事は「これまでは保険料などを払いたいという気持ちはあってもそもそも払う仕組みさえなかったので、今回制度が整備されることで無理をして産後すぐに働いていた人や2人目を諦めていた人たちが救われるのではないか。子どもと仕事をどちらも諦めずに両立できるようになる、大きな道筋だと思います」と話していました。 そのうえで「フリーランスは就労時間の長さや年収もそれぞれ多様であるということを念頭に置いて、支給対象や支給額なども会社員から見たときにも不公平とならないようにすべての働く人が納得できるような制度を目指してほしい。フリーランスだからといって出産を諦めなくてもい、安心して子育てができる社会になってほしいです」と話していました。
フリーランスの女性 “現状に不安 出産ためらう”
フリーランス協会代表理事「諦めていた人たち救われる」