11
月、
序列最高峰の「
竜王」を
獲得し、
八大タイトルの
半分を
占める「
四冠」となった
藤井聡太さん。
19歳3か月での四冠達成は史上最年少。
現在の棋士で最多のタイトル保持者となり、名実ともに将棋界の頂点に立ちました。
藤井さんへのインタビューは「四冠」となって2週間後。
「ようやく一息つけました」。
和やかな表情が印象的でした。
4勝、負けなしで「竜王」奪取。
しかし藤井さんが口にしたのは、達成の感慨ではなく、冷静に自分を見つめ直すことばでした。
「竜王戦ではいい結果を出せましたが、内容を見ると、こちらが苦しい場面も多かったので、豊島さんの強さを感じたシリーズだった気がします。うまく指せた対局よりも、うまくいかずに課題を感じた対局が印象に残っています」
藤井さんが
特に印象に
残ったと
話すのは
第1
局。
判断を誤って苦しくなった場面を挙げ、「課題を突きつけられた1局だった」と振り返りました。
「少し苦しいながらも粘れていると思って指していましたが、豊島さんの手が思った以上に厳しく、はっきりと苦しくなってしまいました。自分の形勢判断を下方修正したうえで、少しでも粘れる手はないかと考え直しました」
劣勢に立たされてからの戦い方に、多くの学びを得たといいます。
「不利になったときは、苦しいながらもなるべく局面を複雑に保てる手を選んで、読み切られないようにしようという意識で指しました。自分で考えてみて、自分の負けまで読み切ることができなければ、相手にとっても負かすことが難しい場合が多いと思うので、苦しい状況でも抵抗して、すぐには負けに近づかないように指したいと思っていました」
難敵・豊島将之が語る“藤井の強さ”
藤井さんがことしの4つの
タイトル戦のうち3つで
対戦したのが、
現役最強の1
人・
豊島将之さんでした。
藤井さんにとって豊島さんは、同じ愛知県出身の先輩。
プロ入り前から練習対局で教わる間柄でした。
去年までは6戦全敗で、ただ1人、大きく負け越す相手。
3つのうち最初のタイトル戦「王位戦」開幕時の会見で藤井さんは、「豊島さんは常に目標としてきた先輩」「自分の成長につながる機会だと思ってしっかり戦いたい」と語っていました。
その2人がぶつかった、「王位」「叡王」「竜王」の3つのタイトル戦。
6月から半年近くにわたる、全14局の戦いとなりました。
王位戦は
初戦、
豊島さんが
完勝するも、
その後、
藤井さんが4
連勝。
叡王戦はフルセットにもつれ込む熱戦。
そして迎えた竜王戦は、トップ棋士たちの想像を超えるハイレベルな戦いとなりました。
豊島さんは、
この連戦の
中で、
藤井さんの
進化を
感じたといいます。
(豊島将之九段)
「成長なのか、リズムなのか、理由はわからないですが、竜王戦のほうが藤井さんの将棋のクオリティーが高かった気がします。序盤から終盤まで、どこをとっても強さがあります。序盤は、新しい戦術を取り入れるスピードが早いです。中盤は、手をとにかくたくさん読める。終盤は、詰む・詰まないの判断が非常に正確で早い。竜王戦で自分がミスをした場面をひもとくと、自分には難易度が高かったと感じる局面が多かったのですが、そうした中でも藤井さんは正確に読めていると感じることが多くありました」
“藤井聡太の登場が新たな目標になった”
藤井さんの
前に、
常に大きな壁として
立ちはだかってきた
豊島さん。
自身にとっても、藤井さんの存在が大きくなっていったことを、今回のインタビューで明かしました。
幼い頃から才能が注目され、将来の名人候補と期待されてきた豊島さん。
しかしプロ入り後、タイトル獲得までの道のりは遠く、苦しい時間が続きました。
3年前、悲願だった初タイトルをつかんだときの心の内を語りました。
「タイトルを取るまで苦戦したので、最後のほうは『タイトルが1つ取れればいいや』みたいな気持ちになっていて、それ以外の目標がなくなっていました」
そこに
現れたのが、かつて
練習対局をした
藤井さんでした。
「藤井さんは、プロ入り後の29連勝や詰将棋の解答の速さ、指す将棋の内容も、その年齢にして脅威的なものがあったので、将来は本当にすごいレベルの、これまでにいなかったレベルの棋士になると感じていました」
真理の追究「棋は対話なり」
互いに大きな存在と
語る両者が
盤を
挟んだ、ことしの
タイトル戦。
2人が印象に残っていると答えたのが、いずれも竜王戦が決着する第4局の最終盤。
ファンや関係者が勝負の行方に注目する中、2人が語ったのは、勝敗を超えて「将棋の真理を追究できた」という充実感でした。
第4局の最終盤、トップ棋士たちが「あまりに難解だった」と振り返る局面。
豊島さんは長考して答えを探し続けましたが、わずかに読みが先を行った藤井さんが勝利をつかみました。
2人は対局後もしばらく、この場面について考え続けていたといいます。
(
豊島将之九段)
「結果がどうとかではなく、『もう少し対局を続けたかった』という思いはあります。難しい局面については、1人でも考えることはいくらでもできるのですが、限られた時間の中で藤井さんから返ってくるいい手に、『ああ、なるほど』と感じることが多かったんです。難しい局面で正解を指していけば続いていくので、羽生善治さんが“テニスのラリー”に例えていたことがありましたが、あの局面でもう少し正解を指し続けたかったという思いです。ことばにするのは難しいですが、純粋に、対局している瞬間が気持ちのいい時間でした」
(
藤井聡太四冠)
「終局してすぐに浮かんだのは、タイトルを獲得した実感ではなくて、『将棋のことをもう少し考えていたい』という思いでした。最終盤でこれほど複雑な局面は珍しくて、その局面を考える時間は、勝ち負けとは別にすごく楽しい時間でした。『棋は対話なり』と言われますが、人間どうしの対局で選ばれる指し手には、対局者が考えた“意味”や“意思”のようなものが込められます。もう一方の対局者が、その意思を受け取ってまたそれを返す。それが『対話』なんだと思います。もちろん、勝敗が大きな意味を持つ1局なのですが、その中でも、純粋な将棋の楽しさを共有できたことが本当に幸せだったと思います」
“強くなりたい もっとおもしろい局面に出会いたい”
藤井さんとの
タイトル戦を
終え、
無冠となった
豊島さん。
インタビューでは、“これから先”を見据えたことばがあふれました。
「ここまで完璧にストレート負けしたのは初めてですし、根本的に将棋の実力を上げなければ勝負にならないという人は、タイトルを取ってからはあまりいませんでした。3つタイトル戦に敗れて無冠になったので、まずは、これからの取り組み方を変えなければいけません。今回の対局がどんな意味を持つのかは、これから自分がどれくらい活躍できるか、どれくらい成長できるかにかかっていると思います。これから自分が強くなれたら、この対局の日々がきっかけだったということになるんだと思います」
一方、
将棋界の
頂点に
立った
藤井さん。
今後について尋ねると、これまでと変わらず「強くなりたい」。
そして、藤井さんの視線は、強くなった先にある世界に向けられていました。
「1人の方とこんなに続けて対局することはなかったので、対戦を重ねることで相手の将棋や考え方がより深くわかるところがあって、すごく貴重な経験でした。豊島さんは、自分にとっては今後も1つの目標であり続ける方だと思っています。自分は将棋を指すうえで、『おもしろい』と思えることがいちばん大事なことだと思っています。ここが到達点だとか、明確な目標があるわけではありませんが、もっと強くなることで、これまでよりもおもしろい局面に出会えることが多くなると思うので、少しずつでも、そういうところに近づいていきたい」
東京女子医大 元理事長を逮捕 背任の疑い 医大の名門でなぜ?
国内有数の私立医大、東京女子医科大学の元理事長が新宿区にあるキャンパスの施設の建設をめぐり、建築士の口座に実態のないアドバイザー業務に対する報酬として大学から資金を振り込ませ、大学におよそ1億2000万円の損害を与えたとして、背任の疑いで逮捕されました。警視庁は建築士側に振り込まれた資金が、当時、大学トップだった元理事長に還流していたとみて解明を進めることにしています。
Nguồn: NHK
Jan 13, 2025 12:01
【放送中】全国女子駅伝 中学生から社会人が都道府県対抗で
中学生から社会人までのランナーがたすきをつなぐ都道府県対抗の全国女子駅伝が京都で、このあと午後0時半にスタートします。全国最多18回の優勝を誇る地元・京都を軸に実力のある選手をそろえた大阪や神奈川、長野、それに千葉などが優勝を争う展開になるものとみられます。また、最終9区では兵庫の田中希実選手や長崎の廣中璃梨佳選手、石川の五島莉乃選手などオリンピック出場経験のある選手たちの走りに注目です。最新情報を速報でお伝えします。NHKでは総合テレビとラジオ第1、それにNHKプラスで中継しています。
Nguồn: NHK
Jan 12, 2025 12:01
兵庫 加古川 女児殺害事件 容疑者の話に基づき海で刃物捜索
18年前、兵庫県加古川市で小学生の女の子を刃物で刺して殺害したなどとして逮捕された46歳の容疑者が、逮捕前の任意の事情聴取に対し「刃物は海に捨てた」と話していたことが捜査関係者への取材で分かりました。警察は容疑者の話に基づき、11日、兵庫県内の海で刃物の捜索を行いました。
Nguồn: NHK
Jan 11, 2025 16:01
梅毒 去年の感染者数1万4663人 過去2番目の多さ 流行収まらず
去年1年間に全国から報告された性感染症の梅毒の感染者数は、速報値で1万4663人と過去2番目に多かったことが国立感染症研究所のまとめで分かりました。過去最多となったおととしとほぼ同じ水準で、専門家は「流行は収まっておらず、早期の発見と治療が大切だ」と話しています。
Nguồn: NHK
Jan 11, 2025 05:01
トランプ氏の不倫口止め料めぐる裁判 有罪評決維持も刑罰なし
アメリカのトランプ次期大統領の不倫の口止め料をめぐる裁判で、ニューヨークの裁判所は10日、トランプ氏に対し、去年5月に陪審員が下した有罪の評決を維持する一方で刑罰は科さないとする判決を言い渡しました。オンラインで出廷したトランプ氏は「政治的な魔女狩りだ」などと改めて主張し、控訴すると明らかにしました。
Nguồn: NHK
Jan 11, 2025 05:01
Premium feature
Bạn cần nâng cấp lên tài khoản cao cấp để sử dụng tính năng này
Bạn có chắc chắn muốn kiểm tra lại không?
Bạn đã đạt đến giới hạn của ngày hôm nay
Bạn hãy nâng cấp tài khoản để đọc báo không giới hạn số lần