一方で、新名神高速道路が通る三重県亀山市から大阪方面へと向かう自動車専用道路の「名阪国道」も24日午後7時から大雪による立往生などを防ぐために通行止めになっていました。
こうした状況から、中日本高速道路は滋賀県内からの渋滞で走行する車のスピードが落ち、三重県内での後続の車の流入が増えるなか、大雪となって路上で動けなくなる車が次々に出て、立往生につながったとみられるとして調べています。
千葉県から兵庫県まで荷物を運ぶ予定だったこのトラック運転手の女性は、24日午後10時すぎ、静岡県の浜松サービスエリアに停車した際にSNSを検索し、この時点で新名神高速道路の下り線が渋滞していることを知ったということです。
当時の天候については、「新名神に入ったとたんに雪景色になっていました。ふぶいていて左右の山は真っ白でした」と振り返りました。 パーキングエリアに入った際は本線の道路にはまだ渋滞は見られなかったということですが、駐車場内にも次第に雪が積もり始め、気が付くと本線にはトラックの渋滞の列が伸びていてこれ以上走ることを諦めたといいます。 この間の心境については、「何が起きるか分からない状況だったので、どこか気を張ってしまっている部分があったのか、眠たくても寝れませんでした。ほかのトラックのドライバーさんたちと会話して過ごしていました」と話しました。 この女性がパーキングエリアから出られたのは30時間以上たった26日の午前8時半ごろで、「大阪方面に向かうにつれてだんだん雪がなくなって、大阪には全くなかったので今まで雪国にいたような感じは幻だったのかなと思いました」と当時の心境を語りました。 この女性は、指定の時間までに荷物を運ばなければならないというドライバーの意識によって、悪天候であっても走行を続けてしまった運転手が多かったのではないかとした上で、「『何時までに荷物を届けてください』と言われると行くしかない。行けるところまでは行かなきゃと考えたドライバーさんが多かったと思います」と話していました。
現場付近では除雪作業をしている間にも積雪が増え続けて止まっている車と車の間に雪が積もり、動きにくい状態になったことが、作業の遅れにつながったとしています。 こうした中、立往生した車が道路をふさぐ形となり除雪車を思うように投入できず、中日本高速道路の社員らがスコップを使うなど手作業で除雪を続けたということです。
西成教授によると雪のない道路では20キロの渋滞を抜けるのにおよそ1時間かかるとされ、雪がある場合にはこの時間が2倍ほどになり、動きの取れない車が増えた場合はこの時間がさらに延びていくということです。 これまで立往生は、国道などの一般道路で発生することが多かったということで「高速道路上での大規模な立往生は珍しい」と指摘しています。 また、今回のようなケースでは道路管理者や行政が緊急車両や除雪車などの情報を個人に届けることが重要だとした上で、再発防止策については「除雪をどのように行うのかのマニュアルの見直しと、気象の情報と道路の情報をかなり細かくリンクさせていくことが大切だ」としています。 その上で「経済を担っている大動脈である高速道路を止める判断はかなり難しいが、早めの封鎖をすることがトータルで止める時間が短くなることにつながる面もある。通行止めの判断がどのようになされていたのか、検証が必要だ」と指摘しています。
当事者の女性“眠たくても寝れなかった”
中日本高速道路「除雪作業に時間がかかったのが要因の1つ」
専門家「通行止めの判断 検証が必要」
通行止めから1日以上たってようやく解消されました。
当時、現場では何が起きていたのか?その原因は?