三菱重工業が“
日の丸ジェット”とも
呼ばれた
国産初のジェット
旅客機の
事業から
撤退する
方針を
固めたことが
分かりました。
多額の
開発費を
投じたものの、
事業化のめどが
立たないままでの
撤退となります。
関係者によりますと、三菱重工業は「スペースジェット」の事業から撤退する方針を固め、こうした方針を近く発表するということです。
スペースジェットは、国産初のジェット旅客機として、2008年に事業化が決まり、新たな産業を育成するプロジェクトとして期待され、国からの支援も受けて開発が進められました。
しかし、部品の不具合など開発の遅れから納入の時期はこれまで6回にわたって延期されました。
さらに新型コロナの影響で航空需要の回復が見通せないとして2020年の10月には会社が「いったん立ち止まる」という方針を表明し、アメリカの飛行試験の拠点を閉鎖するなど、事実上、開発を凍結していました。
今回、会社は航空需要が回復する中でも事業化のめどが立たないと判断したとみられ、撤退にあわせて、開発を担っていた子会社の三菱航空機も精算する方針です。
“日の丸ジェット”とも呼ばれ、官民が連携して多額の開発費が投じられたものの、撤退に追い込まれる形となりました。