拘束されたサウジアラビア出身の容疑者は、イスラム教に批判的な活動を行っていたとみられ、当局が動機の解明を進めています。
ドイツ東部の都市、マグデブルクのクリスマスマーケットで20日夜、訪れていた人たちに車が突っ込んだ事件で、21日会見を行った警察は、これまでに9歳の子どもを含む5人が死亡したほか、少なくとも200人がけがをしたと明らかにしました。
このうちおよそ40人が重傷だということです。
警察によりますと、現場で拘束されたのはサウジアラビア出身の50歳の男の容疑者で、ドイツのフェーザー内相は、容疑者はイスラム教に批判的な思想を持っていると明らかにしました。
地元メディアによりますと、容疑者はサウジアラビアの女性が国外に亡命する手助けをするなどの活動を行っていたということで、検察は会見でドイツでのサウジアラビアからの難民の受け入れに不満を持っていた可能性があると明らかにし、当局が動機の解明を進めています。
警察などによりますと、容疑者が運転していたとみられる車は、緊急車両が通行できるようブロックなどが置かれていなかったスペースを400メートルほどにわたって、3分間走行したあと警察に止められたということです。
教会では犠牲者追悼の礼拝
事件があったクリスマスマーケットの近くにある教会では21日夜、犠牲になった人たちを追悼する礼拝が行われました。
礼拝は、教会の前に設置された大型スクリーンでも同時配信され、集まった多くの人たちが火を灯したろうそくを手に持つなどして犠牲者を悼んでいました。
参列した男性は2016年にもクリスマスマーケットにトラックが突っ込み死者が出るテロ事件が起きたことに触れ「また起きるのではないかと不安はあったが、まさかこの街で発生するとは思わなかった」と話していました。
また、市内の病院で働く女性は「病院にはたくさんの重傷者が運ばれてきてパニック状態だった」と話していました。
現場付近 大勢の人たち訪れ追悼の意を表す
事件から1日がたった現場の付近では、大勢の人たちが花を手向けたり、ろうそくに火をともしたりして追悼の意を表しています。
このうち家族で訪れた40代の女性は「2人の子どもを連れてきょう訪れようとしていたところだった。私たちも巻き込まれていたかもしれないと思うとぞっとする」と話していました。
また、親子で訪れた40代の女性は「きのう、このクリスマスマーケットで店を出している近所の人に会いに行こうとしていた。こんなことが起きるとは想像もしなかった」と話していました。