地中海では、アフリカや中東からヨーロッパを目指す難民や移民が命を落とすケースがあとを絶っていません。
こうした中、覆面アーティストのバンクシーは、29日、インスタグラムに動画を投稿し、フランス海軍のものだった船を買い取って海上で難民などを救助する民間活動のための船に改造したと明らかにしました。
動画では、EU=ヨーロッパ連合の当局がヨーロッパ出身ではない人たちからの救助の要請を意図的に無視していると批判しています。
船には、救命胴衣をつけ、ハート型の浮き輪を手にしている少女が描かれていて、バンクシー自身の代表的な作品をモチーフにしたとみられています。
イギリスの有力紙、ガーディアンによりますと、バンクシーは、去年9月、救助活動を続けている女性に連絡し、「難民危機をテーマにした仕事で得た金を新しい船の購入などに使ってほしい」と申し出たということです。
この船は、すでに地中海で救助活動を行っていて、28日の時点で子どもを含む219人を保護していましたが、船が過密になったため、救助要請を受けたイタリアの沿岸警備隊の船が特に保護が必要な49人と死亡した1人の遺体を引き取ったということです。