日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を審査してきた米政府機関は、バイデン大統領に対し、買収が国家安全保障上のリスクをもたらすかどうかについて合意に達しなかったと伝えた。情報筋2人が明らかにした。買収計画の今後は、バイデン氏の判断に委ねられることになる。
バイデン氏はかねて、国内の雇用を守るため、USスチールは引き続き米国資本であるべきだとの考えを明らかにしており、買収計画を阻止するとみられている。買収計画を審査してきた対米外国投資委員会(CFIUS)の今回の判断については、米紙ワシントン・ポストが最初に報じた。
CNNも、政治案件と化したUSスチールの買収計画について、CFIUSは買収計画が国家安全保障上のリスクをもたらすかどうかについて、判断が行き詰まったと伝えていた。
CFIUS内部では、買収計画の是非が審査できなくなっているとして、バイデン氏をはじめ、ハリス副大統領やトランプ次期大統領が買収計画に公然と反対していることに不満の声も出ていた。
日本製鉄もUSスチールも買収計画が国家安全保障の脅威とはならないと主張している。