12月の消費者物価指数 4.0％上昇 1981年以来 41年ぶりの高水準 - Easy News

家庭かていで消費しょうひするモノやサービスの値動ねうごきをみる先月せんげつ・12月つきの消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうは天候てんこうによる変動へんどうが大おおきい生鮮せいせん食品しょくひんを除のぞいた指数しすうが、前まえの年としの同おなじ月つきより4.0％上昇じょうしょうしました。4.0％の上昇じょうしょう率りつは、1981年ねん12月つき以来いらい、41年ねんぶりの水準すいじゅんとなります。

総務そうむ省しょうによりますと、先月せんげつ・12月つきの消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうは生鮮せいせん食品しょくひんを除のぞいた指数しすうが、前まえの年としの12月つきの100.0から104.1に上昇じょうしょうしました。

上昇じょうしょう率りつは4.0％となり、第だい2次じオイルショックの影響えいきょうが続つづいていた1981年ねん12月つき以来いらい、41年ねんぶりの水準すいじゅんとなります。

主おもな要因よういんは食料しょくりょう品ひんの相次あいつぐ値上ねあげで、「生鮮せいせん食品しょくひんを除のぞく食料しょくりょう」は前まえの年としの同おなじ月つきより7.4％上昇じょうしょうし、1976年ねん8月つき以来いらい、46年ねん4か月かげつぶりの水準すいじゅんです。

具体ぐたい的てきには、

▽「食用しょくよう油ゆ」は33.6％、

▽「ポテトチップス」が18％、

▽外食がいしょくの「ハンバーガー」が17.9％、

▽「炭酸たんさん飲料いんりょう」が15.9％、

▽「あんパン」が14.1％、

▽「牛乳ぎゅうにゅう」が9.9％、

▽国産こくさんの「豚肉ぶたにく」が9.4％、

▽「卵たまご」が7.8％それぞれ上昇じょうしょうしました。

エネルギーをみると、

▽「ガス代だい」が23.3％、

▽「電気でんき代だい」が21.3％上あがりました。

また、あわせて発表はっぴょうされた去年きょねん1年間ねんかんの平均へいきんの消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうは、生鮮せいせん食品しょくひんを除のぞいた指数しすうが前まえの年としより2.3％上昇じょうしょうしました。

2.3％の上昇じょうしょう率りつは2014年ねん以来いらい8年ねんぶり、消費しょうひ税率ぜいりつ引き上ひきあげの影響えいきょうがあった期間きかんを除のぞくと、1991年ねん以来いらい31年ねんぶりの水準すいじゅんとなりました。

総務そうむ省しょうは「4％の上昇じょうしょう率りつになったのは食料しょくりょう品ひんの値上ねあげの動うごきがさらに広ひろがったことがあり、足元あしもとでは肉類にくるいや鳥とりインフルエンザの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうを受うけた卵たまごの上昇じょうしょう率りつの拡大かくだいが目立めだっている。今後こんごも多おおくの食料しょくりょう品ひんで値上ねあげが予定よていされ、電力でんりょく会社かいしゃからは電気でんき代だいの値上ねあげが申請しんせいされているので、引き続ひきつづき物価ぶっかの動向どうこうを注視ちゅうししていきたい」と話はなしています。

実質じっしつ賃金ちんぎんのマイナス続つづく

先月せんげつの消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうの上昇じょうしょう率りつは、1981年ねん12月つき以来いらい41年ねんぶりの水準すいじゅんとなりましたが、賃金ちんぎんをめぐる状況じょうきょうは当時とうじと異ことなっています。

総務そうむ省しょうによりますと、1981年ねん当時とうじは第だい2次じオイルショックの影響えいきょうが続つづいていて、原油げんゆ価格かかくの高騰こうとうを要因よういんとした光熱こうねつ費ひの値上ねあがりなどが続つづいていました。

ただ、物価ぶっかが上昇じょうしょうしても働はたらく人ひとの賃上ちんあげの水準すいじゅんはそれを上回うわまわっていました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、1981年ねんの平均へいきんの実質じっしつ賃金ちんぎんは、従業じゅうぎょう員いん30人にん以上いじょうの事業じぎょう所しょを対象たいしょうにした調査ちょうさで前まえの年としと比くらべてプラス0.6％でした。

一方いっぽうで、去年きょねん11月つきの実質じっしつ賃金ちんぎんは従業じゅうぎょう員いん5人にん以上いじょうの事業じぎょう所しょが対象たいしょうとなり調査ちょうさの方法ほうほうは異ことなりますが、速報そくほう値ちで前まえの年としの11月つきを3.8％下回したまわり8か月かげつ連続れんぞくでマイナスとなっています。

実質じっしつ賃金ちんぎんのマイナスが続つづくと消費しょうひマインドが冷え込ひえこみ、個人こじん消費しょうひなどへの悪あく影響えいきょうが懸念けねんされます。

ことしの春闘しゅんとうは来週らいしゅうから事実じじつ上じょうスタートしますが、賃上ちんあげの動うごきがどこまで広ひろがるのかが焦点しょうてんとなっています。

来月らいげつ再ふたたび値上ねあげラッシュ

民間みんかんのシンクタンクの調査ちょうさでは、来月らいげつに値上ねあげが予定よていされる食品しょくひんや飲料いんりょうは4000品目ひんもくを超こえて、再ふたたび値上ねあげラッシュとなる見込みこみです。

「帝国データバンクていこくで-たばんく」の調査ちょうさによりますと、来月らいげつに値上ねあげが予定よていされている食品しょくひんや飲料いんりょうは4283品目ひんもくと、去年きょねん10月つきに次つぐ多おおさとなっていて、再ふたたび値上ねあげラッシュになるとしています。

また、今月こんげつから4月つきまでに値上ねあげする品目ひんもくを合あわせると、再さい値上ねあげや価格かかくを変かえずに内容ないよう量りょうを減へらす「実質じっしつ値上ねあげ」を含ふくめて累計るいけいで7390品目ひんもくとなっています。

これは去年きょねんの同おなじ時期じきと比くらべておよそ1.6倍ばい増ふえています。

シンクタンクでは、価格かかく転嫁てんかが十分じゅうぶんに進すすんでいるとは言いえず、去年きょねん分ぶんのコスト増加ぞうかを持ち越もちこす形かたちで値上ねあげの動うごきは続つづくと分析ぶんせきしています。

都内とないスーパーでは

消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうの上昇じょうしょう率りつが41年ねんぶりの水準すいじゅんとなったことについて、東京とうきょう都内とないのスーパーでは、買い物かいもの客きゃくから家計かけいの負担ふたんが増ますことへの懸念けねんの声こえが聞きかれました。

東京とうきょう足立あだち区くのスーパーでは、仕入しいれ先さきのメーカーの値上ねあげを受うけて、今月こんげつからツナ缶つなかんの価格かかくをおよそ10％引き上ひきあげるなど、一部いちぶの商品しょうひんを値上ねあげしています。

この店みせでは、値上ねあげの幅はばを抑おさえようと、ペットボトル飲料いんりょうの冷蔵庫れいぞうこの電源でんげんを切きって電気でんき代だいを抑おさえるなど、コストの削減さくげんに努つとめています。

しかし、値上ねあげに伴ともなって、客きゃくが1回かいの買い物かいもので購入こうにゅうする商品しょうひんの数かずが減へる傾向けいこうにあるほか、来店らいてんの頻度ひんども減へっているということです。

買い物かいものをしていた50代だいの女性じょせいは「物ものの値段ねだんだけでなく、お給料きゅうりょうも40年ねんぶりの水準すいじゅんで上あがってくれればいいのにと感かんじている。最近さいきんは買かう量りょうを減へらして、食材しょくざいを余あまらせないことを心こころがけています」と話はなしていました。

ベニースーパーの赤津あかつ友弥ともや本部ほんぶ長ちょうは「来月らいげつも値上ねあがりは続つづいていくが、お客様おきゃくさまのニーズにあわせて、少すくない量りょうの商品しょうひんを増ふやすなどして、できるだけ影響えいきょうがないようにしていきたい」と話はなしています。

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかん「構造こうぞう的てきな賃上ちんあげ実現じつげんへ」

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは、閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「原材料げんざいりょう価格かかくの上昇じょうしょうや円えん安やすにより、光熱こうねつ費ひや食料しょくりょう品ひんなど日常にちじょう生活せいかつに密着みっちゃくした品目ひんもくで値上ねあげが続つづいている。最大さいだいの処方箋しょほうせんは物価ぶっか上昇じょうしょうに負まけない継続けいぞく的てきな賃上ちんあげの実施じっしだと考かんがえており、賃上ちんあげと労働ろうどう移動いどうの円滑えんかつ化か、人ひとへの投資とうしの3つの課題かだいの一体いったい的てき改革かいかくに正面しょうめんから挑いどみ、構造こうぞう的てきな賃上ちんあげを実現じつげんしていきたい」と述のべました。

また、ことしの春闘しゅんとうについて「各かく企業きぎょうの支払しはらい能力のうりょくを踏ふまえながら、個別こべつに労使ろうしが交渉こうしょうし合意ごういしたうえで決定けっていされるべきものだが、最大限さいだいげんの賃上ちんあげを期待きたいしたい」と述のべました。