改めて「マイナ免許証」の仕組みや手続きの注意点などについてお伝えします。
Q.「マイナ免許証」って?
A.「マイナ免許証」はマイナンバーカードと運転免許証を一体化したものです。
マイナンバーカードのICチップに、運転免許証の番号、有効期限、普通自動車免許や二輪免許、大型免許などの免許の種類、オートマチック車限定や眼鏡が必要などの条件、顔写真などの情報を記録する手続きを行うと、「マイナ免許証」として利用できるようになります。
「マイナ免許証」を取得するかどうかは免許証を新たに取得したり、有効期限が来て免許証を更新したりする際に自分で選択することができます。
選択肢は、マイナンバーカードと免許証を一体化させて「マイナ免許証」を取得する、従来の免許証を今後も持つ、「マイナ免許証」と従来の免許証を両方を持つの3つです。
従来の免許証がなくなったり、使えなくなったりするわけではありません。
Q.運用初日はどんなトラブルが?
A.NHKが各地の警察に取材したところ、マイナンバーカードに免許証の情報を登録することができないなどのトラブルが全国で相次いで発生したことがわかりました。
このうち愛知県警察本部によりますと、24日午前11時半の時点で、手続きを行っている44の警察署のうち、25の警察署でマイナンバーカードに免許証の情報を登録する手続きができなくなっているということです。
システムに障害が発生したためで、復旧の見通しは立っていないということです。
運転免許試験場や運転免許センターでは手続きが可能だということです。
また、岩手県警察本部によりますと、2か所の運転免許センターで午前11時ごろからマイナンバーカードに免許証の情報を登録する作業ができなくなったということです。
アプリの一部に不具合も
また、このほかにも利用者が免許証の情報を読み取る専用のアプリの一部に不具合が見つかりました。
「マイナ免許証」は券面に免許証の有効期限などの情報が表示されません。
このため利用者は専用のアプリで読み取って、有効期限を確認したり、レンタカーを借りる際に提示したりすることになっています。
このアプリについて、読み取った際に表示される免許証の画像の一部が正しく表示されない不具合が発生したということです。
具体的には「免許の種類」の欄の、「普通自動二輪車」と「大型自動二輪車」の表記が表示されなかったり誤った情報が表示されたりしているということです。
一方で、この画像の下に記載されている文字情報については正しく表示されているということです。
また警察官が交通取締りの際に利用する別のアプリには不具合は生じていないということです。
警察庁が原因を調べたところ画像に変換するプログラムの欠陥が見つかったということです。
スマートフォンのアプリはすでに修正されたということですが、パソコンのアプリは修正できていないということです。
Q.取得する際 気をつけたほうがいいことは?
A.「マイナ免許証」は取得のタイミングに注意が必要です。
「マイナ免許証」にはマイナンバーカードの有効期限と運転免許証の有効期限が別々に存在し、それぞれを更新する必要があります。
現在のシステムでは「マイナ免許証」を取得したあと、マイナンバーカードの更新をすると、免許証の情報と再度ひも付けし直すための手続きを、警察署などに出向いて行う必要があります。
たとえば「マイナ免許証」だけを取得している人が、車で役所に行き、マイナンバーカードを更新すると、その時点では免許証の情報が引き継がれていないため、帰り道では「免許証不携帯」の状態となり、交通違反となってしまいます。
こうした不便な状況が解消されるのは、免許証の情報が自動的に引き継がれる形でシステムが改善される、ことし秋になる見通しだということです。
このため警察庁は、ことしの秋までにマイナンバーカードの有効期限を迎える人は、まずはマイナンバーカードを更新してから「マイナ免許証」を取得する手続きを行ってほしいとしています。
海外に行くときにも注意
また、フランスやイタリアなど一部の国では、運転する際に日本の従来の運転免許証が必要な国もあるため、注意が必要です。