トランプ大統領は24日、記者団に対し、輸入される自動車への関税措置について「数日中に発表する」と明らかにしました。
さらに、今後、木材や半導体への関税措置も発表するとしています。
アメリカの複数のメディアは自動車のほか、半導体や医薬品など、品目別の関税について、予定していた4月2日には正式発表しない可能性があり、自動車への関税は依然、検討が続けられていると伝えていたばかりで、トランプ大統領の判断が注目されます。
また、トランプ大統領は「4月2日はアメリカの解放記念日になる」と述べて、貿易相手国と同じ水準にまで関税を引き上げる相互関税を発動するという方針を改めて強調しました。
一方、トランプ大統領は、FRB=連邦準備制度理事会に対し、食料品やエネルギーの価格が下がってきているとして改めて利下げを求めました。
関税の引き上げによって景気の減速懸念も出る中で、トランプ大統領は先週もSNSでFRBに利下げを求める投稿を行っていて、独立性が重んじられるFRBの政策判断への影響を懸念する声が上がっています。
“ベネズエラから原油を買っている国々には25%の関税”
アメリカのトランプ大統領は24日、SNSへの投稿で、南米のベネズエラから原油や天然ガスを購入している国からの輸入品に、4月2日から25%の関税を課す考えを明らかにしました。
トランプ大統領は、その理由について、ベネズエラがアメリカに敵対的な態度をとっているほか、「アメリカに何万人もの犯罪者を意図的に送り込んできた事実がある」と主張しました。
トランプ政権は、アメリカがベネズエラのギャング組織による侵略などの脅威にさらされているとして、第2次世界大戦中に使われた「敵性外国人法」を適用してギャングメンバーの国外追放を進めていて、新たな関税措置を表明することでベネズエラに圧力をかけるねらいがあるとみられます。
トランプ大統領はホワイトハウスで、記者団に対し、「ベネズエラから原油を買っている国々がアメリカとビジネスを行うにはすでに課されている関税に加えて、25%の関税を支払わなければならない」と述べました。
アメリカメディアは、去年、ベネズエラの原油の最大の輸出先は中国だったとした上で、中国が原油の購入を継続した場合、すでに課されている追加関税にさらに25%が上乗せされることになると伝えています。
ヒョンデ自動車 3兆円規模の投資を発表
トランプ大統領は24日、記者会見を開き、韓国の大手自動車メーカー、ヒョンデ自動車がアメリカで総額210億ドル、日本円にして3兆円規模の投資を行うと発表しました。
この投資について、ヒョンデ自動車グループも発表し、アメリカ国内で年間120万台の自動車を生産するとともに、南部ルイジアナ州で新たに製鉄所を建設するということです。
トランプ大統領は記者会見で、「この投資は関税が非常に効果的であることを明確に示している。アメリカで生産すれば関税はかからないからこそ、多くの人々がアメリカにやってくるのだ」と述べ、さらに多くの企業が国内で投資するという見方を示しました。
トランプ政権は今月12日、鉄鋼製品とアルミニウムへの関税を発動し、今後、自動車や半導体などへの関税措置も発表するとしています。
関税の引き上げは、インフレや景気減速を招くという懸念もでる中で、トランプ大統領は関税措置の有効性を強調しました。