ある国語の教科書では昔話の冒頭のみを教科書に載せて残りをWEBに掲載しましたが、「扱いが不適切」という意見が付き、結末まで教科書に掲載するよう修正しました。
教科書会社の担当者からは、「WEBページを作成する経費が新たな負担になっている」という声も聞かれました。
一方、道徳では「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」を学ぶうえで不適切だとして13件の意見が付けられ、道徳の教科書検定が始まった6年前以来、最も多くなりました。 意見が付いた教科書は「日本」や「国」を含む記述を加えるなどの修正が行われました。 検定に合格した教科書はことしの夏に各地の教育委員会などが採択し、来年4月から全国の小学校で使われます。
性の多様性やいじめ問題を扱うもの目立つ
今回の教科書検定は小学校149点、高校78点のあわせて227点の教科書が申請され、文部科学省の検定意見による修正を経て、高校の「外国語」の不合格1点、「数学」の取り下げ1点を除いた225点が合格しました。
小学校ではWEB上の動画などを生かすため、すべての教科書でQRコードが掲載されました。
文部科学省によりますと、1冊あたりのQRコードの数も大幅に増え、英語の発音や理科の実験の動画など、さまざまな授業に生かされるということです。
一方、QRコードをめぐり、検定意見も付きました。
また、紹介できるWEBページは教科書会社が管理するものに限られるため、リンク先を厚生労働省や警察庁のWEBページにしていたQRコードに意見がつき、修正が加えられました。
また、小学校ではLGBTQなど性の多様性に関する記述を加えた教科書が2点から10点に増えたほか、いじめに関する記述を盛り込んだ国語や道徳などの教科書が48点に上りました。
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