西日本にしにほん豪雨ごうう2年ねん 「交流こうりゅう頻度ひんど減へった」仮設かせつ住宅じゅうたくなど入居にゅうきょ 7割わりが回答かいとう

このなかで、豪雨ごううの前まえと比くらべて地域ちいきの人ひとや友人ゆうじんと交流こうりゅうする頻度ひんどに変化へんかがあるか尋たずねたところ、「増ふえた」が11％、「変かわらない」が48％、「減へった」が38％でした。

一方いっぽう、仮設かせつ住宅じゅうたくなどで仮住かりずまいを続つづけるおよそ450人にんでみると、「増ふえた」が5％、「変かわらない」が25％、「減へった」が69％となり、「減へった」という回答かいとうの割合わりあいは1.8倍ばいになりました。

広島ひろしま、岡山おかやま、愛媛えひめ、山口やまぐちの4県けんでは、仮設かせつ住宅じゅうたくなどで仮住かりずまいを続つづける人ひとが先月せんげつ24日にち時点じてんで合あわせて4553人にんにのぼりますが、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで入居にゅうきょ者しゃどうしの交流こうりゅうの催もよおしが中止ちゅうしになるケースが各地かくちで相次あいつぐなど、孤立こりつしやすい状況じょうきょうが続つづいていると指摘してきされています。

アンケート結果けっかについて、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいと原発げんぱつ事故じこのあと、仮設かせつ住宅じゅうたくで暮くらす住民じゅうみんの支援しえん活動かつどうを行おこなった福島ふくしま大学だいがくの天野あまの和彦かずひこ 特とく任にん教授きょうじゅは、「福島ふくしまと同おなじように多おおくの人ひとが孤独こどく感かんを深ふかめていて厳きびしい数字すうじと受け止うけとめるべきだ」としたうえで、「新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいによって訪問ほうもんしての見守みまもり活動かつどうが成り立なりたたなくなっている。電話でんわでの聴きき取とりを丁寧ていねいに行いったり、フェイスシールドの着用ちゃくようなど万全ばんぜんの対策たいさくをとって短時間たんじかんで訪問ほうもんしたりすることを検討けんとうする必要ひつようがある」と指摘してきしています。

「人ひととのつながりが大事だいじ」

岡山おかやま県けん倉敷くらしき市し真備まび町まちの被災ひさい者しゃのうち、先月せんげつ末まつの時点じてんでおよそ2800人にんが仮設かせつ住宅じゅうたくでの生活せいかつを続つづけています。

その9割わりが「みなし仮設かせつ」で、倉敷くらしき市内しないのほかにも、隣となりの岡山おかやま市しや総社そうしゃ市しなど7つの市しや町まちに分散ぶんさんしています。

このうち、井上いのうえ百合子ゆりこさん（70）は真備まび町まちの自宅じたくが浸水しんすいして全壊ぜんかいしたため、総社そうしゃ市しの「みなし仮設かせつ」のマンションで1人にんで暮くらしています。

自宅じたくの再建さいけんも考かんがえましたが、高齢こうれいで、経済けいざい的てきな余裕よゆうもなかったため断念だんねんしました。

夫おっとは17年ねん前まえに亡なくし、娘むすめの家族かぞくとも離はなれて暮くらしています。

豪雨ごううの直後ちょくごは真備まび町まちでの住民じゅうみんどうしの集あつまりにも参加さんかしていましたが、知り合しりあいが次々つぎつぎと自宅じたくを再建さいけんしていく様子ようすを見みると気持きもちが沈しずみ、孤独こどくを感かんじて次第しだいに足あしが遠とおざかりました。

そこに追い打おいうちをかけたのが、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいでした。

井上いのうえさんは買い物かいもの以外いがいは自宅じたくに引ひきこもりがちになり、精神せいしん的てきな不安ふあんから夜よるもほとんど寝ねられず、睡眠薬すいみんやくが欠かかせなくなりました。

真備まび町まちに建設けんせつされる災害さいがい公営こうえい住宅じゅうたくへの入居にゅうきょが先月せんげつ決きまりましたが、入居にゅうきょできるのは来年らいねん4月つきの予定よていで、当面とうめん、今いまの生活せいかつが続つづきます。

井上いのうえさんは「家いえが無なくなったのがいちばんつらかった。1人にんでいると改あらためて人ひととのつながりが大事だいじだと感かんじる。真備まびに帰かえれることを思おもって頑張がんばっていきたい」と話はなしていました。

新型しんがたコロナの影響えいきょうで

岡山おかやま県けん倉敷くらしき市しは仮設かせつ住宅じゅうたくで暮くらす被災ひさい者しゃの孤立こりつを防ふせぐため、おととし秋あきから訪問ほうもんによる見守みまもり活動かつどうを続つづけていますが、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいで訪問ほうもん回数かいすうは大幅おおはばに減へりました。

ことし1月つきと2月つきは全体ぜんたいの訪問ほうもん回数かいすうがいずれも230件けんを超こえていましたが、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが拡大かくだいした3月つきは52件けんと、4分ぶんの1以下いかに減へっていたことが倉敷くらしき市しなどへの取材しゅざいでわかりました。

その後そのごも影響えいきょうは続つづき、4月つきは86件けん、5月つきは51件けんにとどまっています。

倉敷くらしき市しは電話でんわでの聴きき取とりを増ふやして対応たいおうしていますが、被災ひさい者しゃの表情ひょうじょうや部屋へやの臭くさいなどきめ細きめこまかい情報じょうほうを把握はあくできないのが課題かだいだとしています。

見守みまもり活動かつどうを行おこなっている「倉敷くらしき市し真備まび支ささえ合あいセンター」の山下やました雅光まさみつ 副ふくセンター長ちょうは「被災ひさい者しゃの多おおくが高齢こうれい者しゃで感染かんせんリスクが高たかい一方いっぽう、孤立こりつのリスクも心配しんぱいだ。訪問ほうもんを短時間たんじかんにするなど工夫くふうが必要ひつようだと考かんがえている」と話はなしていました。

専門せんもん家か「孤独こどく死しするケースが心配しんぱい」

東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいと原発げんぱつ事故じこのあと、仮設かせつ住宅じゅうたくに暮くらす被災ひさい者しゃの支援しえん活動かつどうを行おこなった福島ふくしま大学だいがくの天野あまの和彦かずひこ 特とく任にん教授きょうじゅは「福島ふくしまと同おなじように多おおくの人ひとが孤独こどくを深ふかめていると感かんじた。厳きびしい数字すうじと受け止うけとめなければいけない。これまでも持病じびょうの悪化あっかやうつなどで孤独こどく死しするケースを見みてきたので、そこがいちばん心配しんぱいだ」と話はなしました。

さらに、新型しんがたコロナウイルスが孤立こりつを加速かそくさせていることについては、「ますます厳きびしい状況じょうきょうになった。これまでは目めで見みたり、嗅覚きゅうかくを使つかったりして五感ごかんで見守みまもりができていたが、それが成り立なりたたなくなっている。電話でんわでの聞きき取とりを時間じかんをかけて丁寧ていねいに行いったり、フェイスシールドの着用ちゃくようなど万全ばんぜんの対策たいさくをとって短時間たんじかんで訪問ほうもんしたりすることも検討けんとうすべきだ」と指摘してきしていました。