27日に行われた参議院予算委員会の集中審議では、石破総理大臣が先に、新年度予算案の成立後に強力な物価高対策を打ち出す考えを示したことなどをめぐって論戦が交わされました。
“ひきこもり”支援めぐり
公明党の下野六太氏は、いわゆる「ひきこもり」の人たちへの支援をめぐり「推計で146万人とされ、重く見る必要がある。家にいることも外に出ることも選択できる形をつくっていくべきだ。苦しんでいる人に手を差し伸べなければならない」と指摘しました。
これに対し、石破総理大臣は「社会として支援する必要があり、政府としてよく考えなければならない。一人ひとり事情が違い、定型的な対策があるわけではない。仕組みとしてどう機能させるか協力してほしい」と述べました。
首相の物価高対策めぐる発言に関して
日本維新の会の片山大介氏は、石破総理大臣の物価高対策をめぐる発言に関し「予算案が成立したあとに個別の物価対策を打つのか打たないのか。賃上げの実現を見極めるのはこれからなのに、何か対策を打つというのは選挙目当てのように見える」とただしました。
これに対し、石破総理大臣は「対策が必要であればやらなければならないが、その状況が到来するかどうかは、予算の執行状況をきちんと見極める必要がある。突発的な事情にも常に臨機応変に対応できるようにすることは、政府として当然だ」と述べました。
物価高対策をめぐり
国民民主党の田村麻美氏は、物価高対策をめぐり「政府の予算案では不十分なので早く修正してほしい。それが一番の物価高騰対策になるので今すぐ決断すべきだ」と迫りました。
これに対し、石破総理大臣は「最善の予算案だということで審議をお願いしている。経済状況は日々、変わるので、何が起きても対応できる体制は常にとっておかなければならないが、現時点では、この予算案を認めてほしいという姿勢に変わりはない」と述べました。
核兵器禁止条約めぐり
共産党の吉良よし子氏は、核兵器禁止条約をめぐり「今月の締約国会議に日本政府は参加しておらず、被爆者の期待に応えられなかった認識はあるのか。核抑止論に固執し続けて、議論に参加すらしないのはあまりにも恥ずべきもので、今すぐ、批准することを強く求める」と迫りました。
これに対し、石破総理大臣は「期待に応えられなかったことは事実として認めなければならない。核のない世界は理想だが、核戦争のない世界をつくっていくことも政治の責任で、核抑止論は今でも有用だと思っている」と述べました。
能登半島の復旧・復興めぐり
れいわ新選組の山本代表は、能登半島の復旧・復興をめぐり「重機メーカーが災害NPOに対し無償で重機を貸し出していたが、返却が目前に迫っている。重機を継続して使うため、緊急に災害救助費などに新たに上乗せしてほしい」と求めました。
これに対し、石破総理大臣は「石川県が重機を借り上げ、社会福祉協議会を通じてNPOに貸し出す場合、リース料は災害救助法の対象となり、NPOは無料で重機を使用できる。国の支援で継続することが可能で、現地の人が困らないよう対処していく」と述べました。