日本新闻: オミクロン株第6波のリスクは？過去の感染拡大どうだった？

オミクロン株かぶ第だい6波はのリスクは？過去かこの感染かんせん拡大かくだいどうだった？

Dec 14, 2021 20:12

Furigana

世界せかい各地かくちで感染かんせんが拡大かくだいしているオミクロン株かぶ。

日本にっぽん国内こくないでの感染かんせんについて、専門せんもん家かは「現時点げんじてんで“オミクロン株かぶは軽症けいしょう化かしているのでは”というのは楽観らっかん的てきすぎる」としたうえで、「市中しちゅう感染かんせんが起おきる前提ぜんていで対策たいさくを検討けんとうしておく必要ひつようがある」と指摘してきしています。

国内こくないではこれまで、イギリスで最初さいしょに見みつかった「アルファ株かぶ」、そしてインドで見みつかった「デルタ株かぶ」が検疫けんえきで確認かくにんされたあと市中しちゅう感染かんせんが起おき、数すうか月かげつ後ごには大おおきな感染かんせんの波なみを引き起ひきおこしてきました。

それぞれ、国内こくないで初はじめて確認かくにんされてからどれくらいのスピードで感染かんせんが広ひろがったのでしょうか。

関西かんさいで拡大かくだいし始はじめた「アルファ株かぶ」

まずは第だい4波はを引き起ひきおこした「アルファ株かぶ」です。

アルファ株かぶが日本にっぽんの空港くうこう検疫けんえきで初はじめて確認かくにんされたのは、去年きょねん12月つき25日にち。

数すう日にち前まえにイギリスから入国にゅうこくしていた男女だんじょ5人にんの感染かんせんが判明はんめいしたケースでした。

それからおよそ1か月かげつたったことし1月つき18日にちに、渡航とこう歴れきのない静岡しずおか県けんの男女だんじょ3人にんがアルファ株かぶに感染かんせんしていることが明あきらかになり、国内こくないで初はじめて市中しちゅう感染かんせんを確認かくにんしたケースとされました。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょが国内こくないのPCR検査けんさの結果けっかなどをもとにした推計すいけいでは、アルファ株かぶはまず関西かんさいで、それまでのウイルスを押おしのけるように広ひろがったと見みられています。

関西かんさいではことし2月つき下旬げじゅんには25％が置き換おきかわり、3月つき中旬ちゅうじゅんには50％が、そして初はじめて検疫けんえきで確認かくにんされてから4か月かげつ余あまりたった5月つき上旬じょうじゅんには、ほぼ完全かんぜんに置き換おきかわっていたとされています。

アルファ株かぶは、それまでのウイルスより感染かんせん力りょくが強つよく、大阪おおさか府ふなどで感染かんせん者しゃが急増きゅうぞうし、医療いりょうが危機きき的てきな状況じょうきょうになりました。

また首都しゅと圏けんの1都と3県けんでも、ことし4月つき上旬じょうじゅんには25％が置き換おきかわり、4月つき中旬ちゅうじゅんには50％が、そして関西かんさいから1か月かげつほど遅おくれて、6月つき上旬じょうじゅんにはほぼ完全かんぜんに置き換おきかわったとされています。

「アルファ株かぶ」しのぐ「デルタ株かぶ」

次つぎに、これまでで最大さいだいの感染かんせん拡大かくだいとなった第だい5波はを引き起ひきおこした「デルタ株かぶ」です。

デルタ株かぶが空港くうこう検疫けんえきで初はじめて確認かくにんされたのは、ことし3月つき28日にちにインドから入国にゅうこくした男性だんせいのケースでした。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょは、およそ3週間しゅうかん余あまりたった4月つき20日にちには、国内こくないの患者かんじゃから初はじめてデルタ株かぶが検出けんしゅつされたとしています。

デルタ株かぶはアルファ株かぶよりも感染かんせん力りょくが強つよく、国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょの推計すいけいでは、首都しゅと圏けんの1都と3県けんでは、ことし7月つき上旬じょうじゅんには25％が置き換おきかわり、7月つき中旬ちゅうじゅんには50％に達たっしたとされています。

その後そのごも急速きゅうそくな拡大かくだいが続つづき、初はじめて検疫けんえきで確認かくにんされてから4か月かげつ余あまりたった8月つき上旬じょうじゅんにはほぼ完全かんぜんに置き換おきかわっていたと見みられています。

関西かんさいでも7月つき下旬げじゅんには50％が置き換おきかわり、8月つき下旬げじゅんにはほぼ完全かんぜんに置き換おきかわったとされています。

デルタ株かぶが中心ちゅうしんのことし夏なつの感染かんせんの「第だい5波は」では感染かんせん者しゃが急激きゅうげきに増加ぞうかし、首都しゅと圏けんを中心ちゅうしんに各地かくちで医療いりょうが危機きき的てきな状況じょうきょうになりました。

そして、そのデルタ株かぶをも上回うわまわる感染かんせん力りょくがあるのではないかと警戒けいかいされている「オミクロン株かぶ」。

世界せかいでもこの夏なつ以降いこう、検出けんしゅつされる新型しんがたコロナウイルスは、ほぼすべてがデルタ株かぶに置き換おきかわっていますが、南アフリカみなみあふりかではデルタ株かぶをしのぐ勢いきおいでオミクロン株かぶの感染かんせんの報告ほうこくが相次あいついでいます。

11月つきに行おこなわれた遺伝子いでんし解析かいせきの結果けっかによると、4分ぶんの３さんがオミクロン株かぶに置き換おきかわっているとみられています。

一方いっぽう、WHOは今月こんげつ7日にちの時点じてんで「データが限かぎられていて、重症じゅうしょう化かしやすいか評価ひょうかするのは難むずかしい」としています。

WHOによりますと、6日にちの時点じてんで、ヨーロッパの18か国かこくで確認かくにんされた212の感染かんせん例れいすべてが軽症けいしょうか無む症状しょうじょうだったということです。

一方いっぽうで、南アフリカみなみあふりかでは11月末げつまつからの1週間しゅうかんで新型しんがたコロナの入院にゅういん患者かんじゃは８はち２に％増加ぞうかしましたが、オミクロン株かぶへの感染かんせん者しゃが占しめる割合わりあいは明あきらかになっていないとしています。

専門せんもん家か「市中しちゅう感染かんせんを前提ぜんていに対策たいさくを」

オミクロン株かぶの今後こんごの感染かんせんの広ひろがりについて、国際こくさい医療いりょう福祉ふくし大学だいがくの和田わだ耕治こうじ教授きょうじゅに聞ききました。

和田わだ教授きょうじゅは、「過去かこの変異へんいウイルスを見みると検疫けんえきで初はじめて確認かくにんされてから1か月かげつくらいで国内こくないでの市中しちゅう感染かんせん例れいが見みつかっている。オミクロン株かぶについても、例たとえばきょう国内こくないでの感染かんせんが見みつかっても全まったく不思議ふしぎではない」と指摘してきしました。

そのうえで「国内こくないで市中しちゅう感染かんせんが起おきることを前提ぜんていに感染かんせん者しゃが見みつかった場合ばあい、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの調査ちょうさをどの範囲はんいまで広ひろげるのかや現在げんざいの厳きびしい水際みずぎわ対策たいさくをどうするのかなど対策たいさくを切り替きりかえる方法ほうほうを検討けんとうしておく必要ひつようがある。また、これまで最初さいしょの感染かんせん例れいでは感染かんせんした人ひとの個人こじん情報じょうほうがさらされたり、誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうが寄よせられたりという事態じたいになってしまったので、どのように情報じょうほうを伝つたえ、どう受け止うけとめてもらうのか整理せいりをしておくことも重要じゅうようだ」と話はなしていました。

「忘年ぼうねん会かいや帰省きせい急激きゅうげきな拡大かくだいにつながるおそれも」

そして、オミクロン株かぶの感染かんせんが広ひろがるスピードについては「オミクロン株かぶは感染かんせん力りょくが高たかいとされる一方いっぽうで、今回こんかいは早はやい段階だんかいで強つよい水際みずぎわ対策たいさくをとったことで国内こくないでの流行りゅうこうを遅おくらせる効果こうかがうまく現あらわれる可能かのう性せいもある。過去かこの変異へんいウイルスと同おなじようなスピードで広ひろがるかどうかは分わからない。ただ、年末ねんまつ年始ねんしにかけて忘年ぼうねん会かいなどで人ひととの接触せっしょくが増ふえたり、帰省きせいなどで人ひとの移動いどうが増ふえたりすると見込みこまれていて、こうした中なかでオミクロン株かぶが入はいってくると急激きゅうげきな拡大かくだいにつながるおそれもあると考かんがえている」と話はなしました。

また、オミクロン株かぶの重症じゅうしょう化かのしやすさについて、和田わだ教授きょうじゅは「“オミクロン株かぶは軽症けいしょう化かしているのでは”という見立みたては現時点げんじてんでは少すこし楽観らっかん的てきすぎる。南アフリカみなみあふりかでも入院にゅういん患者かんじゃが増加ぞうかしていて、現在げんざいは感染かんせんは若わかい世代せだいが中心ちゅうしんだが、感染かんせんがさらに広ひろがり、高齢こうれい者しゃなどに達たっしたとき、どのような状況じょうきょうになるのか見みていく必要ひつようがある」と話はなしていました。