足立区と葛飾区にかかる京成電鉄の「京成本線荒川橋梁」は全長435メートルで、昭和6年(1931年)に作られ、その後にかさ上げされた周囲の堤防に比べると最大で3.7メートル低くなっています。
ここが決壊するとおよそ30万人が被災する想定もあり、荒川の「弱点」とされてきましたが、橋の架け替えと堤防のかさ上げ工事が本格的に始まることになり、4日に起工式が行われました。
地元住民など関係者およそ100人が参加した式典では、はじめに斉藤国土交通大臣が「令和元年の東日本台風では水位が橋桁まであと1.2メートルまで上昇するなど危険な状態だ。架け替えだけでなく『高台まちづくり』などもあわせて進めていく必要があり支援と協力を賜りたい」とあいさつしました。
そして現場の土を突き固める「胴突き」のセレモニーを行って事業の安全を祈願しました。
総事業費はおよそ730億円、完成は2037年度と見込まれていて、橋は今より15メートルほど上流に架け替えられる予定です。
荒川下流河川事務所の出口桂輔所長は「1日も早い完成を目指しハード対策を進めていくが、ことしや来年に洪水が起きる可能性もある。どう行動するか一人一人に考えていただくため、ソフト対策の面でも尽力していきたい」と話していました。