昔、ある山で桜が満開になった。
そこへトンビとスズメとハトとカラスがやってきて、みんなで花見をすることになった。トンビは魚を取り、スズメは町へ酒を買いに、ハトは料理をし、カラスは風呂敷や椀を借りに行くこととなった。
トンビ・スズメ・ハトがそれぞれの仕事を終えてくたくたになっている頃、ようやくカラスが戻ってきた。
カラスは花見の酒盛りの前に、余興で楽しもうと提案した。まずはトンビが笛を吹いた。それにあわせてスズメが三味線を弾いた。ハトはトンビ・スズメの演奏に合わせて、豆絞りの手拭いをほおっかむりして踊りだした。
ふと気が付くとカラスの姿はなく、料理も酒もすべてなくなっていた。カラスが全部一人で食べてしまったのである。トンビ・スズメ・ハトは悔しがったがもう遅かった。
トンビがカラスを見るといじめるようになったのは、この時からだということである。