斎藤さいとう投手とうしゅは去年きょねんとことし1軍ぐん登板とうばんがありませんでしたが、最後さいごの登板とうばんのために16日にちから1軍ぐんに合流ごうりゅうし、試合しあい前まえの練習れんしゅうでは軽けいめのキャッチボールなどを行おこなったあと、チームメートと言葉ことばを交かわし、プロとして残のこされた時間じかんを過すごしました。

斎藤さいとう投手とうしゅは日本ハムにほんはむが1点てんリードの7回かい、2人にん目めで登板とうばんし、オリックスの1番ばん・福田ふくだ周平しゅうへい選手せんしゅと対戦たいせんしました。

初球しょきゅうは129キロのストレートでストライクを取とり、3球きゅう目めは125キロのツーシームでファウルにして追い込おいこみました。

このあとフルカウントとなり、7球きゅう目めもボールで、フォアボールとなりました。

そして栗山くりやま英樹ひでき監督かんとくから声こえをかけられた斎藤さいとう投手とうしゅは大粒おおつぶの涙なみだを流ながしていました。

試合しあい直後ちょくごにはセレモニーが行おこなわれ、斎藤さいとう投手とうしゅはファンに向むかって「斎藤さいとうは『持もっている』と言いわれたこともありました。でも、本当ほんとうに持もっていたら、いい成績せいせきを残のこして、こんなにけがもしなかったはずです。ファンのみなさんを含ふくめて僕ぼくが持もっているのは、最高さいこうの仲間なかまです。長ながい間ま、本当ほんとうにありがとうございました」と感謝かんしゃの言葉ことばを述のべました。

セレモニーの最後さいごでは日本ハムにほんはむの選手せんしゅたちがマウンドに集あつまって斎藤さいとう投手とうしゅを胴上どうあげし11年ねんの現役げんえき生活せいかつをねぎらいました。

「本日ほんじつはこのような場ばを用意よういしていただき、球団きゅうだん関係かんけい者しゃの皆みなさま、ありがとうございます。

ファイターズファンの皆みなさん、入団にゅうだんしてからきょうに至いたるまで、温あたたかいご声援せいえんをありがとうございました。

にも関かかわらず、みなさんのご期待きたいに添そうような成績せいせきを残のこすことができず、本当ほんとうにすみませんでした。

ファイターズに入団にゅうだんしてから11年間ねんかん、ファンの方ほうに喜よろこばれたいと思おもって、チームの勝利しょうりに貢献こうけんしたいと思おもって、必死ひっしで腕うでを振ふり続つづけてきました。

そうすることで自分じぶんの居場所いばしょが見みつかると思おもい、投なげ続つづけてきました。

『諦あきらめてやめるのは簡単かんたん。どんなに苦くるしくても、がむしゃらに泥どろだらけになって最後さいごまでやりきる』

栗山くりやま監督かんとくに言いわれ続つづけたことばです。

そのことばどおり、どんなにかっこ悪わるくても前まえだけを見みていたつもりです。

ほとんど思い通おもいどおりにはいきませんでしたが、やり続つづけたことに後悔こうかいはありません。

そして、ファイターズには尊敬そんけいできる素晴すばらしい方々かたがたがたくさんいました。

優やさしく叱しかってくれる先輩せんぱいがいて、かっこいい同期どうきがいて、後輩こうはいもみんな誇ほこらしい選手せんしゅばかりです。

そんなみんなのおかげで、僕ぼくも入団にゅうだんしたときよりは少すこしはマシな大人おとなに成長せいちょうできたんじゃないかと感かんじています。

そんな素敵すてきな方々かたがたに出会であえたのも、野球やきゅうを始はじめさせてくれて、続つづけさせてくれた両親りょうしんに感謝かんしゃしたいです。

お父おとうさん、お母おかあさん、ありがとうございます。

最後さいごになります。

『斎藤さいとうはもっている』と言いわれたこともありました。

でも本当ほんとうにもっていたら、いい成績せいせきも残のこせていたでしょうし、こんなにけがもしなかったはずです。

ファンの皆みなさんも含ふくめて、僕ぼくがもっていたのは最高さいこうの仲間なかまです。

皆みなさんと過すごした時間じかんは、僕ぼくの一生いっしょうの宝物ほうもつです。

長ながい間ま、本当ほんとうにありがとうございました。

きっとまたお会あいしましょう」