宮下騎手は18日、名古屋競馬場で行われた第2レースで、1番人気のリアルスピードに騎乗しました。
宮下騎手はレース序盤から、4番手から5番手の好位置につけて最終コーナーを迎え、最後の直線で一気に伸びて先頭を行く馬を差し切り、会心のレース運びで、女性騎手では前人未到の通算1000勝を達成しました。
幼いころ、祖父が飼っていた馬に乗ったことがきっかけで、騎手になることを目指しました。 平成7年に夢が現実となり、18歳で地方競馬の名古屋競馬で騎手としてデビューしました。 地方競馬は原則、みずからが調教に関わった馬にしか騎乗できないため、宮下選手は、デビュー当初から足しげく馬のトレーニング場を訪れ、1頭でも多くの馬に騎乗できるよう努力を続けました。 順調に勝ち星を重ね、デビューから10年たった平成17年に、28歳で当時の女性騎手最多勝記録、351勝に到達し、史上最強の女性ジョッキーとしての地位を着実に築いていきました。 平成23年に、長男の出産を前に34歳で一度、現役を引退しましたが、子育てをしながら「息子にジョッキーとして戦っている姿を見せたい」という気持ちが強くなり、トレーニングに1年をかけて2016年に騎手として復帰しました。 名古屋競馬によりますと、出産を経験した女性騎手が再び現役の騎手としてレースに戻るのは国内では初めてで、極めて異例のことでした。 その後は、ジョッキーと母親という2足のわらじを履きながら、日々、勝利を積み重ね2019年には800勝に到達しました。 直前に落馬して顔面を強打し、鼻を骨折するなどの大ケガを乗り越えての偉業達成でした。 そして、その時から1000勝達成を次の目標として明確に掲げ、レースに臨んでいました。
極めて異例 母親と2足のわらじで勝利積み重ねる