ネット証券の「マネックスグループ」は5.8%、金融関連企業の「マネーパートナーズグループ」が3.8%、「GMOインターネット」が1.1%と軒並み値上がりしたのです。
この3社には共通点があります。「ビットコイン」を取り扱っているということです。
ビットコインのETFというとピンとこない人も多いと思いますが、直接ビットコインの現物を管理することなく、通常の株式同様に証券口座で売買できるのが特徴です。 ビットコインは誕生以来、価格の乱高下が課題でした。
取り引きは、専門の交換業者を通じてでしかできず、かなりのハイリスクを覚悟した「特別な」投資家が集まる場所でした。 それがETFという形になり、一般の投資家にもアクセスしやすくなったというわけです。言ってみれば“荒くれ者”が、ETFという衣をまとい、金融界の“市民権”を得たといえば分かりやすいでしょうか。 ある種、特殊でハイリスクな暗号資産が一般化したということで、市場関係者が興奮して「歴史的な出来事だ」と語るのはこういう理由が背景にあるようです。 日本国内ではこのビットコインETFの取扱業者はまだなく、まだハードルは高そうですが、アメリカでは証券口座を持っていれば個人投資家でも取り引きができることになったことで注目を集めているようです。 この話題で兜町を取材していて、おもしろい話を聞きました。足もとの金利上昇やインフレが長期化することへの警戒感もあり、プロであるヘッジファンドが現金資産の価値が目減りすることを警戒して投資を始めたとの見方が出ているというのです。 「インフレ時には資産価値が目減りしにくいとされる金」と、金融関係者から教えてもらった記憶がありますが、ビットコインETFが選択肢の1つになるとは、ちょっと驚きでした。 このETFの上場をきっかけに、ビットコイン自体も史上最高値を更新しました。 一方で、ビットコインなどの暗号資産をめぐっては警戒の視線も注がれています。 中央銀行や各国のマネーロンダリング対策を行う当局です。金融機関を介せず決済ができ、いとも簡単に国境を越えられ、犯罪にからむ資金の出どころを分からなくするマネーロンダリング=資金洗浄に好都合な条件がそろっているからです。 IMF=国際通貨基金は金融システムへの影響を分析したリポートを発表して監視強化が必要だと主張しています。 ビットコインはETFという衣をまとうことでおとなしくなるのか、今後の動きを注目していきたいと思います。
・10月27日(水) 日銀金融政策決定会合(1日目) 日本取引所グループ会見 (アメリカ)グーグル、ツイッター、マイクロソフト第3四半期決算 ・10月28日(木) 日銀金融政策決定会合(2日目)黒田総裁会見 ソニー、三菱電機、中間決算発表 (アメリカ)第3四半期(7-9月)GDP速報 (ヨーロッパ)ヨーロッパ中央銀行理事会 ・10月29日(金) 中間決算発表ピーク(ANAホールディングス、KDDI、三菱重工業など)(ヨーロッパ)第3四半期GDP速報 来週は、日米の主な企業の決算が相次いで発表されます。 また、アメリカの先月9月まで3か月間のGDPが発表されます。バイデン政権の発足以降、2期連続6%台の高い伸びでしたが、低い予想も出ていて、景気回復のピッチが鈍くなっていないかどうかを確認する重要な指標となりそうです。
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